箱雑記ブログ

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囲碁将棋単独ライブ『最幸』

1月ぶりという短期間で開催されたルミネでの囲碁将棋単独ライブが、素晴らしく面白くてマジか!という気分になりましたので、ブログを書きに出てきました。本当に、どれだけ面白ければ気が済むのか。
以下感想です。ネタバレについては極力注意していますが、今後ライブ等で披露されるネタもあると思いますのでご注意ください。


囲碁将棋の単独ライブ、1月にルミネでちょっとどうかしてる勢いで面白い単独を見せてもらってからそれほど経っていないのに、今回単独で披露された90分間ノンストップの漫才が、1月と遜色がないくらいにちょっとどうかしてる勢いで面白いものばかりでした。本当に文字通り捨てネタのない、どのセンテンスを切り取って見てもひたすらに面白いことしか出てこない二人の立ち話。とりあえず見終わってまず思ったのは、囲碁将棋とんでもないな、ということです。

思い返してみても、今回の90分ぶっ通しの漫才は、ひとつひとつの漫才をつなげて90分、という感覚ではなくて、勿論テーマはその時々によって違うのですが、どこからどこまでがそのひとつとして区切れるのか、が難しく、本当に長大な1本の漫才のようなイメージでした。そうやってひとつひとつのテーマから少しずつ派生して90分間生まれ続けていく笑いの数々が、どれも面白いというのがまず凄いです。しかもそれぞれのテーマに沿った漫才は同じような形のものがほとんどなくて、そのくせどの漫才でも囲碁将棋でし
か見られない囲碁将棋らしさはフルに詰め込まれていているのがさらに凄いです。面白いという前提の中で、さらにらしさと幅広さを同時に内包してのけることは、多分見ているだけのこちらが想像するよりもはるかに難しいことではないかと思うのですが、二人の会話のやり取りそのものににじみ出る関係性とか、二人が元々持っている感性とか、もっと単純に二人の好みなどが、そもそも漫才の中に当たり前に存在しているからこそ、どんな漫才をやっていてもらしさの部分が突き抜けて映えるのだろうか、と勝手な想像ですが思います。好みだとか感性だとかは、出しすぎてしまうとお客さんがとっつきにくくなるのではないのかなと、簡単に考えてしまうのですが、囲碁将棋の場合はそうはならないのか本当に不思議だし面白いな、と。野球に詳しくない友人たちも、スイッチヒッターで笑うし秋山のバック宙で笑うのだから、凄いことだなあと思います。見せ方もあるだろうし、囲碁将棋がこういう風に言ってるからこそ面白い、と思わせる部分もあるだろうし、どちらにしろ凄いです。

1月の単独もそうでしたが、今回も本当に、どの漫才もどこに出しても胸をはれるじゃないかという抜群の面白さで、囲碁将棋どうかしてる。毎年面白い漫才を山ほど見せてくれる人たちですけど、それにしても今年の単独や新ネタの充実度は特にどうかしてます。
特に好きだったのは金持ちになったら、の部分。漫才の中で披露される金持ちになったら大喜利が百発百中の面白さで、しかもただ面白いだけじゃなくて、最初の文田さんのしょぼい面白さと、根建さんの超絶かっとんだ面白さと、次の文田さんの弩級の振り切れた怖い面白さと、全部の色がくっきりと違った上でとんでもなく面白いというのが、もう凄いなと。この漫才の、金持ちになったら、という視点の楽しさも勿論ですけど、結局は大喜利が面白くないと面白くならない漫才なのではと考えると、このシンプルな構成でもごりっごりに面白いっていうのは囲碁将棋の地肩の強さを思い知るようだな、とも思えます。
そういう大喜利的な強さは、相方の結婚式の手紙のくだりでの、三本の木の部分でも思いました。こっちは打って変わってくだらなさ最高潮の面白さでしたが。振り幅がえらいことです。
そうかと思えば、そこを持ってくるのか!という視点でやられたーとなったのがジャニーズの野球大会の部分です。あれを、そうやって見て、そうやって笑いに持っていって、そうやって見せてくれるなんて!という、悔しいくらいに脳が喜ぶ面白さ。入り口でのやられた感でまず感激してしまうんですけど、そのやられた感に頼らないその後の笑いの作り方も本当に楽しいです。どういう生活してたら、あんなことをやってみようと思いつくんだろう。いつも思うことですが、囲碁将棋ってつくづく思い付き、あるいは気付きの天才だな、と。
気付きでいったら海賊版の漫才もちょっと最高すぎました。海賊だから、そこに至るって、言われてみたらそうだけど、言われなかったらなかなかたどり着けないな、と思います。囲碁将棋の漫才は、その手があったか!をこれでもかってくらい浴びることのできる漫才で、こんなに気持ちがよくて且つ感激できることってなかなかないです。その上で、それが嘘だろうってくらい面白いんだから、もう憎たらしいくらいです。

そもそも今回の単独、冒頭からして最高だったんでした。漫才をパチンコの演出に置き換える、あの一連の、異様に力の入った映像に音声にセットに演出に!パチンコだ、と分かった瞬間自分の頭をよぎった「馬鹿だこの人たち!」という衝撃は忘れられないです。あんまりどうかしてて面白かったから、最初にこれを見た時点ですでに単独来てよかったと思わされるという。
あの馬鹿馬鹿しさを受け取って笑える、男女問わず大人なお客さんが多いだろうことも幸いなんだと思いますけど、スタッフさんがノリノリだったというエンディングでの話も最高だったなあ。
あと、少し前の囲碁OR将棋*1でのテーマになっていた離婚の漫才を、アイデアと共に持ってきていたのも痺れました。面白そうなもの、使えそうなものを単独に持ってきて仕上げてくれるのは、これはちょっととても嬉しいな、と。
勿論他の漫才も、あれもこれもことごとく面白かったです。サッカー部辞めるやつもとてつもないおばかさ加減だったし、W杯のボールの漫才なんかはそもそもどうやってその知識にたどり着いたの?となるくらいだったし、ヤンマガヤンジャンのところは、以前のラーメン屋やるならの漫才におけるしょうゆととんこつのくだりを彷彿とさせるものもあって嬉しくなったし、最後のコウノトリの漫才も、そこに気付くのか!となる面白さと同時に、ラストの急な下ネタラッシュに目がちかちかしました。
本当に、思い返すものが全部面白いって、どうかしてるしとんでもないです。

きりが無いのでこのあたりで切ります。
囲碁将棋が面白くて凄いということを言い過ぎていて、あまり説得力がないのは重々承知で、それでも声を大にして、囲碁将棋がどれだけすごくて面白いか、と言いたいがための記事でした。

*1:囲碁将棋が神保町花月にて隔月で開催しているライブ。ゲストを招いてゲストと共にテーマに沿って1時間で漫才を作って披露する。