箱雑記ブログ

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「夜は短し歩けよ乙女」(森見登美彦)

本屋大賞を攻略しよう月間。ということで、「一瞬の風になれ」はすでに読んでいて私の心のベストテンにしっかり鎮座していますから、2位のこれを。
これはよかった。すっごく可愛かった!可愛らしくてどこかとぼけていて、不思議で不可解で、本当にほろ酔い気分みたいな愉快な気持ちにさせられる本でした。ほんと楽しかったー。
伏線の絡み合った、気楽で楽しいちょっと変わったミステリとして読むもよし、人とも妖怪ともつかない人たちやそれに振り回される人たちもしくは振り回されず楽しめる人たちが巻き起こすコメディとして読むもよし、「私」の「彼女」に対する想いをやきもきしながらくすくす笑いながら見るラブコメとして読むもよし。そんなの全然関係ない、ただただ幸せで愉快で軽やかな気分にさせてくれるちょっとおかしなお話として読むのもいいです。とにかく可愛くて楽しくて最初から最後までずっときゅんきゅんしてました。
「彼女」がね、可愛すぎるのです!彼女に関わった人はことごとく幸せな気分になれる。読んでいた私も例に漏れず、です。そりゃこんな子近くに居たら好きになるわーって思いました。緋鯉のぬいぐるみが欲しくてたまらない(笑)そしてそんな彼女に恋をした「私」も、可愛いなーへタレで必死な男の子はいつの時代も微笑ましい。
しかし表紙からしてずるいずるい。友人が大好きな中村佑介氏の表紙絵がまた素晴らしく良いのです。文体も独特で、私は結構好んで読める感じだったので、この人のほかの本も読んでみたいです。しかし著者近影を見たところ、どうやら作者氏、年下の模様(黄金世代)。とうとう好みの作家が年下になる年に私もなりましたか・・・。

夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女