箱雑記ブログ

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ずしゃる

2013年より今までと趣向を変えて、コント師2組をゲストに迎えてネタ+トーク+企画というライブになったしずるの定期ライブずしゃるが、1月もですが2月も抜群に面白かったです。企画そのものが考えられてて楽しいのも勿論大前提で、コント師がコントで遊ぶ様がこれほど面白く見られるライブが定期的にあるというのは、見る側からしてみたら本当に贅沢なことだなあ、と。
以下ネタについては若干ネタバレ気味なところもあるのでご注意ください。



(※コントのタイトルの一部は便宜上つけたもので、正確なものではありません。)
・しずるコント:足して2で割る
・しずるコント:取調べ
・しずるでトーク
・ゲストコント
 ラブレターズサイコパステスト
 うしろシティ:上京する友人を見送る
・ゲストとトーク
・企画「トークに実況と解説をつけてみよう」


何しろネタがどれも面白くて、そりゃみんなファイナリストの実力者なんだから面白いなんて当たり前かもしれないけれどそれにしても面白くて、トーク部分も予想外の展開が見られてこれまた面白くて、最後の企画はエチュードでありつつムチャぶりでありつつでそりゃもう面白くて、2時間ぎゅっと濃い面白さでいっぱいでした。
出演者がみんな面白い人達ばかりというのが何よりの理由だと思うんですが、それにしてもバランスが良かったのかなーと思います。ゲスト紹介前から、久々に満員で立ち見の客席を見て「彼らのおかげです」「次回から毎回呼ぼう」「うしゃるにしよう」としずる二人が話していたりしたのも場を作るのに一役買ってたのかもですし、ゲストが紹介されてラブレターズうしろシティが出てきた瞬間から、ラブレターズの、もっと言うと溜口くんに対するライブでのいじりスタンスが笑ってしまうくらい自然に見せられていて、それ以降の全員の立ち回りが素晴らしかったなーと!
トーク部分ではそんな溜口くんの悪い部分を引き出そうとする村上さんと阿諏訪さん、溜口くんに下に見られているという意識を池田さんと共有しようとする金子さん、当然釈然としない池田さん、顔色を伺いつつ先輩方へ情報を横流しする裏切りの塚本くんと、それぞれのポジションがまた楽しくて、それに翻弄され大立ち回りの溜口くんはつくづく面白すぎたし素晴らしかったです。気心が知れているからこそ、短いトークの中で「溜口くんの中での出演者の格をランク付けする」なんてところまで行き着くことが出来たのだろうし、ここに至るまでのしずるの事務所の外側での交流って本当に貴重でありがたいものなんだな、としみじみ思いました。勿論見ている間はそんなこと考える暇もなくずっと笑っていて大変だったのですが!


1月からのずしゃるが面白く仕上がっているのは、そういう、ゲストの芸人さんのキャラクターのちょっと深い部分まで、ホスト役のしずるが把握できているというのが大きいのかもしれないな、と、何となく感じたりしました。だからこそゲストに来てくれる芸人さんの魅力にどんどん気づいて好きな芸人さんがどんどん増えていくという嬉しいけど困った状況になるんですが(笑)、ネタを見るだけではなかなか知ることの出来ない、たとえば阿諏訪さんの清々しいまでの毒々しさとか、金子さんの罪がないのに攻撃力抜群の発言の数々とか、塚本くんの丁寧に挟み込まれるガヤだとか、溜口くんのいじられ追い詰められて輝くっぷりとか、そういうものが短時間の間にわっと押し寄せて味わえるというのが、本当に貴重な時間だなあと思います。
そういうゲストの皆さんとしずるとが、コント師としてコントと繋がってコントと遊ぶ企画がばっちり歯車がかみ合う様もすごいなーと、前回もそうでしたが今回も強く思いました。なにしろ参加する芸人さんの力量が頼もしすぎる。その上で、今回の実況解説企画は、1回目はしずるという茶番界のエリートが見事にこねくり回し、2回目はうしろシティが邪気のないムチャぶりを際限なく放り込める金子さんとドSの片鱗をひらめかせる阿諏訪さんで引っかき回し、踊る側のラブレターズの踊らされスキルは惚れ惚れするほどで、親和性が抜群に楽しかったな!と。
楽しい楽しい書きすぎててなんだか逆に信憑性が薄くなっちゃいそうですが、本当に楽しくて面白くてありがたい時間だったのです。


