箱雑記ブログ

色々まとめています

ずしゃる

3月のずしゃるはゲストの特性もあってか、なんだかそうそう見ることのない類のものがたくさん見られるずしゃるだったように思います。本当に面白くて、見終わって疲れてしまってぐったりするくらい笑いました。色んな事件が起きすぎて大変でした。企画が女装に寄りすぎていたように見えて、何気にちゃんとエチュード要素が抜群に組み込まれていたので、振り返ってみると見ごたえ抜群だったなーと。
以下感想です。ネタについては若干ネタバレ気味なところもあるのでご注意ください。

ゲスト:かもめんたる/トップリード

(※コントのタイトルの一部は便宜上つけたもので、正確なものではありません。)
・しずるコント:診察
・しずるコント:ポーカー
・しずるでトーク
・ゲストコント
  トップリード:遅刻せずにすんだのに
  かもめんたる:ゴキブリ退治
・ゲストとトーク
・企画「コント師女装No.1決定戦」

毎月のネタで、これだけがっつり面白いネタばかりが見られるって本当にとんでもない場だなあと。出演者の顔ぶれからしたら当たり前なのかもですが、それぞれが抜群にらしいコントばかりでそれが抜群に面白いって本当に凄味を感じます。
しずるは新ネタ2本。1本目は診察のコントで、アレルギー反応がどうのという中で、そのアレルギー反応の原因のちょっと意地の悪い捻くれ方が凄くしずるらしいな、と。ネタバレになるので言いにくいんですが、そこをそういう風に見る、というのは勿論のこと、そういう風に見つつ実際は違うんじゃないのー?というアレルギー反応の発露っぷりがいやらしくて、決して派手ではないけれどじわじわ笑ってしまう仕上がり。あと、多分ネタの根本の流れにはほとんど関係が無い、村上さん演じる医師の、周囲を小馬鹿にしたようなキャラクターが無駄で楽しいったらないです。そういえばそうだった、村上さんはウザくて面倒臭いキャラをやらせたら天下一品だったんでした。
2本目は友達同士がポーカーをしているコント。池田さん作だそうですが、だろうな、と思わざるを得ないのはなんせコントにおけるお金の存在感が凄い。登場人物二人の関係の歪さの理由が一切説明されない気持ち悪さは、ちょっと伝わりにくかったような気もするんですけど個人的にはその気持ち悪さにニヤニヤしてしまいます。あと、これもネタバレになるので詳細は難しいんですが、借用書の作り方が異様に具体的なのが面白すぎました。作りこみすぎて面白いっていうのすごく好きです。

ゲスト2組のコントもこれまた抜群に面白く!
トップリードは「遅刻せずにすんだのに」で、久々に見た気がするんですが、大好きなコントなのでずしゃるという場で見られて本当に嬉しかったです。また舞台が広いから、動きの大きなトップリードのコントはとっても映えるなーと。○○だったら、の中身が免許だったり空飛んだりの振り幅がすごく面白くて、でも無理がないのが楽しいです。○○だったらな!と言い続ける役割が和賀さんに移っていくのとか、ひとつひとつの展開がものすごく巧妙に練られていて、且つひとつひとつの展開の中にここだからこそ!の笑いがぎゅっと押し込められていて、もう隅々まで見ててずっと面白くてたまらないです。終わり方のにゅるっとした感じがじわじわ迫ってくるのも楽しい。
かもめんたるはゴキブリを退治するあのネタで、これまた久しぶりに遭遇できたんですが、もう大好きです、前半のポップさと後半の阿鼻叫喚具合の落差がとんでもなくて、見たことあるにも関わらず会場と一緒に悲鳴を上げたくなります。あのう大さんの得体の知れなさって本当に得難いというか、他の人ではなかなか味わえない不気味な面白さが癖になります。槙尾さんは槙尾さんで、もうああいう嫌な女の演じ方が完璧すぎて惚れ惚れするしかないです。

しずる二人のトークでは、花粉症の話とか、異常気象の話とか。池田さん花粉症になったかも?と言っていて、ご愁傷様としか…。村上さんが「病院行って風邪の方がよかったって思うって、どれだけしんどいのか」と言っていて、確かにその通りだなあ、と。みんな風邪であろうとしますよねえ。ジャルジャル後藤さんが、風邪だと思っていたけれど薬を飲んでも治らずいよいよ花粉症かもしれないとまんをじして医者に行ったら重度の風邪だった、という話がくだらなくてよかったなあ。
隕石の話をする中で、隕石のスピードマッハ50を表現しようとした池田さんが喉を痛めるのが面白すぎました(笑)
祇園花月で25人くらいしかお客さんがいない公演に、春風亭小朝師匠がいらしていた、という話が珠玉。ブログでその日のことを書いてくださっていたそうですが、*1そのブログで「お目当てが大好きなしずる」と書いてくださっていたそうで、村上さんが感激したと。ただ、その日のネタがテレビで見たことあるネタで残念だった、と絵文字つきで書かれていたのを見て、しまったー!となったそうで。これは単独ライブにご招待しようか、との話にもなっていて、客席で聞きながら是非!となりました。師匠のブログは絵文字がふんだんに使われていて女子高生のようで可愛らしいと(笑)
そして、池田さん行き着けの定食屋さんの続報が、「切らしていた納豆をわざわざ買ってきてサービスしてくれた」「ブログにコメントが」という、ご飯に仕掛けがあったという前回のサービスから考えるとびっくりの予想外の発展をしていて、本当に面白かったです。池田さんのそういうものを呼び込む体質素晴らしいなあ。

