箱雑記ブログ

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ずしゃる

隔月開催となったためなんだか久しぶりの感のあるずしゃるでした。毎回言ってるのですっかりありがたみが無い感じですけど、そうは言っても今回も本当に面白かったです。
以下感想です。ネタのネタバレについては極力控えていますが、念のためご注意ください。

ゲスト:ロバート/さらば青春の光


今回は吉本の大先輩であり王者でもあるロバートとフリーで今年のファイナリストのさらば青春の光という、二組だけにも関わらずバラエティに富んだゲストだったのですが、ネタが抜群に面白かったのは勿論ですが、しずるとこの二組とのトークも企画もずっと面白かった!
森田さんや池田さんのゲスな話だったり、秋山さんや馬場さんの抜群の面白いたとえや返しで盛り上がったりで、ただひたすらに楽しいばかりではあるのですが、そんな和気藹々とした雰囲気の中にぐっと差し込まれてくる賞レースに関するシビアな話、実際に賞レースに挑んでいる芸人さんならではの視点の話、さらばのフリー活動に関わる話などが出てきて、挙句KOCファイナリストであるさらばとしずるが王者であるロバートに「優勝するには何が必要か」をたずねる場面まであったりして、トークの内容は大変な情報量の多さと面白さでした。この時期、ファイナリストの決勝での「あの時どうだった」という話が聞ける機会は多いと思うのですが、このタイミングで過去の王者と今年のファイナリストと今年涙を呑んだコンビが一同に介してそれぞれの思いや経験を語り合うというのは、実はそんなに無いのでは、と思い、ずしゃるはつくづく貴重な話が出てくる場になったなあと思ったのでした。そういう経験をしずる自身がしているからだし、その中で関わる芸人さんも多岐にわたるようになったからこそ、今のずしゃるがあるのだなと改めて思い知らされた気分です。

すごく興味深いやり取りだなと思ったのが、ルミネは通常ネタ時間10分だけれど、賞レース前だとあからさまにみんな4分キワキワのネタ時間になったりしていると。その中で、
村上「ルミネではウケないですよね、賞レースにかけるネタ」
山本「あれなんだろうね、スピード感が違うのかな」
というやり取りがあって、特に山本さんの言い方はとても何気ない感じだったのですが、そういうところを考えるのか、というのが刺激的でした。賞レースの調整のネタがルミネでうけないというのも、分かる気はするけれど実際にそうなったら芸人さんは考えちゃうだろうなあ、とか。
賞レースもそうでないところでも、芸人さんがどれだけのことをどれだけのレベルで考えてどれだけの時間を費やして生み出しているのかなんて、見ている側からしたら想像もつかないわけですが、そもそも想像がつかない時点でとんでもないことをやっているのだろうな、と、そういうことは面白いネタやライブを見るたびにいつも考えることなので、そんな芸人さんの恐るべき営みの一端を少しだけ感じられた気がしました。大袈裟な話かもしれないのですが。

ネタもどれもこれも面白く!しずるは2本とも非常にくだらなく面白いネタで、でもどちらも違った味わいの馬鹿馬鹿しさだったので余計に楽しかったです。
1本目の受験生のネタ、設定とかキャラのやり取りとかすごくしずるらしくてニヤニヤしました。コントが進めば進むほど訳の分からない状況であることが分かるのに、どういう訳かそれが当たり前であるように普通のテンションで会話を進めていく二人の様がしずるのコントだなあ!と思わされる楽しさ。そんな会話の妙を楽しむコントなのかと思えば終盤突然放り込まれるファンタジーに度肝を抜かれるという。変な状況でも奇天烈な展開も、全てが二人にとっては日常であると分かる形で提示されていくのが、何より異常だなーというひねくれた面白さでとても好きでした。
2本目のチンピラとギャング?のネタ、大枠のボケは1つだけの力技のネタだけど、何しろくだらなさが突き抜けてて面白かったです。たっぷりの間を使って持って回った台詞回しで世界観をぎゅうぎゅうに詰め込んで見せておいての力技、振り幅というか緩急がぶっ壊れてるな!という有様で、バカだったなーと。オチの急カーブぶりがとんでもなくて、どうかしてるコントでした。

ゲストのネタも当たり前のように面白く!
さらば青春の光のネタは見たことのないネタだったけど面白かったなー。監禁する側をああいう視点で紐解いて面白くしていくっていうのがまず面白いけど、その上で監禁されてる側の反応でいっこ笑いが乗っかっていくのも楽しい。あと改めて見て思うのは、森田さんがコント芝居上手すぎるよなあ、ということ。コントの面白さを損なわずキャラのリアリティがガツンと伝わる感じがお見事としか。
ロバートのネタは忍者劇のあのコント!勿論KOCでも見ているし他の場でも見ているのに、それでも感じるあのコントの最強ぶりって何だろう!有無を言わさず笑わされるしコントの時間中ずーっと面白いってすごい。ロバートの凄味は現実味のない設定をこの人達ならありえると思わせるキャラクターの途方も無い強さなのかなあと思ったりします。

