箱雑記ブログ

色々まとめています

林theキャット

去年のMEETS以来の、カリカが作るがっつりコントの世界を見に行ってきました。久々に見たというのもあるかもしれませんが、なかなかの衝撃度で、私の中ではこの公演に関していろんな疑問や感情を落ち着けさせるのに久々に時間がかかりました。そんな時間のなんと贅沢なことか。本当に面白かった!カリカが作るものはお笑いとかコントとかそういうカテゴライズを鼻で笑われてるような気分になります。やっぱり大好きだなあ。
日を前後してジャルジャルの単独を見て、これがまた素晴らしく面白くて大好きだと思ったのです。若い彼らがコントの高みを彼ららしい足取りで飄々と登っていくその一方で、カリカは名前も付いていない未開の山を好き勝手且つがむしゃらに開拓しているような、そんな印象です。そして見ている私はどちらも捨てられない(笑)


以下はネタバレを含んだ全体の感想及び個人的なたわ言です。だいぶ気持ち悪い感じになりました。すみません。



去年はMEETSの2回目以後は漫才しか見ることが出来なかったのと、今年に入ってからもなかなかネタを見る機会がなかったのとで、カリカというか家城さんの作り出すコントの世界に触れるのは本当に久々という気がしていて楽しみにしてましたが、楽しみにしていた甲斐がありまくるライブでした。濃厚な時間でした。
あまりコントらしくない(笑いの多くない)ネタもちらほらありましたが、面白くないというのとは全然違って、ネタそのものにどっぷり浸って見ているような感覚でした。ひたすら笑いたいと思って見ている場合は面白くもなんともないものなんだろうとも思うのですが、そうでなくて「作品」を堪能する、という気で見ていると、笑えるとか笑えないとかいうことが頭からすこんと抜けていきます。
これって多分、カリカに対する免疫のあるなしで全然変わってくるよなあ、というのも思いますが。私が始めて見たベルベットの公演で戸惑ったのと同じように、戸惑う人がいて当然、という気もする。


初日に見に行って、全部見終わったとき、これは困った、というのが最初に思ったことでした。自分の中で咀嚼する時間が足りないというか、上手く消化できないぞ、と。最近、見たものに対して見ながら、あるいは見終わってすぐにある程度「こういう感じだった」という、自分なりの見たものに対する理解(あくまで自分なりの、ですが)が追いついていってたはずなのですが、今回は見終わってすぐに「さあ困った」となりました。自分の中でいろんな感想とか解釈がぐるぐる回ってまとまらない!と、我ながらびっくりしたのでした。
もう1回見ることが出来てよかったーと素直に思いました。1日おいて2回目を見て、やっと自分の中におさまりのつく感想というか理解というかを捕まえた、と。
そもそもそんなことをする自体が無粋な事なのかもしれませんが、なんというか、強烈に深読みしたくなったのです。カリカの作るものはいつもそうですが、今回は特に。


今回、林theキャットのメンバーのいる世界があって、平行して家城theドッグ(転じて家城theおっぱい)が存在している中で、最初は無関係であるようにいろんなコントが挟まれていくのですが、途中でところどころ林theキャットの世界とのリンクが見えてきたりする。リンクさせることそのものはそんなに気になりませんけれども、そうなると否応なしにコントと林theキャットの世界を結ぶキャラクターの関わりと、それぞれの時系列が気になってきてしまう(笑)作る側はどこまで考えているのかは分かりませんし、そもそもたいして深い意味なんて無いのかもしれないのですが(笑)、そこが気になってしまうからこそカリカのファンをやっている私です。


だいたい、最後の最後、仲間を全員毒殺してのけるキャット(林さん)の行動も、そこに現れる家城さんの存在も、「仲間を殺してたんだ」「奇遇だね、俺は仲間に殺されかけてた」なんて会話も、深読みしてみなさいと言わんばかりじゃないですか(笑)挙句、それまでは気まぐれに仲間を殺してきたキャットが、家城さんに対してだけ「頼むから死んでくれ」と言った意味とかも、何だろう、何だったんだろう、と気になってしまうのは私が深読み好きの無粋な人間だからだろうか!
もっとも、最終的に全員死んでなかった、で非常に馬鹿馬鹿しく終わるので、「そんな深いもんじゃないよ」と深読みそのものを軽くあしらわれているような気がしないでもないのですが(笑)こんな客もいるんだよ、ということでぬるく見ていただければ幸いです。