ゲストとのトークは、槙尾さんの女装の話から、それに纏わるいろんな性癖の話へ…というかもうがっつり下な話になっていて、えらいことでした。なんかそんな話をするような印象の人達じゃないのに!村上さんの過去の所業あたりは文字にするのも憚られます。あんなこと言っちゃうんだから村上さんはずしゃるのお客さんを信頼しすぎ(笑)
女装の力は怖ろしいです。女装となるとどうしても性癖だとかの話に寄ってしまうんですね。ただエピソードの強烈さは勿論ですが、それとは別にそれぞれの発言やリアクションがやたらと生き生きしててそのたびに大笑いした記憶があります。村上さんのやばい話を聞いて仰け反って爆笑する和賀さんとか。
あと、槙尾さんのよくそれ言えるね!と一同につっこまれる類のやらしい夢について、それなりに躊躇なく話す槙尾さんも面白かったですが、その話に対してそれはもう喜色満面に目を輝かせて相槌を打ち解説を挟み込む池田さんが本当に面白かった…。村上さんが見咎めるほどのはしゃぎ方。
ちょっとだけゲストとのトーク時間がそれまでのずしゃると比べて短かったかな?と勝手な印象で思ったんですが、考えてみるとトークの内容がちょっとぶっ飛んでて、時空歪んだくらいの感覚なのかもしれないな、と(笑)

企画は「コント師女装No.1決定戦」という、ここぞとばかりに女装押しの企画。女装をして合コンをしてみて、見た目などは関係なしに誰が一番女性として魅力的に振舞えていたかを競い、コンパの相手となる男性陣に1位を選んでもらうというもの。
槙尾さんがいて新妻さんがいて、という中で女装を盛り込んだ何かをやるのかな?と予想していたらば、まさかの全員女装での擬似コンパという振り切れた企画内容で、コントで遊ぶってテーマどこいった!となったんですが、蓋を開けてみれば女装が乗っかったコンパエチュードという仕上がりで、これが本当に面白かった!
コンパ相手にベイビーギャング、スカイサーキット松本さん*2、そしてライス関町さんというあらゆる方向に対して鉄板の布陣も揃えられて、まー面白かったです。
時間が足らなかったようで、ちょっと決められた内容を全てこなすことは出来てなかったのですが、コンパをする中で自然と女子としてのいやらしさをちらちら見せつつ圧倒的な女子力で攻め込む槙尾さんと、それをさりげなくちくちくとつついていく村上さん、男子に対して素直な反応を見せていく新妻さんと、それぞれの役割がとにかく見事で凄いな!と。少し前に似たようなコンパ企画を女装ライブ関連でやられていた槙尾さんと新妻さんは勿論ですが、そのお二人とは女装的な活動にハンデがありながら「幹事の友人、彼氏持ちを公言してその気は無いと思わせつつ槙尾さんをしっかり牽制、最後は一番のイケメン男子と抜け出そうとする」という見事な立ち回りを見せてのけた村上さんのポテンシャルに感激を通り越して笑うことしかできませんでした。恐るべし。
そして後発として出てきた池田さんの意外なオクテ女子的可愛らしさ、う大さんの「フジロックに毎年行ってる」系でスザンヌ感が出ている予想外の可愛らしさに感嘆し、一人メイド服に長い黒髪で「触れてはいけない人」オーラ満載の、完全に暗くてやばめの女の子としていろんなものをかっさらっていった和賀さんにもうずっと笑いっぱなしでした。和賀さんの仕上がり凄かったなあ。そんな和賀さんでもかすまなかった、予想外すぎるう大さんの可愛らしさも凄い(笑)
トイレタイムもちゃんと作られていたのですが、男子の前では甲斐甲斐しく可愛らしい槙尾さんが、トイレでは牙むき出しで村上さんに「なんで彼氏いるって言っちゃうのよ!」と噛み付いていったりして、とにかく見ごたえがありすぎました。また「メガネ(=関町)を誰が持ち帰るか」で女子全員が頭を抱える様も面白く。何故か池田さんが「私が引き受ける」と言い出し、村上さんが「でもあいつ夜は相当すごいらしいよ」と情報を投げ、槙尾さんがそれに食いつく、その会話の後ろで一人先に会場に帰って一番のイケメン男子の隣に座る和賀さん、というとんでもない展開で、目が離せないことこの上なかったです。凄かったー面白かった!


