箱雑記ブログ

色々まとめています

「星の王子さま」(サン=テグジュペリ)

最近のあまりの小説に対する億劫さに、リハビリの気分でやさしく読めるもの、と思って、平積みになっていたのをたまたま見かけて手に取ったもの。本当にお恥ずかしいことですが、この年になるまで星の王子さまを読んだことがなかった私。
もっと早く読むべきだった!と以前にも別の本を読んだときに思ったことを、ここでも思う羽目になりました。これは本当に、自分が働いてお金を貰うことなんて想像もできないような子供の頃に読むべきでした。大人になっても染み入るものはあるし、大人だからこそ実感として分かるものも多々あると思うのですが、それにしても、大人の分別というか、諦めというか、生活していく中でいろんなものに縛られていることを実感できてしまう年齢になってからだと、読んでいて王子さまのあまりの純粋さとひたむきさが眩しすぎて、王子さまの輝くような正論の数々がなんとも痛いのです。
こんなところで、私はだいぶつまらない大人になってしまっているのだなあ、と、思い知って何とも言えない気分になったのでした。
本当に素敵な本でした。私はキツネが好き過ぎました。あのキツネが切なくて切なくてたまらない。あとは王子さまのバラの気高さがもどかしくて、これも大好き。

星の王子さま (新潮文庫)

星の王子さま (新潮文庫)