箱雑記ブログ

色々まとめています

林theキャット追記。

コントそれぞれの感想とか色々。ネタバレ満載です。



・オープニング
旧メンバーに新メンバー2人を加えたメンバー紹介と、キャットがいない理由と、キャットが戻ってきたーという話がいろいろ。コスチュームの曖昧さというかテキトーさがいい味出してて、ちょうど初めて見に行ったベルベットを思い出したものです。
シャークが白シャツ姿なのは、あのお坊ちゃんなキャラクターの表れなのだろうか(笑)すでに頭から平田さんが色々持っていってて凄まじい(笑)りんごは初日は赤シャツじゃなかったような気がします、確か。
林さんがスーツ姿で首に大きな鈴をぶらさげて、猫耳を頭にあしらって悠然と出てくる様は、何度見ても笑える自信がある(笑)あと、本当に誰よりも強く見えるところがすごいんだけど、なんであんなに強そうに見えるんだろうなあ(笑)うるせえ!と怒鳴ったあとに、にっこり笑って「うるせえよ」と軽く言うところがいつもいつも好き過ぎました。林さんは人でなしな態度が実に似合う。
親愛の情を示すのにキスと除霊が並列になるって地味におかしい気が。あと菊池さんの動きそのものがとにかくツボな私は、シャークの決めポーズに至るまでのかちかちな動きで笑いました。浜崎さんだけ、漫才時の正装だったのもずるい(笑)無駄にバカキャラを演じていますよ演出も、ずるい(笑)


・「はっぱを手に入れろ!!」
展開も好きでしたけど、そのほかの要素が盛りだくさんすぎて何がなにやら(笑)
中尾さんのダンスの珍妙さやら、浜崎さんのノリがクラブっぽすぎる感じもさることながら、迷彩柄のパンツにカーキのタンクトップ姿というアーミーテイストな林さんが満面の笑みでこれまた珍妙なダンスを踊り狂っている様は凄まじいものがあります(笑)ポリリズムを踊る三人で本気でテンションが上がったのは、私がダンスを見るのが好きというだけでは片付けられないものがあるはず(笑)林さんの完璧な振り付けコピーぶりに脱帽。中尾さんが「はっぱなんてやってねえから!」と言う顔が誰よりもやってそうなのとかも(笑)
ちなみにここでの菊池さんの「俺の彼女」「俺ぽちゃ専なの」も、林theキャットの本編にもかかってる、ように見えましたがどうでしょう。


・「死女と生男」
私これすごく好きでした。最初に見たとき、すごいところを抉ってくるなあと思って、家城さんがどういう方法論でこういうのを作ってるんだろうと気になってしょうがなかったです。
たまに家城さんは、こういう心理戦(ちょっと意味が違うか)めいたお話を作りますよね。MEETSの中野さんとのコントもそうでしたけど。すごくメロウで人間味あふれたお話を作る傍らで、こういうドライで機械的に心情を掘り下げるみたいな話を作れるというふり幅が凄い。
女性(平田さん)の心情とか、それを導き出すからくりとか、結論の方が凄く分かりやすかったのは私が女だからかなあ。「女が死んだら男も死ぬ」の図式がいつの間にかひっくり返る感じにはおお!と思いました。
テイスト的に、笑わせるというよりもっと違う目的があるように思えてしょうがないネタでした。というかもうネタという気がしなかった(笑)