以下はトークと企画について覚えているところだけの箇条書き。

・ネタ中、ズボンのチャックがあいていたという新妻さん。気付いてしまったお客さんに膝をついて謝る。
う大「俺の役でチャックあいてたらやばかったな」
・コントでの女装の姿のままトーク参加の槙尾さん。槙尾さんの女装は槙尾さんの奥様に似ているそうで。そしたら、新妻さんにも村上さんにもご自分達の奥さん似てる!と言われる。そして何故か喜ぶ槙尾さん(笑)
・女装の欲求はないが、女性の下着をつけてみたい欲求はあるという和賀さん。それは性癖の話でしょ、と村上さん。村上さんは何となくその欲求は理解できるらしい。
池田「ブラジャーつけて外歩いてる自分はあやしい、って気持ちじゃない?」
和賀「……それ楽しそうだね」(笑)
・会話の中で、女装ライブという単語が当たり前のように出てくる。
池田「女装ライブ!?」
う大「正しいリアクションだよ」
う大さんはもう麻痺してしまっているらしい。
・相方に迫られる夢を見たことがあるという槙尾さんの話に一同が軽く騒然とする。
池田「う大さんやめてくださいよー」
和賀「う大さんに言ってもしょうがないよ。ここ(槙尾さん)をメンテナンスしないと」
・対して新妻さんは、相方をビニール傘で刺す夢を見たことがあるそうで。
和賀「完全に殺しにきてるな」
・女装でのコンパ企画。のまえに男性陣の紹介。関町さんで変な盛り上がりをみせるいつものずしゃる(笑)
ベイビーギャングりんたろうさんに、耐え切れず食いついてしまったう大さん。相方の北見さんに似せた格好をしているりんたろうさんに「相方の真似するって結構やばいよ!」と容赦なく(笑)それに対してりんたろうさんが「隣にこんなお手本いたら真似するでしょうが!」と大正論(笑)それにしてもワニに似てるいじりがずっと面白かった。挙句「タートルズに倒されろ」と言い出すう大さんが天才すぎる。
王様ゲームでは関町さんが村上さんに愛の言葉をささやく、となり、設定として関町さんが幹事、村上さんは関町さんの知り合いで女子を集めた役だったため、何の意味があるんだ!となりつつも実行。関町さんの言葉はなんでしたっけ、「こんな俺らもけっこうお似合いじゃない?」みたいなやつだった気が(笑)
・結果として、新妻さんが選ばれ、槙尾さんが怒髪天を突く。「楽勝で優勝だと思ったわよ!!」

本当に面白かったです。全部が全部盛りだくさんで、そりゃ公演時間も2時間を超えちゃいます。とにかく今年に入ってのずしゃるで驚かされるのは、ゲストの皆さんの魅力が短時間で余すところなく享受できるという環境です。限られた時間の中で、ネタは勿論トークや企画の中でゲストの皆さんそれぞれの魅力がいかんなく発揮されて、且つそれぞれに見せ場があって、全員がこの場に揃ってなかったら今日のライブは成立しなかったよね、と当たり前に納得させられます。それが本当に凄いな、と。
がっつりネタを見られて、今回に関しては特にコアなトークも聞けて、企画ではコントにひとつも二つも乗っかった中身でそれぞれが本領発揮の面白さで、しかも普段のライブじゃ見られないようなものもふんだんに見られて、こんなに充実した笑い疲れもなかなかないよなあ、と。
そうして、しずるのお客さんがゲストの皆さんを好きになったり、ゲストお目当ての皆さんがしずるのライブに興味を持ってくれたりするんじゃないかと、そういうことが期待できてしまう、圧倒的に好循環のライブだなあ、と思います。毎月見られることが本当に嬉しいです。3月にきてこの形式のずしゃるを3回見て、3回とも隅々まで面白かったので、それって本当に凄いことだと感激します。

次回のゲストはシソンヌとさらば青春の光。吉本からのゲストが初で、それがシソンヌなのが何しろ素晴らしいと思いますし、4月にきてさっそくのさらば青春の光!もうわくわくしかないです。来月も心の底から楽しみです。

*1:春風亭小朝オフィシャルブログ「2013年03月05日(火)『お気楽でござる』http://ameblo.jp/koasa-blog/day-20130305.html

*2:1年目の芸人さん、初ルミネ舞台だったそう。