企画は、以前コント師を交えた企画の際もやっていた即興のリレーコントでした。これが、本当に全員が全員力がありすぎてがっちがちに成立しまくりで本当に面白かったです。そもそもロバートの即興コントが見られるとか、こんな贅沢なかなか味わえない!
設定がちびまる子ちゃんだったので、それぞれのちびまる子ちゃんの知識の偏りを味わうのも楽しかったりしました。すでにあるキャラに乗っかる形だったのが、即興としてはきっとスムーズにいくところもあり、見てる側としても新鮮でもあり、オリジナルのキャラクターの即興コントとは違った味わいがあったように思います。


以下は覚えている部分を箇条書き。

・しずる二人のトークにて、池田さんのブログが色々と色々だというような話。村上さんが、池田さんが書いている内容と、後半の告知部分の内容との温度差がちょっと怖くてうっとなる、というようなことを言っていて、まったく同じことを思っていた私は、相方さんが思うんだから普通の読者がそう思っても無理はないのだと思えました。
・じろうにまつわるあれこれについて、池田さんの「ここまで一度もいじってこなかった、弄るならずしゃるでだと思っていた」と満をじしてのいじりはだいぶ素敵だと思ったのですがどうですか。
・ゲストとトーク時。さらばが関西から出てきた、という話の中で、秋山さんの「もっと関西人ぽいこと言えよ、御堂筋とか言えよ」「8時の新幹線で帰らなあかんて言えよ」というたとえで一同が大笑い。きっと関西で活動している芸人さんの、東京にきたときあるあるなんだろうな。
・さらばがフリーで活動しているが故にライブを打つのも自分達主導の自主ライブとなる、という話になったときの、ロバートから繰り出される「自主ライブは儲かるか否か」の質問がピンポイントすぎて笑う。
以前はジャリ銭のルミネギャラもこんなにもろてんのかーとなる、という森田さんの素直な感想にさらに笑う。
・賞レースでもらった1000万円の使い道など。秋山さんかな?から、金持ちの遊びと称して、他の芸人さんに1000万渡してつまらんネタだけ作れ、ずっとスベりつづけろ、というのはどうか、などという気の狂った案が飛び出す(笑)
・KOC対策。やはり王者にこれをやっておけばいいというのはないか、と聞きたがるさらばとしずる。
秋山「1つ分かったんだけど、ネタに手裏剣を入れたほうがいい」(笑)
・しずるはKOC用のネタを、ネタ時間3分45秒で作っている、という話が個人的にメモしたい事項。
・KOCあるある。決勝はモニタに1分前になったときだけ1分前と表示される。そのため、以前のしずるのネタでちょうど1分前に池田さんがモニタを見る瞬間が、あとから見返すとあるらしい(笑)
・今年のKOC前に、さらばがすごいネタを持っている、オカリナのネタがやばいらしい、という話が一人歩きしていたと。そこから、毎年必ず芸人の間で「1組すげーネタを持ってる奴がいるという話が出てくる」というあるあるがあるという話を。
秋山「(芸人に情報を持ってくる)飛脚みたいなのがいるんだよ。吉本でいうとガリットチュウの熊谷さん」(笑)
・KOCの決勝の音響担当は、各出場者がそれぞれ用意する、番組のスタッフさんなどではないお手伝いさん。なので、それぞれのコンビの音響を担当する人が「イップスみたいになってる」という池田さんの話。イップスて。

簡単ですが以上です。面白かったー!毎回言っていることですが、とにかくボリュームがすごい。笑って疲れて情報量を処理するのにも頭を使ってさらに疲れて、見終わったあとはなかなかの疲労感なのですが、そのくらい全力で手加減なしに楽しめるライブなのだな、といつも思います。何より今回も、しずるだけでなくゲストのロバートとさらばの魅力をさらに知ることになるというのが素晴らしかったなー。ロバートのKOCへの思いとか、その当時の調整がどうとか、こんな風に聞けることもなかなかなくて、しかもロバートは話す内容の御三方とも真剣さと面白さの振り幅とバランスとギャップがたまらないかっこよさでした。さらばも相変わらずの、あんな天才的なネタを生み出す人とは思えない森田さんの可愛げあるゲスさとか、東口さんのコントに対する何気に平熱の高い感じとか、たまらなく魅力的!
隔月開催なので、次回は12月。とても楽しみです。