ゲストの存在も楽しいですが、しずる二人のトークも面白かったです。フジテレビの喫煙所における池田さんの真実であるとか、お気に入りの定食屋さんのあれこれとか、池田さんの話題の宝庫っぷりがさすがすぎました。少し前のトークは二人の思考回路の違いにお互いの頑固さが拍車をかける噛みあわなさが逆に面白くて好きでしたが、最近は噛み合わなさ以上に相乗効果を感じることが多い気がして、それは見ていて本当に楽しいです。


しずるの新ネタ、2本とも面白かった!1本目は芸術家のインタビューのネタ、テーマはそのままずばり足して2で割る。インタビューの中身のあらゆるものを足して2で割って表現してのける様は、とっても村上さんぽいネタだなーと。足して2で割るたとえがそれぞれ打率が高くて見ていて気持ちよく笑えるのがいいな、見せ方が羅列形式なので空振ってしまうとなんとなく気になってしまうから、それがとても少ないのが気持ちいいのです。しかし新ネタ故か村上さんはネタの中でちょいちょい甘噛み、池田さんに至ってはオチをびっくりするくらい盛大に噛むという。村上さんは芸術家キャラが乗っかって、枠のコントのように濃い語り口だったので、それがこなれてきたらもっと面白くなりそうでわくわくします。
2本目の取調べのネタは、大雑把に言うと笑っちゃうだけのネタなんですけど、それが本当に面白く!村上さんのつい笑っちゃう演技が自然すぎて、最初は本当に村上さんが笑ってしまったのだと思って客席が沸いてたのもあったと思うんですが、最後の最後まで笑っちゃうだけの本当に他愛のない馬鹿馬鹿しいネタなのに、ずっと面白かったです。笑っちゃう様子があまりにも自然なのとか、どうでもいいのにバカみたいに笑っちゃう様とか、途中から見えてくる池田さんのキャラの変化とか、そういう細かい部分での変化が楽しくて、間違いなくしつこいネタなのに飽きずに見られるのが凄いなーと。それでオチがまた絶妙な差し込まれ方でたまらない感じ。どちらのネタもどこかでまた見られたらいいなと思うのですが!


ラブレターズのネタはサイコパステストで、始まってこのネタだと分かった瞬間からニヤニヤが止まりませんでした。このネタを初めて見るお客さんも多かったみたいで、客席の反応が素晴らしく良かったのもあり、全部ひっくるめて面白かったです。頭のおかしさとお話の丁寧さとインパクトがどれも色濃く受け取れるのがすごい。このネタでの溜口くんの熱量みたいなものは本当にいいなーと思います。プレイヤーとしての溜口くんの魅力って本当に果てしない。
うしろシティは先日の単独ライブのネタだそうで、見たことなかったんですけど面白かった!私が持ってる単純なうしろシティのネタのイメージって、設定があってお話を追うごとにキャラクターの妙と共に丁寧に展開していって面白い、というものだったんですけど、このネタはむしろひとつのキャラとボケで最後まで駆け抜けていくごりごりの力技!というイメージのネタだったので、こういうネタもこんなに面白くやれちゃうんだなーと感嘆する勢いでした。考えてみたら当たり前なんですけど、振り幅抜群だな、と。多分このネタお気に入りなんだろうなーというのが伝わってくる仕上がり。阿諏訪さん絶対やってて楽しいだろうな、と(笑)


