箱雑記ブログ

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囲碁将棋神奈川県58市町村制覇ツアー「お暇なら来てよね。」(川崎市宮前区)

「ツアーファイナルだね。」と銘打たれた、囲碁将棋の長きに渡る神奈川ツアーのファイナルが本当に呆気にとられるレベルの物凄いボリュームと濃さと面白さだったので、例のごとく感想を書きにきました。
ネタについては今後もライブ等で披露されることもあるかと思われますので、ネタバレは極力避けるようにしていますがご注意ください。


(※漫才のタイトルは便宜上つけたもので、正確なものではありません。)
出囃子/モテない理由/女の落とし方/プロポーズ/タイムスリップ/サッカーのルール/なりたい職業/刑事ドラマ/つけま/昨日見た夢の話/結婚式のスピーチ/もらした時の対処法/真似

全13本、この中にツアーファイナルのための新ネタも含まれているというとんでもないボリュームでした。ライブ始まって二人が出てきて38マイクの前に立って、そのままほとんどマクラもふらずにネタに入っていって、90分、なんだったらそれ以上の間、映像もなしで延々と二人が漫才をし続けるという、とてつもない光景が見続けられたライブでした。単独ライブだって映像入ったりする。それさえ無かった、という、本当に二人だけがひたすら面白いことをしゃべり続けるだけのライブ。こんな絶景なかなかないです。
舞台上の二人にとっても休憩なしぶっ通し漫才の90分以上、いったいどれほどの熱と労と思いが詰まっていたんだろうと思うと気が遠くなります。

実際にツアーで見たネタも、他のライブで出会ったネタも、この期に及んで見た事のなかったネタも、新ネタも、何しろ盛りだくさんで、あらゆる振り幅を携えていて、勿論自分の中の感じ方も客席の反応も様々でしたけど、全部面白かったし全部好きでした。って私みたいなもんが書いてしまうとすごく簡単な風になってしまいますけど、本当にすごいことだなと思います。
ひとつひとつのネタを思い返してみると、ネタの傾向や作りの巧妙さ或いはパワフルさ、馬鹿馬鹿しさやくだらなさ、狭さ、意外性とか展開のめまぐるしさ、そういうものがどれも本当にカラーが違っていたのだなーと。多分似たようなネタ、同じタンスの引き出しに入るネタってほぼなかったんじゃないかなという気がします。それが凄い。何よりそんな多種多様な漫才がことごとく囲碁将棋らしさを放っていることが本当に凄いなと思います。13本もあって、どのネタも多分他では見ることのできない、囲碁将棋だからできる漫才、囲碁将棋を見に来ることでしか出会えない漫才だったと、そう思えることがどれだけ凄いことかと、ただ感嘆するしかないです。

この日のネタで大好きな漫才たくさんありますけど、個人的にはまさか夢の話のネタがファイナルで見られるとは思わなかったです(笑)このネタツアーで見てるんですけど、その時はツアーみたいな場だからこそ出来るネタだなと思った気がします、とんでもない長い前振りと、意外とかいう問題でさえないボケと、もう贅沢すぎて色んな意味で最高だなと思いました。
同じ意味ではなりたい職業のネタも、ツアーでしか見てなかったのでここで再び見られるとは!となりました。このネタの、真っ向から狭さをネタにする(なんだったらちょっと弄る)感じはすごく囲碁将棋らしいなーと。またそのボケのチョイスの数々が素晴らしい(笑)マイナーの中でもさらになんかちょっと面白いんじゃない?ていうラインを見つけることにかけて囲碁将棋は天才すぎる。

結婚式のスピーチのネタは最近よく見るネタの中でも特に好きなネタのひとつなんですけど、見るたびにどんどん仕上がっていくのが面白すぎます。まずもってそこに目を付けるのか!というのと、それをそう料理するのか!というのと、そこにそんな展開作っちゃうのか!というのと、もう見事としか言い様がないです。何度でも見たいです、何度見ても凄いネタだなと思って笑ってしまうので。
同じようにモテない理由のネタも本当に見事で、客席のお客さんがネタの仕組みが分かった瞬間に一気に笑いが加速していく感じ、見ている自分のテンションがおかしくなるくらいわくわくします。このネタはここにそんな面白いやり方があるなんて!という感激が見ててすごい。題材として何も奇を衒ったものは使っていない、のに、見せ方ひとつでこんな凄いな漫才になるなんて。このネタの試行錯誤も見ていてすごく面白いです。仕上がる様が是非とも見たい。
タイムスリップもツアーで生まれたネタなんですね。大好きなネタなのでファイナルで見られて本当に嬉しい。これも本当に、そこに気付くのか!っていう視点が抜群の面白さ。それだけでネタがずっとどう転んでも面白くなっていく感じが楽しくて楽しくて。以前見たときは途中の電車のくだりが東海道線(確か会場が東海道線沿線)だったのですが、この日はちゃんと田園都市線で(宮前平駅田園都市線沿線)、さらにその中で語られる話も違うものになっていて、どんだけ面白いもの見つけるのが上手いの!となりました。

見た事の無いネタは女の落とし方のネタと最後の真似するネタ。女の落とし方のネタがものすごく面白かったので、まだこんなネタがあった!となりました。ネタのひっくり返し方と、デフォルメの仕方と、見所が多くて楽しすぎます。これ是非もう一回見たいな。
最後の真似をするネタがファイナルのための新ネタだったのかなと思いますが、これも面白かった!ネタの大本のやり取りは多分それほど真新しいものじゃないと思うのですが、その中でのボケの出し方がこれまた本当に囲碁将棋だなー!と思わされるようなもので、漫才としては単調なところもあると思うんですけど、それでもずっと見ていられるなーと思いました。このネタをいつから思い付いていて、いつからファイナルに使おうと思っていたのかがとても気になります。

ネタの中でのやり取りで大好きだったのが、根建さんの「やってみろよ」なるツッコミフレーズについて、文田さんが「本社の会議室取るから説明しろ」と詰め寄るところ。ひとこと「語れ」と言い放つ様が面白すぎました。神奈川ツアーは根建さんの「やってみろよ」が成長していく様を見届ける場でもあった、かどうかは分かりませんが!

ひとつひとつを思い出して書いているとキリがない!90分以上の時間がずっと面白くて、ファイナルの感慨に浸る間もないくらいでした。笑って笑ってとにかく笑って、最後に二人が出てきて、スタッフさんや前説の魂の巾着がみんな出てきて並んでるのを見て、ああ終わっちゃうんだな、とやっと実感するという有様でした。
神奈川ツアーは私にとっては、行けば囲碁将棋が長い時間たくさんの漫才を見せてくれて絶対にそれが面白いので山ほど笑える、というライブでした。ツアーを語るほどたくさん見ることは出来てませんが、見た回がことごとく面白かったことだけは間違いないので、もっと見に行けたらよかったな、という気持ちがあったりもします。今更ですが。

見るたびにずっと面白かった神奈川ツアーのファイナルの濃度と熱と面白さを残しておきたくて書いてみました。無事に終わってよかったです、本当にお疲れ様でした。
この先ツアーで生まれた漫才がどうなっていくのかを見るのが、何より楽しみです。