・「DB vs OP vs …」
DBとOPというアルファベットの並びを見て、ドラゴンボールとワンピース、と分かるのって一般的なのかそうでもないのか、どっちなんでしょう。
とにかく中尾さん扮するゾロの見た目が完璧に近くて笑う(笑)ぴったりだった!松尾さんのピッコロも意外としっくり、しかしべジータ=浜崎さんに至っては富士額のみの力技、というのもまた(笑)というかですね、「子供の頃の悟飯の方が可愛かった」という台詞をピッコロが言うという妙については誰がどこまで気付けたらいいのか(笑)家城さん・・・本当にドラゴンボール好きすぎます。
しかし悟空はメガネをかけてて慇懃無礼だわ、ルフィはスーツの名残があるわやっぱりメガネかけてるわで、後半は出オチラッシュ(笑)最後の最後にどちらの陣営もがびくびくする中、御大として綾波 レイ=平田さん登場で大オチ。最高です。くだらないなあ!あと、平田さんが着ていた(いや着れてなかったんですが。笑)綾波のスーツ(プラグスーツでいいんでしたっけ?)は異様に完成度が高かったので、どこで調達してきたんだ、とそんなことが気になってしょうがなかったです(笑)
家城さんの中でのアニメ世界は、エヴァンゲリオンドラゴンボール=ワンピース、なんですかね。


・「キャンプ中の事件」
「部長ズオフィスキャンプ」という単語がまずずるい(笑)林さんを中心に行われるキャンプの様子がさらにずるい。本家のバンドの代わりにジャケットを羽織る(初心者には無理だから使わなくていいよと言う)というのでだいぶ笑いすぎました。しかもそれが前段でしかないという(笑)
後半の阿鼻叫喚は、これまた平田さんありきの展開で、ある意味平田さんというかバンビは気の毒でならない可哀想な役回りなのですが、それが哀れになりつつも笑えてしまうのはひとえに平田さんのコメディエンヌとしての凄みではないかな、と思いますがどうかなあ(笑)仮にもあれを女優さんに要求しちゃうというのも凄いけど、それを100%答えてのける平田さんがすごいとしか思えない。
平田さん以外のメンバーのどん底な悲壮感、本来だったらなんだあれ、で済むところを、すごい説得力があって次々に人が死んでいくのも妙に真に迫っていて、本当にどうなんだろうあれは(笑)
とにもかくにも、土下座して犠牲になれと言われているときの浜崎さんの表情が素晴らしいのです(笑)たまらない。何回でも見たい。そういえば一番最初の「バカのフリをしている」みたいな演出って、ここの「お前はバカだからそういうのわかんないだろ!」に掛かってくるのかな。だとしたら酷い(笑)
あと手首を切って自殺を図る中尾さんの倒れ方が妙にお気に入りでした。細い体がくるっとなりながら倒れていくのが。もちろん菊池さんの「付き合ってないのにえっちしちゃいけないんだよ!」は言うに及ばず。このネタでは全編通して「セックスがしたい」だの「我慢できない」だの「抱いて」だの「自分でもどうにもならない」だのという、無駄に官能的な単語を用いているのに、菊池さんだけ「えっち」って可愛い言い方をするのがまたね。
最後の展開が、死女と生男につながるというのも面白いなあ。これの時間軸が分からないなーと思ったのですが、パラレルワールドという都合のいい理由でおさめることにしました。


・「いすのおそう式」
大好きでした。怖いの好きなもんで。友人の「平田さんの真骨頂」という言葉がまさに、でした。平田さんの5歳児役、なんで違和感ないのかな(笑)林さんはもともと十分に胡散臭いし、中尾さんのロボットみたいな硬質なキャラといい、なんともおかしな雰囲気でたまりませんでした。中尾さんはバッキバキになったりロボットみたいになったりして、そういう普通の人っぽくないキャラクターがはまりすぎ(笑)
初日はラストの荷物が倒れて暗転のところで客席から軽く悲鳴が上がってました。土曜は倒れる荷物にスポットライトが当たっていたけれど、初日も当たってましたっけ?思い出せない・・・。
荷物が倒れた理由とか、お母さんが死んじゃったのはいつなのかとか、「お父さんが座って椅子を壊した」は比喩とかではないのか、娘が行方不明なのはなぜか、その他色々をずっとぐるぐる考えてました。答えが出ないというのがまた気持ちいい(笑)


