箱雑記ブログ

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「コンクールでお会いしましょう―名演に飽きた時代の原点」(中村紘子)

姉おすすめのクラシックコンクールに関する本。ピアノコンクールを中心に、コンクールが流行するに至る歴史や、今のコンクールの現状、コンクールにおけるピアニストの様々なドラマを紹介してくれる、とても分かりやすくて易しい本でした。クラシックの作曲家であり演奏家である人たちの人となりとか(リストとショパンの個性の違いは全然知らなかったので面白かったー)、現代の天才ピアニストの様々な生き方とか(私が名前しか知らなかったグレン・グールドの話とか)、そのあたりも紹介されてて、面白いなーとしみじみ。
単純なもので、浜松で開催されるという国際コンクールに行ってみたくなりました。何しろクラシックやピアノなどに造詣がないもので、同じピアノで同じ曲で果たしてどこまで演奏者による個性が出るのか、なんてことはまったく想像もつかないのです。
あと、生演奏というものは、演奏者側の事情だけでなく、聞き手側の心理状況や境遇、知識などによっていくらでも印象は変わり、極端なことを言えばぼろぼろのピアノのつたない演奏でも、何かが聞き手の琴線に触れたらそれが至上の演奏になりえる、というくだりがあって、これは音楽に限ったことじゃないよなあ、と思ったり。私が今まで見てきたライブや演劇、試合などのあらゆるものについても同様に言えることだな、と。
そして、一つの音楽を追求するピアニスト達がどれほどの犠牲と努力の上でその音を作り出しているか、という話もあって、これまた他のあらゆるものに置き換えられることだな、なんてことも思ったりしました。