箱雑記ブログ

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さよなら絶景雑技団〜追加公演〜

ものすごく今更ですが、本当に大好きなライブなので書き残しておきます。ちなみに各自の絶景以外は2年前の浅草での公演と内容はほぼ同じで、好井さんと向井さんが絡んだ映像こみのネタが無かったくらいだと思います。一番大きな変化は寿ファンファーレのくだりと、田所さんがいるかいないか、くらいか。あとなぜか又吉さんが村上さん溺愛モードに入ってるのとか。結局それも伏線になってるあたりもさすがです。
改めて見ても色あせず、本当に隅々まで面白くて揺さぶられる公演でした。大前提として絶景という単語選びが素晴らしいと思うのです。ライブタイトルに負けないどころかしっかり寄り添ってこちらの頭の中にいろんな思いを残してくれるのが凄い。願わくば、この先もどこかで彼らが絶叫したり全力で飛び跳ねる様が見たいと思います。
2年前の感想はこちら。

以下は各自の絶景に関するメモと、簡単な感想です。




各人の絶景について簡単にまとめ。


・向井の絶景
ディズニーシーの新しいメインキャラクターをぜひ向井さんに、という依頼。向井「このままでいいんですよね?」パレードはミッキーやドナルドに続いて登場予定。
・村上の絶景
「好きって10回言って」から始まる、ベタベタな女子とのやりとり。「俺の方がもっと好きー」ただただくすぐったい。
・根建の絶景
暴走族にいた不良が暴走族を抜けて大学受験へ。仲間は怒ったが、最後は背中に文字を書いて応援してくれる。根建「あいつー!」
・好井の絶景
男性ファッション誌?の街角おしゃれスナップ東京編にと声をかけられる好井さん。写真を撮っていたカメラマンさんが「…名古屋でもとりましたよね?」好井「…はい」
・池田の絶景
マージャンをやっているならず者(やくざっぽい)3人と、ショートパンツに野球帽で小学生くらいに見える無邪気な少年(池田さん)、少年の後ろに無言で控えている長髪サングラスに黒モッズコートの大男(五明さん)。
どうやら少年は敵対組織の人間?らしい。少年なのにマージャンが強いらしく、「弱すぎてつまんない」と言い出す。子供相手とはいえ怒りだすやくざ達。色々あって、やくざたちは少年を殺そうとするが、それより先に大男が無言のままやくざ達を銃で撃ち殺す。少年はあくまで無邪気に「つまんなーい」と言いながら平然とやくざ達の死体を見下ろし、銃を拾い上げる。
「新井マージャン知ってる?」「知りません」少年が大男を撃つ。倒れる大男。「今度までに覚えておいてよ」
ひとり残った少年はあくまで無邪気に「ハンバーグ食べにいこっと!」
・関町の絶景
エマニュエル婦人の曲。エマニュエル婦人風の椅子に悠然と腰掛ける関町さん、その周囲に傅く半裸の男達が複数。
しばしの間の後、「そこのあなた」と足元に座っていた男のひとりを呼ぶ。「○時に■■のロビーで」
・中村の絶景
エクザイルオーディションで選ばれる中村さん。スポットライトを浴びて一言、「オーディション辞退します。腐っても芸人ですから!」決めポーズ付き。
・田所の絶景
怪盗を追いかける刑事。いよいよ怪盗を追い詰めて後ろから捕まえると、「エッチ!」と怪盗が怒って刑事を振り払い逃げていく。
呆然としたまま立ち尽くす刑事「…あいつ、女だったのか!」
・寿ファンファーレの絶景
又吉さんにコンビ名を考えてもらうある日の出来事。
・児玉の絶景
競馬のレース。最終コーナーを回ってブエナビスタとローズギングダムが先頭で競っていたが、最後の最後に「後ろから…児玉ー!」普通に走って1着になる児玉さん。
・五明の絶景
五明さんがいるところに、馬鹿でかい池田が入ってくる。馬鹿でかい向井も入ってくる。五明さんよりもはるかにでかいので、五明さんは「ちっさ!」と言われ、笑われる。被っていた帽子を奪われ、二人でキャッチボールのようにされてしまい、取り替えそうとするが、手が届かない五明さん。
袖の向こうにいる又吉さんに帽子がわたる。返してほしいと五明さんが頼むと、又吉さんはじゃんけんで勝てば返してやる、という。
じゃんけんをしたところ、袖からばかでかい又吉さんのグーが飛び出てきて五明さんが吹っ飛ばされる。
・又吉の絶景
前回は「しずるに入りたい!」でしたが、今回は冒頭からずっと村上さん溺愛という伏線があった上で、「純くんのいるしずるに入りたい!」でした。なので、青春コント(視力検査)に入った又吉さんも、今回は基本スタンスが純くん贔屓での参加であり、前回は最後3人で抱き合っていたところ、今回は池田さんの間に割り込んで又吉さんと村上さんで抱き合ってました。