・「治」
明るいのにカオスなコントだった(笑)何が好きって、「死体をアリさんに運んでもらう」ですよ。ああ家城さん!と感激するほどに好きでした(笑)魔方陣でケガ治すっていうのも大好きだし、突然のキテレツ判明もたまらなかった。ああいう何も意味もなくて残りもしないという混沌ぶりもいいなあ。思い切り記憶に傷跡つけられたと思えば、何にもなかった!みたいなのまで、本当に家城さんの振り幅ってなんなんだ(笑)


・幕間
池谷さん、オコチャさん、大河さんそして家城さんの幕間。これ大好きでした。私大好きでしたを安売りしすぎですね。すみません。でも大好きだったんです。
なにしろあの大河さんの謎めいたキャラ設定(笑)師匠というのが別になんでもないワードかと思ってたら、ちゃんと後ろにかかってくるしなあ。池谷さんの長台詞のシーンが大好きでした。我ながら本当に池谷さんの真剣芝居に弱すぎる。ただ土曜は家城さんに一瞬であっさり反旗を翻した瞬間に喉をつぶすという・・・。池谷さん、本当に喉大事にしてください。それくらいの熱演だった、ということにします。
あと、とにかくどのシーンにおいてもオコチャさんの表情が絶妙すぎてたまらなかった(笑)浜崎さんとオコチャさんには微妙すぎる表情の表現で散々笑わされました。正体をばらしたときの大河さんのやばめの目つきもよかったなあ。
そういえば、大河さんに後ろから刺されたときに、家城さんがドラマチックな苦しみ方をせずに、「痛!」って言って倒れるのが、異様なリアリティを感じられてこれまたぞくぞくしました。


・エンドトーク
わざわざ椅子を出して長々トークの様相、と見せかけての毒殺の展開に目が覚める思い。いや、これで平穏には終わらないんだろうなーと予想はしていても、そうくるか、とにやりとしてしまう気分です。
上にも書きましたが、死体を舞台脇に寄せておく、みたいな、死体をモノのように扱うことを明るくしているところとか、本当にとことん歪んでるなあ、と。あの死体が積み重なっている様を見て、ちょっと前に見た黒沢清監督の「蛇の道」のラストに出てくる死体のカットを思い出したとか出さないとか。もっと明るくてポップなんですけどね。でも死体を使ったシーンが明るくてポップというのもなー(笑)
感想でも書きましたが、最後に家城さんが出てきての林さんとの対話は、カリカ二人が揃ったという贅沢さも感じたのですが、それ以上に何かそれまでとは違った違和感を感じまして、それって今まではキャット以外の人間が全員キャットより下の地位(というと言葉が違う気もしますが)だったところ、初めて舞台上にキャットと対等の人間が出てきた、という違和感かもしれない、と今頃になって気付きました。そう考えると、林theキャットが家城さんに対して「頼むから死んでくれ」と言い出したのも何となくしっくりくるような、こないような。
我ながら無駄な深読みしてるなーと思いますので、笑ってやってください(笑)
全部死んでしまったみたいなにゅるっとした終わり方も嫌いじゃないけれど、最終的に全員テキトーに生き返ってオチがあれほどにくだらないというのも、大好きでした。初回を見たときは、なんだったらちょっとほっとしたみたいなところもあります(笑)
そういえば、初日に見たときは、拳銃に撃たれて倒れた家城さんの姿は、足だけが袖の幕から覗いているという絶妙な禍々しさでしたが、土曜は撃たれて声だけ聞こえるとか、どうなったのか分からないとか、そんな感じでした。足だけ見えてるのが一番好きだったなあ。これまたちょっと黒沢清テイストで。


仲間を全員毒殺してのけた後の、林theキャットの「生きる、死ぬというのは人生のドラマ」とかなんとか、台詞がびっくりするほど思い出せないのがもどかしいのですが、この公演てそういうことだったのかと。よく登場人物が死にまくってましたが、何となく納得。面白いなあ。
初回を一緒に見に行ったお友達が、開演前に「どうしてもっと大きな場所でやらないのかな」と言っていたのですが、見終わった後に「これは大きいところではやれないね」と言っていたのに笑いました。