それとは別に、「気まぐれに仲間を殺す」というキャットの存在って、なんとも悪魔的魅力があるなあとかも、思ったりしてます(笑)そこに何の理由もなく単に「気まぐれ」というあたりが。そこに現れる家城さんが「相変わらずやってんね」とその行為になんら頓着していない部分もひっくるめて、何かしらの常識の歪みが垣間見えてぞくぞくします。
最初から、「トラブルが好き」とか、「殺すつもりで掛かって来い」で本当に殺しちゃうとか、それが普通となっている登場人物とか、何かの軸が歪んでいる世界だなーという気はするのですが、その歪みのクライマックスが最後にやってくるあたり、すごく間違った高揚感を感じさせてくれたなあ、と。
だからこそ、大オチの脱力感が素晴らしい(笑)


それとはまた別の話で、単純に、それまでばらばらに舞台に出ていたカリカ二人が、最後で舞台上に二人だけ揃った瞬間に、ものすごくしっくりきたというか、場が充実というか完成したような感覚があって、それも面白いなあと思いました。単に私がカリカが好きだからそう思っただけかもしれませんが(笑)
もしくは、キャットはそれまで他の誰よりも強いというか上の存在で、他の誰もがキャットに従っていたけれど、家城theドッグ(家城theおっぱいでしたか)だけは対等の物言いをしていたから、それまでと違った雰囲気を感じたのかもしれません。


改めて、家城さんの頭の中はどうなっているんだ、としみじみ思わずにいられなかったのでした。あの人の頭の中には、どれだけの世界がどれだけの質量でもってどのくらい存在しているのやら。
あと、最初の数年前(5、6年前でしたか?)に林theキャットが開催されたのは、私がカリカを知ったのと同時くらいだったと記憶してまして、開催は知ってたものの足を運ぶには至らなかったのですが、それを数年を経て大いに後悔しました。行っておけばよかった!最初の方での林theキャットの来歴にあった「家城theドッグとの戦い」というのがそれだろうか、とか、色々考えてしまいます。うみのさんがいらっしゃったのまで覚えているのになあ。どうでもいいですが、コンドル(松尾さん)が言う「うみのtheのバードさん」という呼び方が面白すぎます。


余談ですが、いつの回だったかのエンドトーク時に、押見さんがこのライブを「世界観が鉄コン筋クリートみたい」的なことを(すみません発言内容は曖昧です)言ってまして、それを聞いたとき私の中では「林theキャット」と「鉄コン筋クリート」が結びつかなかったので、押見さんの思うその印象ってどんなだろう!というのがさらに気になり、またしてもぐるぐるとしたのでした(笑)
色々考えて、「まっさらな無邪気さ、ひたむきさと、血なまぐさい死の匂いが共存している」みたいなところだろうか、なんて思ったりしましたが、さっきまで本編について色々書いていて、「仲間を殺す人」と「仲間に殺される人」の存在の相違性みたいなところも、近いような気がしないでもない、かな。キャットとドッグに表裏一体のイメージを持って見てみると、またちょっと違ったものが見えてくるような。
もちろんこれは勝手な憶測です。ていうか押見さんも自分の発言にこんな思考をぐるぐるさせる客がいるなんて知ったら、大層気持ち悪いだろうなあと申し訳ない気分になったりしましたのですみませんと言っておきます。


以上です。我ながら気持ち悪い感想で申し訳ない気持ちです。
ネタごとに色々語りたいこともあるので、それは別に分けます。長すぎる。
とりあえず自分の感想が書けたので、やっと人様の感想を見に行けます(笑)


そうだ、関係ないですが、よく使われていた曲の、モノノケダンスじゃない方の曲が好きすぎて、誰のなんていう曲なのかが知りたくてしょうがないのですが、イントロだけでは探し方が分からない(笑)ご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください、ぜひ。