箱雑記ブログ

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ずしゃる

2013年最後のずしゃるは、ずんとスパローズ狩野英孝氏という見るべきところしかないゲストを迎えての2時間。毎度のことで恐縮ですが、それはもう面白かったです。
以下簡単に流れと感想を。ネタバレは極力控えておりますが念のためお気をつけください。


大先輩と奇跡の狩野さんという見所しかないゲストを迎えた2013年最後のずしゃるでしたが、今年からのずしゃるにずっと共通して強固に存在している「ゲストの芸人さんのよいところがたくさん受け取れる」という醍醐味を当たり前のように享受してゲストの芸人さんをもっと大好きになれる仕上がりでした。
今年のはじめにずしゃるが今のスタンスになってから徹底して貫かれている「ゲストの芸人さんと楽しむ」「ゲストの芸人さんの魅力が伝わる」というこのライブの持ち味は、毎回言っているのですが本当に得がたくて素晴らしいものだなあと思います。しずるが好きなお客さんが普段見られない芸人さんの魅力に触れられて、もしかしたらゲストがお目当てのお客さんもしずるの魅力に触れてくれて、そんな幸せでしかない好循環に溢れたライブになっていることがとにかく素敵です。
特に今回は、スパローズさんは漫才師としての印象が強いであろう中でのらしすぎるクズ風味のコントが見られてしかもそれが面白いし、ずんに至っては私個人もなかなかお二人揃ってライブで見るという機会が無いのでコントもトークもがっつり見られたことがとにかく嬉しかったので、見に来た甲斐しかないな!と。狩野さんに至ってはそれはもうTVスターですしそれ以上に奇跡の面白の数々を生で見られるということが素晴らしいですし。本当に盛りだくさんのライブだったなあと思います。

ずんに関しては本当に凄味を感じるばかりだった気がします。なにしろお二人が話をはじめた先から場の空気がずんのお二人の優しくて楽しくて多幸感溢れる空気になっていくのが凄いな!と。お二人が殊更そんな風に空気を変えようとしている感じではなくても、場の方がお二人に寄っていくような印象があって、なんて素敵なんだろう、となりました。何しろ仲良しで、見ていて微笑ましいどころの話じゃない!ただただ素敵なお二人のエピソードがこれまた何もかもあったかすぎて、もう絶対好きにならずにいられないです。
かと思えば、飯尾さんが時折見せる鋭さをたたえた発言の数々にどきっとなりつつしびれること多々。とにかく仲がいいですねえ、と言われて「30過ぎて組んで喧嘩したらおしまいでしょ」なんてにこやかに言ってしまえるところに、飯尾さんの穏やかなだけじゃない底知れなさみたいなものを感じずにいられません。そんな飯尾さんの隣で、もう何のてらいもなくずっとキュートにほっこりと、どこかとぼけた笑顔で寄り添うやすさんの眩しさたるや。なんて素敵なコンビでいらっしゃるのか。

スパローズはそれでも普段もライブで見る機会もあって、お二人が色んな意味で突き抜けてかっこいいということは承知の上なのですが、それでもやっぱり改めてずしゃるという場で見て、お二人が並び立ってニヤニヤしているその最強感、ボスキャラ感がたまらないな!と思いました。以前の事務所の頃の何気にすごみのある話をさらっと当たり前のように話すところとか、「二人で敵を責める(攻める?)のが得意」という話がゾクゾクする面白さだとか。スパローズがすごいなと思うところは、クズというだけじゃなくて、お二人からしか出てこないようなクズもしくはギリギリの話が山ほど出てくることと、それをその場のお客さんに受け居られるレベルに自由自在に仕上げて見せてくれるバランス感覚だなあ、といつも思います。
この日は、スパローズのさらに大先輩というずんが一緒にいるということもあって、普段よりも少しだけ引いたスタンスでいらしたように見えて、それも大人のたしなみという感じがしてかっこよかったな。私スパローズさんに関してはいつの間にやら全部好き!みたいなノリになってきていて、お二人のクズだからこその求心力やばいな、と思います。

狩野さんはもう、その場にいてくれるだけで何が出てくるだろうとわくわくできるという素晴らしさ!狩野さんこそ唯一無二っぷり甚だしいなと改めて実感しました。何しろ可愛げのレベルが天を貫いて宇宙に届くくらいのもので、ライブでネタやるの久々、楽しいね!なんて笑顔で言われた日には、これまた好きにならずにいられないです。トークの中で出てくる率直な言葉の微笑ましさといい、率直を通り越してなにそれ!みたいになる楽しさといい、それらも振り切っての奇跡の所業といい、本当にずっとにこにこしてしまう面白さで、何度も書きますけど見る甲斐しかないです。

