U-1グランプリ case1『取調室』

夜公演に行ってきました。以下感想。コントの内容には言及してません。

久々に、コントらしいコントをコントコントとこれでもかと見てきた気分です。楽しかったー。
お芝居っぽさもありつつ、くだらなさ馬鹿馬鹿しさもありつつ、アドリブ要素もありつつ、でもそれらを総合したこのライブは、どこまでもザッツコントライブであったなあ、というのが私の一番大きな印象です。コントコントです。この上なくコントらしいコント。
コント大好きなマギーさんたちが、とにかくコントをやりたくて作ったコントで、そのコントをやるために集められたメンバーなわけで、そりゃあ、コントだったなーという至極間の抜けた感想を抱くのも、無理はないかな、と思ったりもしました。コントという存在が好きな人が見たらたまらなかったんだろうと思うなあ（笑）だってとにかくコントでしたから。コントコント。
今年に入って結構な数の単独ライブやイベントを通して、いろんな種類のコントを見てきたつもりでしたけど、このライブほど「コントだ」と思ったライブはなかったです。良くも悪くも。
コントらしいコントと思った所以はそこで、一直線に「コントやるぞ！」という単純明快な意思のもとに作られた、非常にシンプルなテーマとシンプルな内容とシンプルな構成のライブだったためだと思います。それだけに、何か新しいものを垣間見るという新鮮さとか衝撃とかはあまりなかったのですが、同時に熟練のコント職人が作り出す安定感抜群の技量を山ほど見せてもらったなあ、と。
要するに「職人芸」を見た、とでも言うべきでしょうか。
最近ルミネの若手芸人の単独ライブを多く見てきただけに、勢い・爆発力と引き換えに熟練度をより感じたのも道理かな、と思います。見終わった後に何にも残らない潔いコントぶりもさすがというか。
強いて言うなら、上に書いたとおり新鮮さという意味では印象が薄かったかな、という点かも。真新しい手法や素っ頓狂な展開などはまったくなくて、とても整頓された優等生なコントばかりだったので、それを物足りないと感じたところはあるかもしれない。きっちりとした職人芸とびっくりするような新しい衝撃というのは、やっぱり同居するのは難しいんだなあ、と改めて思いました。（それだけに、シティボーイズや千原兄弟の凄みを思い出したりもする）

ちなみに、初日に見たときよりも、この日見たときの方が楽しめました。多分初日は元ジョビジョバファンとしての私の気負いが勝っていて、この日はそれに比べたらはるかにフラットな気分で見ることが出来たからだと自己分析。
あとは、いわゆる初期フォーマットに最も近いであろう初日に比べて、この日の方が自由度が増していた分それぞれの個性が際立つように見えました。
私は初日で、佐藤二朗さんの素晴らしすぎるコメディ役者ぶりに心から感激したものですが、こうして再び見てみると、佐藤さんはもちろんのこと、八十田さんの味ありまくり凄みありまくりふっきれまくりの強固なギャグキャラといい、つぐみさんの大らかなまでのキャラのふり幅といい、見所満載だよなあと改めて思った次第です。
それにしても私は佐藤さんの立ち振る舞いが随所にわたって好きすぎます（笑）素晴らしい人だ！きっとこれって今更過ぎる感想だと思うんですが。すみません何か。すごく好きなコントがあって、それの佐藤さんは衝撃的な楽しさです。あと、つぐみさんの例のあのコント（笑）がお気に入りです。そういえばあのコントの福田さんもずるい。というか福田さんは基本的にずるくないことがない（笑）作家さんだし、貫禄あるっぽい人だから、要所を押さえた感じで出てくるのかな、なんて勝手に想像していた私がバカみたいだ（笑）
マギーさんは、相変わらずでした。それしかない。どこへ行っても何をしていても、マギーさんは本当にコント師なんだなあという思いを強くするばかり。

初日でも十分安定していたノブシコブシですが、この日になると、何やらアドリブを要求されるシーンが出てきていて、そこでの彼らが非常に見慣れたいつもの彼らだったことが、かなり私を満たしてくれたというのもあります。初日を見た私が惜しいなーと思った点は、普段見られないノブシコブシが見られた分、本領発揮のノブシコブシについてはさすがに見えにくかったなあ、というところだったのですが、それが垣間見られた気がする。
カメラが入っているのに立て続けにスベりまくって心が折れていく吉村さんに、奇天烈回答で不思議な笑いをかっさらっていく絶好調の徳井さん。ノブシコブシ本領発揮！とこんなところで感じるのはどうかという話ですが（笑）非常に楽しかったので言うことないです。徳井さんの奇天烈回答は徳井ワールド全開で素晴らしかったので、全ての公演が終わったらどこぞに書き出します（笑）
そんなノブシコブシの彼ららしいイキイキとした姿も楽しくて、もちろん、台本に忠実に、それ以上にのびのびと、演じているノブシコブシはなかなか素敵でした。吉村さんは本当に舞台栄えする人だし、徳井さんのふり幅とそれに纏わる数々のぶっとんだ印象は、何だかとても貴重な武器に思えました。いや本当に。

そんなU-1グランプリ、私が見に行った回はカメラが入ってました。なんでもDVDになるらしい。すごい！まだ1回目なのに！
始まるまでは、「case1ってことは、この先続くのかな、続くといいな」なんて思っていたのに、DVDになるようなことになってるとは。きっと次回もあってくれそう。なんだかとても楽しみです。
コントの内容については、公演終わってから書き出そうかな、と思ってますが、DVDが出るとなると、あまりやらない方がいいのかな。難しいところです。