箱雑記ブログ

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「風が強く吹いている」

本屋大賞攻略月間引き続き。
ほぼ素人で集まっている10人が箱根駅伝を目指すというお話で、単純に面白かった。私は箱根駅伝てよく分からないのですが、さすがに1年であの結果は出来すぎというかファンタジーすぎ?という点でピンとこない部分はあるけれど、いいのかもね、フィクションだし、夢があるし。個人的には、出来ればあと1、2年欲しかった気もするけど、細かいこと考えてもしょうがないのかなあ。
どちらかというと、箱根云々よりも、それを通しての人と人との関わりとか、成長とか、そういうところに視点を置いて読むのが正解だったかもしれないです。20kmを素人が本気で走ろうと決意するあたりの理由付けはどうしても弱い気がしちゃったなあ。うーん。
逆にリアルだなあと感じられたのが、主人公(でいいのか?)の心理の変化。走ることしか知らなかった男の子が、自分に足らない部分や自分が苦手な部分、自分よりも足は遅いけどその人の方が強い、とか思ったりする部分は、かなり読んでていいなあと思った。なるほどなあ、分かる気がするなあ、と。
リアリティとフィクション性のバランスって、私の中では結構大事なのかも、と思いました。要するに総じて説得力、ということだろうか。書くべきところは書いて欲しいけど、フィクションの中でまで夢のないことは経験したくない、とも思う。難しい。
この人の本読むのは初めてだったのですが、シンプルな文体できっと読む人を選ばないんだろうなあ、と思いました。割とストレートに照れくさいモノローグがいっぱい入ったりするので、読んでるこっちも照れくさくなったりする(笑)多分ストレートな表現に慣れてないからですね。そんなに隙間を埋めるように語ってくれなくても、って。行間読むのが好きなもんで。
しかしどうしても駅伝というと、時期が時期だったのもあるのですが、LLRの駅伝ネタを思い出してしょうがなかった(笑)

風が強く吹いている

風が強く吹いている