箱雑記ブログ

色々まとめています

いろいろ。

少し前に『夏のこどもたち』(川島誠)読了。
短編集なのでさくさくいけました。季節感もたっぷりあっておとく気分。
表紙とあらすじと帯に惹かれて買ったのですが、思っていたのとはちょっと違った。
表題作はガラスの目でドライに日常を見つめる男の子の話で、生々しくも柔らかいテイストがなかなか心地よかった。乾いた日常が潤ったり干上がったり、最後も嫌いじゃなくてすっきり。
他の短編も、短いけどさりげなくて、同じく嫌いじゃなかったです。
で、後でちょっと思い出したけど、川島誠って前に姉が良いと言っていた作家さんでした(笑)気付かずに読んでましたが、ううん、結局ここらへんにたどり着くんだろうか私は(苦笑)

今は気まぐれに高村薫の『李歐』を読み返してて、先日読了しましたが、1年か2年に一度読み返す高村作品は、読み返すたびにそれまで感じなかった部分に情動が生まれたりする。思わずラインを引っ張りたくなる文がどんどん増える。自分でも思わぬところに引っかかって何度も一文をなぞったりします。そして電車の中で涙するという。
私は基本的に本だろうと漫画だろうと映画だろうとテレビだろうと音楽だろうと、対象がなんであろうと泣くときは盛大に泣くのですが、でも考えてみたらそれは当然で、どんなジャンルの作品でも根底に人の心が込められて作られてるものに変わりはないもんなあ。
夏に『李歐』は少々季節外れだったかな。やっぱり高村で夏に読み返すなら『黄金を抱いて飛べ』だなあ。『李歐』は春がいい。『照柿』は夏に読むと暑さが増してしんどいのでむしろ秋に読むくらいがちょうどいい(笑)
しかし高村の文章はなぜそこはかとなくエロの空気かな(笑)底の深くて暗いところで恥ずかしくなる感じ。

次は何を読もうか。
いつも本屋で本を買うときはまとめて数冊購入しておくのですが、それ故に時間が経ちすぎると何を買っていたかを忘れてしまう。
確か恩田陸とか東野圭吾あたり買っていたような。相変わらずベタですね。

ちなみに最近は『容疑者 室井慎次』とビデオ『CUBE』を見ました。
容疑者の方は、一般の評価がどんなかは知らないのですが、私は楽しめました。踊るのシリーズというよりは独立した警察映画みたいになってて、別物として見る分にはまったく問題ないのでは。
何しろ筧さんが美味しいのと、真矢さんがちょっといい人で素敵なのと、八嶋さんがいっちゃってて楽しいのと、その他もろもろ、楽しかったです。新条さんのあのわっかりにくい捻くれた敬愛の念が可笑しくてならなかった(笑)
あと、田中麗奈ちゃんのロングヘアがとっても似合ってて可愛らしかったので、今年の冬は私もやっぱりロングヘアだな!と決めました(笑)
『CUBE』の方は、怖いったらなかったです。原因と結果の分からないサイコスリラー。あの理由も何もない唯の無機質の悪意があれほど怖いものとは。私は人間の憎悪とかが生み出す怖さは好んで見ますが(ジャパニーズホラー的な、おぞましい怖さが好きな理由はそれ)あの無機質で息が詰まる展開はもー怖くて怖くて泣きそうでした。
しかし手法も展開もオチも見事な映画でした。2があるんだっけ・・・見たいけど怖いなあ(苦笑)