そんなゲストの皆さんの力量が素晴らしいのは勿論、しずるのそもそものスタンスがゲストを盛り立ててゲストと楽しもうという心意気があってこそ、としみじみ思います。村上さんがいつもの超友好的なスタンスで大先輩に話しかけていくのでちょっとどきどきしたりもしましたが(笑)、それにしても雰囲気よかったなーと思います。あと池田さんがスパローズのネタで笑い過ぎてて、トークのときも面白かったと言い募っていたのがとてもよかったな、さすがです。

ネタも全部面白かったです。しずるの新ネタ2本、1本目の新居が斜めというコントは全編通して流れていく多種多様な気まずさが面白くて、しずるらしい泥臭さが好きだなあと。何より、ネタの中で空気の悪い面白さを無言の中で二人の表情とちょっとした所作で笑わせてくるというのが、しずるの真骨頂!という気がしました。間が面白いって贅沢なことだなあ!2本目のゲームのネタは逆に双方の台詞のやり取りが楽しいネタで、本当に色んな振り幅を持ってる人達だなあと思います。しずるの武器のひとつは間違いなく二人が二人してそれぞれがっつりネタを書くところだな、と思い知る気分。芝居がかった台詞回しを異様に違和感なく使って笑いをとるということが、池田さんだけじゃなく村上さんも出来てしまうというのも、凄味だな、と。二人して面白いネタが書けて、二人して芝居が上手すぎるという、コント師としてとんでもない武器。
スパローズは単独ライブでもやっていた保父さんのコント、久しぶりに見られて本当に嬉しかったです。つくづくクズを極めるコントとして名作すぎて、何度見てもいくらでも笑ってしまうなあ。ギャンブル的なあるあるがちりばめられてあるのに、それを成立させる入れ物が保育園というクズと真逆のもので、それをあえて、というか確信犯的に持ってきている感じに恐れ入るしかない(笑)ゲスさがあれほど際立つ仕上がりなのに、引かずに笑えるっていうそのバランスが何より凄いなあ。
狩野さんは先生、ホームルームのネタでした。村上さんもネタ後のトークで言っていたけれど、本当に客席側の待ってました感がすごい!一時期よくマセキのライブに足を運んでいたときも、すでに売れっ子街道驀進中だった当時の狩野さんは毎回ライブでネタをやっていて、それがいつもすごく面白かったなーというのを思い出しました。この日も本当に面白かった、挙手を求める下りの間の取り方とか言い方とか、どれだけ見ても大笑いしてしまいます。
ずんはマッサージ屋。冒頭からカーテンを開けるあけないというだけの動作でどれだけ面白いことを詰め込んでくるのかと感激するような面白さ!コントそのものは本当にゆったりと丁寧に展開していく中で、飯尾さんの唯一無二の空気から生まれる平和なボケと、やすさんの困りつつも楽しげに翻弄されるぶりが、もうずっと多幸感溢れまくりで本当に面白かったです。大先輩にしか出せないと思わせる、なんともいえないおかしみがある気がして、ひたすら楽しいです。

ゲストを交えてのトークで嬉しかったのが、ピン芸人はすごい、ひとりで舞台に立つのは怖い、という話の中での、飯尾さんの池田さんに対する「一番ピン芸人に向いてるのはお前だよ、頭おかしいもん」という評でした。しずる二人のトークを聞いていて、やっぱりおかしい奴だと思った、という話をされていて、あの飯尾さんをしてこんな風に言わしめる池田さんて凄いな!と思って感激しました。あとしずるのトークをちゃんと裏で聞いていてくれたという飯尾さんに感激してみたりね。
それとは別に、飯尾さんから先日のギャグラリー*1に出ていたやすさんが、村上さんのMCを上手いと褒めていた、という話も出てきて、これもめちゃくちゃありがたいお話だ!とひとしきり興奮してました。

最後の企画はやらせをカンペで見ながらいかに上手くやりきるかというもの。
みんながそれぞれ癖のあるやり方でこなしてて面白かったです。池田さんがカンペと自分の役割を勘違いするという時間もありつつ(笑)

色々と他にも興味深い話ややり取りはたくさんあったのですが、ひとまずこのあたりで。思い出したら追記します。
今年最後のずしゃるも抜群に面白くて、来年からの展開がますます楽しみになってきました。

*1:飯尾さんが体調不良で参加できず、やすさんだけが参戦していた。