以下はトークと企画について、覚えているところだけ箇条書きしています。


・1本目の新ネタの後の着替え時間にて。*1
池田「いやー最後噛んだーーー」
村上「大丈夫です!僕もだいぶ噛みましたから」
細かく回数重ねた村上さん、最後に一発大きいのをかました池田さん。
・2本目のコント終わりの着替え中に、2本目のコントについて「あんなの笑っちゃいけない」とえらいことを言い出す池田さん。ドキュメントみたいなものでコントでもなんでもない、笑えるような話ではない、と。村上さんが「お前が作ったんだろ」と言い出す。
村上「じゃあコントじゃないの見て笑ってたこの人達(お客さん)何なんだよ」(笑)
・2本目のネタについて。稽古中から池田さんが笑ってしまって大変だったそう。池田さんが笑っちゃう理由は「村上そんなに笑う演技がうまかったっけ」そしてそれで笑ってしまう池田さんを見て笑ってしまう村上さん、という好循環というかなんというか。
・しずる二人のトーク。フジテレビの喫煙室で、室内にいる人間の動きを検知して、動きがなければ自動的に消える、動きがあれば点灯する照明が、池田さんが喫煙室内にいるにも関わらず消えてしまったのを目撃した村上さん。
普通は消えたことに室内の人間が何かしらのリアクションをしてまた点灯する、はずが、まったく点く気配がなかった、という衝撃の展開。つまり池田さんは、消えてしまったのにまったく動かず煙草を吸っていたのだと。
池田「なんでか教えてやろうか。それは3回目だからだよ!」
もう爆笑ですさすがでしかない。
・MX『ぶっかけ男子』なる番組の収録に、芸人さんとして初めて参加したとのこと。すごく簡単に言うと、たまごかけご飯をぶっかけて食べる男子の番組、らしい。話を聞くだに面白かったので、放送はぜひとも逃さずに見ておきたいところです。
・池田さんがこのところお気に入りで足を運んでいた魚の美味しい定食屋さんの話。池田さんだと気づいた店員さんの、池田さんに対するサービスが回をおうごとにすごい勢いで増していき、とうとう普通の白米に具材で顔を作ってくれたのを体験して以来、怖くなってしまったという池田さんが可笑しい。
なのでそれ以降足を運べていない、という池田さんに、村上さんが「行けよ!」と。芸人としてこんなに面白い体験はない、自分なら絶対に行く、と。「芸人なら絶対に行くべき!」「絶対に面白いことが起こるじゃん!」と言い募る村上さんの弁があまりにも正論。客席がいっせいに頷くので、「これだけのお笑い好きの人達もそう言ってる」という村上さんに笑う。
また行ってくる、と決意をした池田さん、次のずしゃるで何かがあれば報告してくれるそうです。素晴らしいコンテンツが出来た!村上さんも別にひとりで行ってみようか、と話していました。何かがあってほしい!楽しみ!


・ゲスト登場。登場してきたうしろシティに握手を求めに行くしずる二人、放置されるラブレターズ。塚本くんはともかく、溜口さんが放置されるってとっても絵になる。
ラブレターズサイコパステストのネタの後がやりずらい!と阿諏訪さん。
村上「どろっどろの毒汁みたいなコントのあとは、うしろシティのレモンスカッシュみたいなネタじゃないと」
・溜口くんの良い子な人格は表向きのもので、実は澤口という本来の人格があってそいつは悪い奴、という話で盛り上がる。溜口くんの人格が澤口を押さえ込んでいると。表に出してやれ!という一同の声に、表に出てきそうになるけど溜口くんがボディビルダーみたいな面白ポーズと共に押さえ込む、という流れが数回。回をおうごとに面白くなる(笑)
・塚本くんより、二人のときは悪口が8割、と暴露される溜口くん。「もう悪口佑太朗にしろよ」と先輩に言われるも、わるぐちゆうたろう、なる奇跡の語呂に気付いた一同が笑っちゃうのが可笑しかった。
・塚本くんの顔と体のバランス。この顔だったら190センチないとおかしいだろう、と。まるで体の一部がなくなっちゃったみたいだと言い出す池田さん。
池田「どっかに置いたままなんだろうね!どっかにあるよ!この一部分が」「静岡あたりにあるよ」
・塚本くんに、顔にコンプレックスとかあるの?と聞く村上さんも村上さんだけど、それに塚本くんが答えるより早く「なきゃおかしだろ」と一刀両断する阿諏訪さんの速さ(笑)
コンプレックス複数ないとおかしい、という話になって、ひとつひとつあげてみることになった塚本くんは、最初にネガティブであることを挙げると、これまた電光石火の速さで「1つめそれじゃねえだろ」と断じる阿諏訪さん(笑)もう速い速い。
・溜口くんの本来の人格澤口の話。阿諏訪さんのことは怖いから上に見ているだろう、と分析する金子さん。変わりに自分や池田さんは下に見られているに決まってる、と。
金子「(池田に)ザコじゃん。俺もザコじゃん」
いつものけろっとした悪気のない言い方なんだけど、明らかに池田さんを蹴落とす効果ありまくりなのが面白すぎる。
・溜口くんの中の、本日の出演者の総合的なランキングを発表しよう、という話に。ただ発表するんじゃなくて、ファッションショー的に1位から出てくる形でどうだ、という悪ふざけが勃発するのが面白すぎる。題して「溜口セレクション2013」タメコレ開催。
ファッションショー的な曲と照明に、すぐさま対応できるルミネにびっくりするうしろシティの二人がなんだか可愛らしい。
・溜口セレクション2013、順位は村上→阿諏訪→金子→溜口→塚本→池田の順。金子さんは意外だったみたいで俺ここなんだー?みたいなリアクションで出てくる。逆に相方より下とされた塚本くんは終始釈然としない顔で、池田さんに至ってはもはや苦笑い。
・結果について、ネタを100%で書いてくれる塚本くんが下というのは問題では?という話になり、溜口くん「ここは僅差です!」実際にどのくらいの差があるのかを、距離にして分かるようにそれぞれを配置してみたところ、金子溜口塚本は確かに僅差で、それはそれで釈然としない金子さんが楽しすぎる。
・溜口くん曰く、舞台上ではこれだけ厳しく怖い阿諏訪さんは二人きりだとめっちゃ優しいそうで。
阿諏訪「客いないのにいじめてもかわいそうだから」
どう優しいのかと聞かれ、溜口くん「アプリとか教えてくれる」(笑)