池田さんの絶景が長いのは私が脳天打ちぬかれて見ていたからです。池田さんは前回の絶景もなかなか尖がっていたのですが、今回はそれどころじゃなかったなあ。大好きですあんなの。カイジとかゴッドファーザーとか仁義無き戦いとか、ちょっと違うかもだけど三池作品的なグロさとか、そういう暴力的にグロい方面のファンタジーをあれだけの短い時間の中にがちがちに作りこんでくるあたり、池田さんの頭の中はつくづくどうかしてると思います。設定だけ見ても神保町の芝居ひとつ作れそう。
五明さんの絶景も好き。神保町メガトン*1がフル活用されてて素晴らしいです。上を見上げてうろうろしている五明さんというだけで見た甲斐があったというもの。
最高にくだらなかったのは田所さんの絶景かと。くだらなすぎて大笑いしました。妄想に正直すぎます。村上さんのは勝手にやっててくださいと言いたくなるいちゃいちゃぶり。
前回エロ方向に酷かった関町さんの今回の絶景も別のベクトルで酷く、来世は男子として戦うことはあきらめてしまったのかと心配になりました。前回も今回も、それぞれがいろんな意味で男の子らしい絶景を持ってくる中、関町さんの視点だけちょっと方向性が違うのが(笑)
好井さんのは好井さんらしさもありつつ、絶景という意味でバランスが絶妙で素晴らしいな!そういう意味では向井さんのも同じくらい素敵、こちらも見事にキャラと個性を生かしまくっていてさすが。中村さんのは馬鹿馬鹿しいんですけどそれにしても芸人として無駄にかっこいい(笑)ちょっと中村さんの芸人観みたいなものが感じられる気がするあたりもいいな、というのは深読みですが。根建さんのはただただ心温まる良い話、これまたらしいなあ。でも不良が大学受験、のあたりのファンタジー要素のバランスがすごく心地よいです。
そして瞬殺の威力が半端ない児玉さんの絶景はこれはこれでその発想どっから持ってきた?という不条理ぶり(笑)前回も児玉さんは児玉さんそのものでDBの世界のヒーローになっていたので、得意技なのかもしれない。


それぞれのコントの感想については、前回と同じくらいの濃度でもって同じことを力をこめて訴えたいくらいに、改めて見ても良かったです。特別な仕掛けや大仰な伏線もなく、真新しい仕組みがあるわけでもないけれど、ひとつひとつのコントがここでしか見られないという希少価値をはらんでいて、その上で本当に面白いのが凄いです。勢い重視のコントから、不条理なものも力技も陰なものも可愛らしいものも良く分からない重みを感じるものも、バラエティに富んでいてふり幅が凄まじかったです。
脚本の面白さに、出演している芸人さんの個々のスキルの高さも手伝って、隅々まで隙がないのも凄い。みんなが同じだけ重要な役割を担っていて、誰かが欠けたら駄目なんだろうなあと見終わってからも思えました。唯一今回初参加の田所さんでさえ、それぞれのコントの中で前回から居たんじゃないかと思うくらいにしっかり存在を主張しているのがいいなあ、と。
とにかく全編とおして空気が良いのが印象的でした。又吉さんが仲の良い後輩を集めているというのもあると思いますが、だらけたところも見えなくて、個人的にはスポーツのものすごい強豪校の部活、というイメージです。部活らしい和気藹々ぶりと適度な気安さがあって、強豪校らしい圧巻の見せ方があって、部活だからこその期間限定のパワーと切なさがあったように感じました。


寿ファンファーレの最後の花道ということも手伝って、最後はひとつ乗っかった上での切なさがありましたが、そもそもオープニングの全員が並んでの絶叫や、エンディングの全員が舞台いっぱいに飛び跳ねる様は、前回もそうでしたが今回もやっぱり、見ていてよく分からない感情で胸がいっぱいになりました。未だによく分からないけれど、男子が集まって何かを力いっぱい叫んだりする様は、問答無用に見ているこちらの感情を揺さぶる何かがあるなあと思います。そして寿ファンファーレにはとっても貴重な時間をもらえました。


新年早々いいものが見られて本当に嬉しかったです。願わくば、また絶景雑技団を見ることが出来る機会があればいいなと切実に思います。

*1:神保町花月「アイツにメガトン!」公演にて使われていた巨大な拳(メガトンパンチ)のオブジェ。公演では主人公の必殺技として、袖から巨大なパンチが勢いよく飛び出してきて敵を蹴散らすというシーンが見せ場であり、おそらく脚本書いた人はこれがどうしてもやりたかったんだろうな、と見た者がみな胸を打たれた。