箱雑記ブログ

色々まとめています

2010年M-1グランプリラストイヤーの準々決勝 準決勝 決勝でやるネタを選ぶライブ

一切のひねりを排除した骨太タイトルを冠した千鳥のライブを見に行ってきました。無限大ホール大阪初めて入りました。
千鳥の単独ライブらしきものに足を運んだのは何年ぶりかなあ。06年07年付近ではちょくちょく足を運んでいたので、とても久しぶりでした。
M-1という単語に反応したのもありますが、何より漫才いっぱい見られそう!という期待でチケット取りました。本当に相変わらずでしたが、つくづく面白かったです。以下簡単に流れと感想。



1本目:隣の部屋のうるさい奴
2本目:大悟の実家からノブに差し入れ
3本目:医者になって飛行機で病人を助ける
[コーナー]2010年M-1ラストイヤーまでを振り返るコーナー
4本目:殿から伝令を頼まれる
5本目:通販の電話
[コーナー]決勝の順番を決めるくじを引くほうを決めるコーナー
6本目:泣ける本
7本目:かかあ天下


千鳥の漫才が極端に見る人を選ぶことなんて分かってます、分かっててあえて言いますが全部面白かったです。
1本目から3本目までを見て狂ってるなーと思って、4本目を見たらやっぱり狂っていて、5本目がまさかの蒸しアナゴで何やってんだと思って、6本目の原点回帰かと思うくらいのくだらなさに悶絶し、7本目の嫁の癖に千鳥パーティー・大喜利ライブに引き続き改めて撃沈しました。私なんぞがわめいたところで何も変わりませんが、とにかく千鳥は本当に面白いんですよと改めて口に出していきたい気分です。
この中から決勝にかける漫才を選ぶらしいですが、本気ですかと問いたいくらい、7本すべての漫才のどれも決勝でウケている絵が浮かばないという千鳥らしさ爆発ぶり(笑)本当に大好きなんですが、大好きなんですが決勝でウケるか?ウケるのか?と何度自問したことか。


やっぱり好きだったのはかかあ天下の漫才。何度見てもどうしたって面白い。この日見た漫才はどれもノブさんのツッコミが光りに光っていたのですが、このネタに関しては光るとかそういう問題じゃなく、主役がノブさんなのですね。大悟さんのボケで笑ってる先からかぶされるノブさんの癖の応酬がたまらない上に、時々加えられる変化球に悶絶です。どこまでも面白いのでいつまでも見ていたい。
それから3本目の医者になる漫才は最高に頭がおかしくて大好きでした。ネタバレになりそうなのであまり書けないのですが、後半の展開はポップに仕上げてたから心置きなく笑えたけど実際に想像したらグロいなんてもんじゃない(笑)狂ってるなあ千鳥。大好きです。大悟さんの「天才がゆえに出る声」がツボすぎて死ぬかと思った。


1本目はネタそのものの野太さというか骨太さというかダイナミックさというか岩石ぶりというかが素晴らしい。ネタの本筋ではない部分の、大悟さんがいちいち畳み掛ける阪神のくだりが全部ぶっ飛んでて面白すぎる。これまたネタバレになるかもなので白抜きにしますが、「チェーンソーで片足切ったらそこからぶりんと生えてきたのが多色ボールペン」という発想はどういう生活をしていたら出てくるのか。普通の人がこれ考え付いたらその時点で多分その人の人生終わりです。つくづく狂ってるなあ。
2本目も1本目とは違う方向にぶっ飛んでました。ぶっ飛び方にバリエーションとかそれだけでどうなのと思います。これはネタそのものの発想の魔球ぶりや大悟さんの素っ頓狂なボケもさることながら、ノブさんの突っ込みワードが冴えまくりで本当に笑いました。
4本目の伝令の漫才は、エンドトークで「あのネタだけはやめよう」とノブさんが言っていたくらいに、伝わらなさ甚だしい内容(笑)大悟さんによると、やってる大悟さんは非常に楽しいんだそうですが、まーくだらない。伝令に行こうとして行きたがらない大悟さんと、ツッコミなのに何が理由で行きたがらないのかと執拗に問い詰めるノブさんが面白すぎる。
5本目にまさかの蒸しアナゴが出てきて、この人たちはこのネタ今年も引っ張るつもりなんだろうかと思ったらそれだけで変な笑い方をしてしまいました。どうかしてるよ本当に。エンドトークで大悟さんが「さすがに準決勝でまた蒸しアナゴやったら怒られるやろ」と言ってましたが確かに(笑)それにしても何度見ても本当に面白くて大好きです。「雛人形のド迫力なに!?」で転げるほど笑いました。
6本目は泣ける本の漫才で、これはなんというか、多分千鳥のパブリックイメージに近いのかなーというか、こんな馬鹿馬鹿しいネタ千鳥くらいしかやらないよなーというか、そんな文字通りの力技。多分、ああいうネタというかボケって思いつく人は思いつくんだろうけど、実際に実行に移して舞台でやってみようと思う人はなかなかいないんじゃないのかなーと思います。という感想をポイズンのネタでも書いたことあるなあ。


