箱雑記ブログ

色々まとめています

『黄色い目の魚』(佐藤多佳子)読了。

黄色い目の魚 (新潮文庫)

黄色い目の魚 (新潮文庫)

『一瞬の風になれ』を読んで、あれが本当に本当に良かったので、思わず他の部屋に積まれまくっている本を差し置いて読んでしまいました。これもよかった。ちょっと特別な関係とか、こういうのはやっぱり普遍的に素敵だと思ってしまう。
一番好きだったのが、冒頭の父と子の話。本当にこの手の話に私は弱いなあ、と思うのだけれど、この冒頭の話だけで読んでよかったとしみじみ思いました。それくらいよかった。その後で、どんどん読み進めていって、自分の中高生時代のいろんなものがフラッシュバックしつつも、それは読んでいる間の私のメインではなくて、不思議と向き合う二人の空気が、どんどん優しく切なくなっていく様を心地よい気分で読んでました。
あっという間に読み終わってしまって、もったいなかったなあ、と思うくらい。すごく良かったです。