箱雑記ブログ

色々まとめています

ABTドン・キホーテ。

アメリカン・バレエ・シアターの日本公演を見てきました。
演目は『ドン・キホーテ』。
何が何でも見に行かなくては!と一番高い席を奮発して購入して、母と姉と久々のバレエ鑑賞です。

ABTのドンキには、私と姉は特別な思い入れがあります。
姉が中学生の頃何も知らずに手に入れた、ABTのドンキのビデオがありまして。


ミハイル・バリシニコフの「ドン・キホーテ」

(これはビデオではなくDVD版)[amazon.co.jp]

当時はバリシニコフが誰でどんな偉大な人だったのかも知らず、そもそもABTがどれだけの歴史があるのかも知らず、ましてやシンシア・ハーヴェイなんて誰!くらいの勢いだったものです。
もう何十年前だか分かりませんが、このドンキがあまりにも秀逸で、ダンサーも演出も舞台装置も何もかもが最高だったので、私にとってはドンキ=ABTの図式が出来上がっていたのでした。
それだから、ABTが来日してしかもドンキをやるなんて聞いた日には!(笑)
ドンキ全幕の日もあれば、ライモンダやったりしてる日もあり、私が確実にドンキ全幕を見られる日はこの金曜日しかなく、結果ヤマレスを今月も断念。どうだったのかしら・・・。

そんな念願のABTのドン・キホーテは、思っていた以上にビデオと変わっていなくて、そりゃ多少の変化はあったけれどもそれはそれで新鮮で、舞台装置とか、空気とか、衣装が脇でもみんな違ったりとか、肝心な部分の振付がまったく同じだったりとか、もー!たまりませんでした!幕が上がって舞台装置と最初のシーンが見えたとたんに泣けたほどに感慨が(笑)
キトリは私でも名前を知ってるジュリー・ケント。キュートだったー可愛らしい。そしてテクニックに口あんぐり。足がすごい。トゥシューズの足がなんであんなに美しいつま先になるのー。
バジルは知らない人でしたが、パンフレットで経歴見たらロイヤルバレエでプリンシパルやってたそうで、凄まじい回転技術に度肝を抜かれました。信じられないよ、何故ピルエットで10回転近く回って、そのままの姿勢でぴったりバランスを取ったまま静止できるの!
でも一番度肝を抜かれたのは、2幕のジプシーのお兄さんでちょっとだけ出ていた男性。本当に凄い人は、一回ぽんと飛んだだけで凄さが分かるもんだ。とんだーと思ってから落ちてくるまでの時間が長すぎる・・・。さらにピルエットは散々回って速度が緩んだと思ったらそれからまたくるくるって2回転くらいしてのける。なんだあれは!人間技じゃないよ。

芸術も技術もストーリーも思い切り堪能してきました。もともとドンキはご陽気でハッピーなストーリーだし(なんたってスペイン舞台だ)曲ごとのお辞儀もあっさりしてるのでリズムよくぽんぽん話が進んで、舞台ところ狭しといろんな人が小ネタを繰り広げていてどこを見たらいいか分からないし(笑)バレエ見て笑っちゃう経験もそうそうない(笑)
もちろん、バリシニコフのドンキと比べちゃいけないことは大前提として、それにしても楽しく大満足でした。曲も生オケ演奏で堪能!

帰りは3人で焼肉を。ABTバレエ見たあとで焼肉・・・シュールだ。
チケット代は全て私が立て替えていたので(S席3枚・・・生活できない!)奢ってもらいました(笑)それでも足りていないので、姉が「次をお楽しみに」だそう(笑)