箱雑記ブログ

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囲碁将棋単独ライブ『55』

囲碁将棋のルミネでの単独ライブを見てきました。オープニングとエンディング以外はマイク一本の漫才のみ、しかも新ネタでぎゅうぎゅうの単独、これがもう本当にとんでもなく面白かったです。
以下感想です。極力ネタバレは控えるようにしていますが、今後別のライブ等で披露される漫才もあるかと思いますので、ご注意ください。

重大なことと下らないこと→オープニングVTR→ランキング→やりたいこと(文田)→やりたいこと(根建)→女心→なでしこジャパン→事故→カタカナ→漢字の読み方→もしもピアノが弾けたなら→ペットのナナちゃん→エンディングVTR→コント「ミエナイチカラ
(勝手に書き出してるのでどこかとどこかが繋がってたりするかもです)

囲碁将棋を見るたびに面白い面白いと喚いてばかりの私が今更単独面白かったとどれだけ言ったところで何の説得力もないとは思うのですが、それでも声を大にして言いたいです、本当に素晴らしく面白かった!

あんまりどの漫才も面白くて、終わった後に友人達とあれが好きだったこれが好きだったと話し合うのが止まりませんでした。改めて思い返しても、面白い漫才しかなかったな、と。しかもちょっと面白いどころじゃない、どこに出しても恥ずかしくないぶっちぎりに面白い漫才しか!なかった!というのが何しろとんでもないです。
何よりすごいなと思うのは、それぞれの漫才が似たアプローチでなくそれぞれ違った武器を使って作られているように見えたところです。それでいてどの漫才も囲碁将棋を見に行かなくては味わえないような、囲碁将棋だからこそ!という色をたっぷりと湛えている、ということがどれほど凄いことか、考え始めたらきりがないくらいです。
文田さんのやりたいことにおける気まずさに対する視点だとか、根建さんのやりたいことにおける針の穴を一点突破するような暴走ぶりだとか、事故の一連の偏執とも思えるディテールを漫才に置き換える絶妙すぎるバランス感覚だとか、なでしこジャパンから発展するマイナー大喜利からの縦横無尽さとか、カタカナのアプローチの馬鹿馬鹿しさからの唸らずに居られない展開ぶりだとか。全部が全部、らしさの枠の中であらゆる手を尽くしてくる多面性を感じる面白さで、あれもすごいこれもすごいと言い出したらきりがないくらいです。

女心の流れからのチアリーディングのあたりは、切り口が凄すぎてちょっと唖然として見てました。もう今後チアをネタにしてこの漫才くらい面白いものを作るのはすごく難しいんじゃないかと思うくらい。最初の視点を獲得した時点でもうこの漫才は勝ったも同然、その上でそれを広げるための表現というか見せ方が見事で、なんて面白いんだろう!と。
事故のくだりは本当に大好きでした。囲碁将棋を見ているとたまに耳にする「業務上過失ツッコミ」が、漫才として(実際は漫才から降りて話す、という態でしたけど)こんな形で発展するなんて!と感激する仕上がり。保険の話とか、もうたまらない、どうやって生活してたらこんなこと思いつくんだろうと痺れっぱなしでした。
かと思えばカタカタの曲タイトルから始まるあのとんでもない馬鹿馬鹿しい漫才もちょっとどうかしてる面白さ。囲碁将棋の漫才は基本的にフレーズにしろなんにしろとても耳に残るんですけど、究極に耳に残るっぷりだった…単独終わりにみんなでどれだけ口真似をしたか分からない。ただ言い方が面白いだけに留まらない漫才なのがすごいことだな、と。ドラえもんとといざらすが引っ張ってこられるところがまさに囲碁将棋の凄味だなとつくづく思い知りました。
そんな中に放り込まれる、根建さん無双の「車プロファイリング」、転げるほど笑いました。多分あんなことをあの熱量であの面白さで突っ走れるのこの世で根建さんだけ!本当に最高、狭いとかだけでは説明のつかないニッチな視点と爆発力が相まって、本当にすごいことになってました。もしかしたら単独ならではのネタ、ってことになっちゃうのかな、もう一度どこかで何とかして見たいんですけど。
熱量という意味では、ペットのナナちゃんの漫才はたまに見られる文田さんの気持ち悪さ炸裂でこれまた最高でした。大枠として同じことを思いつく人は他にもいるかもしれないけど、それをあのどうかしてるディテールと熱量であそこまで持っていってあそこまで仕上げてきちゃうあたりがさすがとしか。テクニカルなこともやれるのに、こういう気持ち悪いパワフルさで笑いをかっさらえる囲碁将棋の幅広さ、本当にどうなってるんだろう。
思えば最初のランキングの漫才の時点で相当笑いまくっていた記憶があります。二人が出していくランキングがどっちも独自の切り口でもってどっちも面白いってことが、まずもって凄いことだなーと。二人とも全然似たところのないものを見せてくるのに、合わさると囲碁将棋の魅力になる、それがすごい。それはなでしこジャパンの漫才にも言えることだったかもです。あの形、以前伊勢原でやった銀行に纏わる漫才で見たのと同じ形で、大好きだったので今回なでしこジャパンで見られて本当に嬉しかったです。二人の感性の原液みたいなものを垣間見られる気がする面白さ、最高だったなあ。

声に出して言いたいフレーズも多すぎて、ネタバレになってしまうので書けないのがもどかしいくらいです。オープニング映像前の漫才で、文田さんが暴走し始めたのを見てた根建さんの「文田たまにあるあの日だよーついてねえー」と嘆く様が忘れられないです。「やってみろよ」に続く根建さんの推しフレーズは「ついてない」なのかもしれない。やってみろよもそうですけど、本当に「ちゃんと考えると意味が分からないけどぱっと耳にすると何となく合ってるように思える」ラインの単語を探すのが上手過ぎる!
何となく覚えているのは、根建さんが「車プロファイリング」と言い出したときの、文田さんの絶妙に低温の「はて」です。吹いてしまった。
あと何かのタイミングで文田さんから「ワギャンランド」が出てきた時に、隣の席の友人とつい笑い転げた点については反省したいところです。

他にも色々とあるんですけど、きりがないのでひとまず切ります。本当に本当に面白かったです。10年目の囲碁将棋にルミネでこんなにも面白すぎる漫才の単独ライブを見せてもらえたこと、ありがたいしかないです。どの漫才もすぐさまもう一度見たい!素晴らしかったです。