箱雑記ブログ

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ダイタク初単独ライブ『ニセモノ』

ダイタクの初単独ライブを見てきました。どうかしてる勢いで面白かったのでブログを書きに出てきました。60分漫才、本当に面白かったです。
以下感想です。漫才の内容についてネタバレは極力控えていますが、今後別のライブで披露されることがあるかもしれませんのでご注意ください。


オープニング映像があって、冒頭のマクラの部分があって、レア感を出す→ファンが勘違い→子供の頃の遊び(ダイタクなぞなぞ)→小さい頃の思い出(映像)→神様(のネタの発展形?)、という感じでしょうか。(※タイトルは便宜上勝手につけたものです)

漫才のセンテンスは大きく分けて5つくらいで、ひとつひとつががっつり長尺で、まずもって見ごたえが半端ないんですけど、そのひとつひとつのネタが、土台に双子という大テーマがあった上でフリがあって展開があって起承転結が詰め込まれていて、それらが全て面白くて凄かったです。ダイタクの漫才をがっつり見たのって、いつだったかの10分漫才のライブが初めてだと思うんですけど*1、その時もダイタクは10分間で1つの漫才を作りこんで起承転結と着眼点の楽しさを見せてくれて、それが抜群に面白いという漫才だったので、その時も長尺に強い人達だったのだな、と思ったんですが、今回見てみたら強いどころの話じゃなかったです、本当にどの漫才も面白くてお見事!と思いました。
まずもって、そもそも目の付けどころが素晴らしいなーと。最初のファンレターからストーカーの流れの漫才の時点で、双子という限定された素材をそういう風に使えるのか、そういう使い方があることに気付けるのか、と目が覚める思いでした。元々それが面白いって気付くのか!というものに弱いので、それだけでも私はすごいわーとなってしまうんですが、その発想の時点で光ってるものを、面白く仕上げて展開を作っていくところがさらに凄いな、と。
だから最初の漫才ですでに面白い!すごい!となっていたのですが、その後の漫才でもその凄い!というのをずっと感じる羽目になって、結局60分間ずっとすごいなー面白いなーと感嘆しっぱなしでした。

ファンが勘違いする、という話から始まる前半の漫才が大好きで、ダイさんが無邪気にはしゃいでいる間にタクさんから真実が引きずり出されるまでの時間がもう極上でした。あの、お客さんが客席で「…ああ!」となって笑いがざわざわっと起きていく気付きの瞬間が本当に素晴らしいなと。単独という自由な時間のなかで、振りの時間を贅沢に使ってあるからこそああいう形が生きるのかな、と思うと、本当に面白いなあ!となりました。

子供の頃の遊びのネタは、なぞなぞが手作りなのも何気に凄いけど、なぞなぞとその時の流れを利用した緩急での笑いの作り方が本当に面白かったです。タクさんの「てめえぶっ殺すぞ」というド直球なツッコミがあまりにもスパーンときれいに決まるから大笑いしてました。
そういえばダイタクの漫才は相変わらずボケとツッコミの概念がほとんど存在しないっぷりがとっても潔くて見てて気持ちいいです。二人のキャラクターによる役割分担は、ある程度はあるのかな、と想像するのですが、それがボケやツッコミというネタの中でのお笑い的な役割分担には直結しないのだな、と。そもそも漫才の構成ありきでそこから作られているように見える台詞がほとんどなので、ボケとかツッコミとかそういう境界線を感じない、会話的なやり取りの漫才なのだな、と改めて思いました。
とここまで書いてみて、囲碁将棋とか、最近のハマカーンとか、あえて分類するとしたらそういうタイプの漫才ということなのかな、と思い、そりゃ好きだわ、となりました。一本のネタの中で必要とされる二人の会話が、やり取りが、面白い、という漫才なのかな、と。

神様のネタは私でも見たことがあるくらいのネタで、きっとダイタクが好きなお客さんにとっては代表作みたいなネタなんだと思うんですけど、それさえもフリにしてのけて最後の最後に新しい展開を持ってくるあたりが本当に憎たらしいくらいに面白くて、やられた!となりました。考えてみると、どのネタも似たところのないつくりになっていたんですけど、最後の最後にファンも嬉しくて初見でも笑えるというつくりの漫才を持ってこられるというのは本当に痺れます。

映像の使い方も見事だったなー!となりました。漫才における映像の使い方でさえ、双子でなければ成立しないつくりなのだから凄い。あらゆる手法を使って本当に隅々まで飽きさせずに面白いばかりの60分間でした。

ネタが終わった瞬間の無限大ホールの拍手は、お二人が再度出てくるまで止むことはなかったです。友人と、囲碁将棋の2回目の単独とか、タモンズの2回目の60分漫才をちょっと思い出したね、そのくらいすごかったね、と話しました。本当にいいものを見たと思えましたし、見られてよかった、見ることを選択した私偉い!と思いました。思わせてくれたダイタクが何よりすごいという話です。
素晴らしかったです。素晴らしく面白かった!ので、もっとダイタク見に行かなきゃ、となりました。

*1:その前にも漫才そのものは見てるはずですが初見がどこだったかは思い出せず…。