・企画『トークに実況と解説をつけてみよう』その名の通り、トークの外側に実況役と解説役をつけて、実況解説が言ったことを受けてトークを展開していく、というエチュードのようなムチャブリのような企画。
・企画の中身はうまく文字には出来ないのですが、1本目は実況解説役をしずるが、2本目はくじをひいてうしろシティが担当。上にも書きましたが、どちらもそれぞれ違った味で抜群に面白くて、受ける側のラブレターズもそりゃもう見事で、とにかくずっと面白かったです。
・しずるの実況解説は、さすがにそこそこ根性が捩れている二人なので、放り込み方もあまりにも堂に入ってて惚れ惚れするくらい(笑)
・しずるの実況解説により、なんだかんだあって塚本くんに羽交い絞めにされた溜口くんが阿諏訪さんにビンタされる、までは良くある展開かもしれませんが、そこから「リピートで見てみましょう」で再びビンタされる、さらに「角度を変えて見てみましょう」で別方向にスタンバイしてビンタされる、という流れが珠玉の面白さ!唯一座って見ていた金子さんが、角度を変えてのリピートで座り位置もきちんと移動するというファインプレー。
うしろシティ実況解説は、冒頭から「塚本が寝不足で寝てしまわないか心配」という金子さんのぶっこみが怖ろしかった。途中で村上さんも寝不足設定を追加されるも、二人とも眠そうなお芝居がまー上手いったら。挙句再び溜口くんが村上さんに引っぱたかれる流れがあり、何故か村上さんもビンタし返され、最終的に何故か池田さんと溜口くんがキスをするという。面白かったーうしろシティのぶっこみ恐るべし。


そんなところで。何度も書いてますけど、面白かったです!本当に濃度の高いライブになってるんだなーと嬉しいばかり。
気の早い話ですが、回を進めるごとにきっとまた違った展開なんかも出てきて、他事務所芸人さんもまだまだおおーとなるような人が出てきたり、12月に言っていたように同じ事務所のコント師を呼ぶこともあったりするんだろうと思うので、本当に今年からのずしゃるに対する楽しみは尽きません。長い目で見て行ったら本当にもっともっと大きな流れになるんじゃないかと、そういうことを遠慮なしに期待できるような気がしていて、それをこのずしゃるというしずるの定期ライブで感じられるということが本当にありがたいのです。
足を運べば他ではなかなか見られない面白いものが見られるライブになっていくかもしれないな、というのは贔屓目も大いにありますが、そういう気持ちになれるライブということで。
来月のゲストはかもめんたるとトップリード。これまた素晴らしく楽しみです。

*1:ずしゃるでは、しずるはネタ披露の合間の着替えを舞台上で行います。コント界の春風亭昇太、と言っているのは私だけです多分。