箱雑記ブログ

色々まとめています

「袋小路の男」(絲山 秋子)

久々にbookカテゴリ。なぜなら本当にずっと活字から離れていたからです。こんなに離れたのは初めてかもしれない。おかげさまで今は薄い本や読みやすい本にてリハビリ中です。
これは相変わらず姉のお勧め。この人の書かれるお話は、決して何も起こらないわけではないのに、どこまでも静かにゆったりと漂っていって、気付くと心にしみこんでいるような気がします。表題ともうひとつのつながっているお話は、終わり方がなんとも優しくてとても好きでした。「アーリオオーリオ」はどこか切ない。この人の書く孤独な男性は、どんな生活をしていてもどこか浮世離れしていて、自由で、寂しそうだと思う。だから「距離について考えた。」でしたか。あのくだりがとてもとても好きです。他人とぴったりくっついていられない人にとって、それがどれだけ救われることだろうかと。


しかし姉おすすめの本を読んでいると、姉のその時々の人間関係を垣間見るようだ。分かりやすいというか何というか・・・。

袋小路の男 (講談社文庫)

袋小路の男 (講談社文庫)