箱雑記ブログ

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「ガチ☆ボーイ」

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先日の映話(まだ感想かけてない)にて、宮地さんと吉田さんが見てきた映画。お二人、特に宮地さんがすごく良かった、と言っていたのと、お二人のプレゼンが絶妙な感じだったのと、聞いたあらすじが好きな感じだったのとで、これはすぐさま見に行かなくては、と思い、ジャルジャルの単独前に行ってきました。
宮地さんありがとう。きっとあのプレゼンを聞かなかったら見に行かなかったと思うと、危なかった!と思えます。もうめちゃくちゃ良かったです。単純な青春モノという形でもなく、だからといって主人公の境遇の悲壮感をことさらあおって泣かせるわけでもなく、とにかく良かったです。
エンドロールを見ていたら、原作はモダンスイマーズのお芝居だったのかと気付きました。なるほどそりゃあいい話だよな、と納得。蓬莱さんは佐々木蔵之介さんのTeam申第一回公演の脚本演出の方として知りまして、そういえばそのときは蔵之介さんと佐藤隆太くんとの芝居だったな、というのも思い出した。
すごく良かったので、ちょっとだけネタバレしつつ感想。



この映画を見て、宮地さんは5回は泣いたと言っていて、私はそこまでではなかったですが(笑)でも3回くらいは泣きました。記憶障害の主人公五十嵐が、朝、おそるおそる部室を覗くシーンと、BGMにウルフルズの「暴れだす」が流れるシーン(あれは泣くなというほうが無理!)と、最後の対決のところ。宮地さんが映話でちらっと言っていた、「無口の先輩のあのシーン」はすぐに分かりました。分かったときには号泣してましたが(笑)
私はプロレスのことはよく分かりませんが、プロレス云々以前にちゃんと人の心を揺さぶる(しかも生半可でなく)お話と、お芝居が、確かにあったなあと思えました。最後、五十嵐が何度も何度もやられてもやられても立ち上がるところ、あれって普通の状況だったらすごいね、何でだろうね、で終わるはずだけど、この映画は違うんですね。五十嵐にとってはプロレスをやっているときだけ生きていると実感できる、というのが前段としてあるから、彼にとってはプロレスをやっているときの痛みや苦しみすら、生きていると実感する喜びにつながっていくのだと。だから何度も立ち上がれるし、何度でも向かっていくんだな、というのが痛いほど分かってたまらなくなります。
また、リングサイドで彼らを応援している仲間の表情が素晴らしい。これまた生半可じゃなくて、全員が全員、綺麗さやかっこよさなんてかなぐり捨てる勢いで、ぐっちゃぐちゃのすごい顔をしてリング上の五十嵐に向かって泣いて叫んでるのが最高です。それで泣けたのもある。書いてて思い出しても泣けてきそう(笑)
佐藤隆太の芝居がまたいいんです。朝起きて、何も覚えていない状況でよく分からないまま日記を見て、自分が記憶障害であることを知って、日記や手帳で昨日までの自分を知識として認識して、自分が今学生プロレスをやっていることを知って、その部室に足を運ぶところ、この一連のシーンが素晴らしすぎる。毎日毎日彼にとっては部室は初めて足を運ぶ場所で、会う先輩方は全員初めて会う人達で。それがどれだけのストレスと苦痛を彼に与えているかなあ、と思って泣けるし、そんな彼を笑顔で「遅いぞ」と迎える先輩達で泣けるし、それを聞いてほっとして笑顔になる五十嵐でもういっちょ泣けます。たまらない。
話の筋的には、すごく好みのお話とかじゃないんですが、自分の好みとかどうでもよくなるくらい、いいお話でした。