コーナーもどちらも面白かったです。
過去の決勝を振り返るコーナーでは、千鳥が決勝に出た年の順位が書かれたボードを4つ並べてああだこうだトークしてました。改めて4回出てると思うと、実際凄いことだなあと実感します。でもボード4つ出てきた瞬間に大悟さんが「はずい!はずい!」と言ってましたが。順位の変遷を見て、2005年にふっと上がっただけの変化だとか(笑)
2003年では下ネタ漫才で最下位だったと。大悟さんの実家に集まって見ていた人が、一人ずつ帰っていったらしい(笑)初出場ということもあって、二人ともがちがちに緊張してたそうです。
ノブ「緊張してる奴の下ネタはあかんわな」(笑)
2004年は順位の下位の皆さん*1をひっくるめて「ここらへんが怪しいと思われたのはこの年」という不毛なトークがあったり。
2005年の話は非常に興味深かったです。「おぬし」というネタで準決勝ウケたけれど決勝に上がれず悔しかった千鳥は、もし敗者復活戦で他のネタで決勝の場に行けても、絶対に「おぬし」のネタをやろうと決めていたんだそうです。ただ、実際に上がったときに、ノブさんが上がったネタ*2で決勝もいこうと直前に言って、実際にそうしたらしい。そういう背景があったんですね。全然知りませんでした。
で、笑い飯の哲夫さんが未だにあそこでおぬしをやっていたら上位だったんじゃないかと言うそうです。ノブさん曰く、哲夫さんは「おぬし」のネタがお好きらしい。なんか分かる気がする…。あとは、敗者復活で勝ち上がってきたとき、麒麟の川島さんがノブさんに「おかえり」と言って抱きしめてくれたそうです。いい話過ぎる。*3
もうひとつ、敗者復活がらみで言っていたのが、大悟さんはあのときの映像が出てくるたびに、その時着ていたアウターが工事現場のおじさんばりの「クソだせえジャンパー」だったことを後悔しているそうで(笑)しかも隣のノブさんはその色違いみたいなジャンパーを着ていたのでもっとやばいと。
ノブ「もし今年は医者復活に行った場合は、オシャレなアウターを」(笑)
2007年の順位表を見て、千鳥はまず自分達の順位(8位)を見て「やっぱりやん!」、そしてその下のポイズンを見て「やっぱりやん!」(笑)ひどい話です。


決勝のくじを引くほうを決めるコーナーでは、2択の運試しを7番勝負で。
おもちゃの刀が2本あって刃の短いほうが負け、とか、Tシャツが二つあって乳首の部分に穴があいているほうが負け、とか、掛け軸が二つあって西川きよし師匠の写真が出てきたら勝ち、つばさきよしのきよし師匠が出てきたら負け、とか(笑)、まあ他愛も無いものからなんだそれ的なものまで色々ありました。
一番凄かったのが、トースター(時間がくると焼けた食パンが飛び出るタイプの)が二台あって、早くパンが焼きあがった方の勝ち、というもので、スイッチを押してからパンが焼きあがるまでの1分だか2分だかの間、千鳥もお客さんも無言でそれを見守っている時間がありまして、あまりにも意味の分からない時間にちょっとぞわぞわってなりました。脳が震えますよあんなの。大悟さんが「舞台でこんなの見られるの最初で最後やしよく見といたらええ」って(笑)しかも色々話してるうちに焼きあがってしまったら変な感じになるからと、全員が無言でトースターを見守るという…なんだったんだろう、あれ。
で、結果として大悟さんがまさかの7戦全勝という結果で、見ているこちらはノブさんのことがちょっと心配になるくらい(笑)ただ、これだと決めたら譲らずに一貫して強い意志で選択していた大悟さんに比べて、ノブさんは自分の立ち位置がこっちだからとか、作家側の意図はきっとああだとか、Tシャツの畳み方がよれてるだとか、そういうだいぶ雑念の多い選択の仕方をしていて、差が出るもんだなーと思ったものです。
最後に大悟さんが実際に1から9までの番号の書かれたボールの入ったボックスでくじ引きをして、6番を引いて「おもろぉない!」、ちなみにノブさんが引いたらどうなるかってことでノブさんも引いてみたら5番で「おもろぉない!」(笑)千鳥のこういうところ大好きです。
そういえばこのコーナーで、お互いの子供の話みたいな流れになったときに、
大悟「お前んとこサワガニ生んだん?」
ノブ「サワガニちゃうわ、俺に似て目が細いだけや」「お前んとこはオカマ生んだん?」
大悟「カニの後のオカマは薄い!」
という会話があったことをメモしておきます。無性にツボでしょうがなかったもので。でも、薄い、濃いって単語をちょいちょい使っていたと思うんですが、土壇場で薄くなるボケっていうのは割りと千鳥のM-1を見てるとちょくちょく遭遇していたので、*4そういう部分を意識しているところもあるのかなあと思ったりしました。この日見た漫才はどれもそれなりに一貫してゴリゴリの重いボケで埋め尽くされていたので、余計にそう思ったのかもしれないです。


以上です。
千鳥の単独は本当に久々だったんですが、体に染み渡る勢いで面白かったです。多分千鳥の漫才って他では簡単に見られないです。そういう意味での暴力的な唯一無二感が素晴らしいんだな、と実感しました。あとはとにかくごつごつしていて骨太でぶっ飛んでいて且つ狂っていたと、そういう印象しかない(笑)
今年ラストイヤーのコンビで好きな人たちって本当にたくさんいるのですが、千鳥はその中でもぜひとも決勝の舞台にいて欲しい筆頭グループの人たちです。年末にいい思いが出来るといいなあと心から思います。

*1:6位ポイズン7位トータル8位千鳥9位東京ダイナマイト

*2:ワシには分からん、アホじゃけえ

*3:2005年のM-1のDVDに入っているドキュメントでも、準決勝後に西田さんと飲んでた大悟さんのところに駆けつけた哲夫さんとか、スタジオに来たノブさんに対して川島さんが「ノブの気持ちが分かるから」と言っていたのとか、全部入ってるんですよね。否応なしに思い出して、ぐっときてしまいました。05年のドキュメントは本当に見ごたえがあります。余談でした。

*4:Pのつく人とかにもちょいちょい見られる傾向。