箱雑記ブログ

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囲碁将棋単独ライブ『喜』

毎回本当に面白くて嫌になる囲碁将棋の単独は、今回も腹が立つほど面白かったです。何なんでしょうあの人達。
以下簡単に流れと感想を。ネタバレは極力少なくしているつもりですが、ネタについては今後他のライブなどで見られる可能性もありますので気になる方はお気をつけください。



・VTR:本番3日前、毎度実施される文田さんによる格差オープニングを気にする根建さん。今回は根建さんがオープニングをプロデュースすると宣言。
・オープニング
 ジャパ ネットたかたの曲で登場の文田さん、マキシマムパーパーサムつよしさんとともにジュニア風の4人*1を伴ってファンタ スティポを踊り歌う根建さん。
・オープニング映像
・漫才
 根建さんへの誕生日プレゼント→小室ファミリー一休さん→漢数字→天使と悪魔→俺の事が好きなのか俺のボケが好きなのか→ロックバンドに足りないもの→はじめてのおつかい
・エンディング


囲碁将棋は毎回単独が漏れなく面白くて何なんだこの人達!と思っているのですが、今回は本当に最初から最後までずっと何かしらに笑っている状態がずっと続いているような感じでした。ネタとネタの継ぎ目でも何かしら面白いことが起こっているというか、根建さんの表情がずっと面白いというか(笑)
私は囲碁将棋の漫才は、入り口の間口は広かったり狭かったりとまちまちなのに中に入ると狭さがすさまじくなる様が本当に好きで、さらにその狭さを作り出すために引っ張ってくる選択肢がことごとく「そこから!?」という意外性と新鮮さであふれているのが本当に好きなのです。これって狭いのに面白いのか、狭いから面白いのか、どっちもなのか、そんなのまったく関係ないのか、どれなんだろうと気になるんですけど、当たり前だしみもふたも無い言い方だけどだけど人によるんだろうな。
例えば私は今回、誕生日プレゼントのセンテンスにおける無線LANの子機*2という選択がそれはもう最高にツボだったのです。無線LANの子機です。無線LANの子機という単語を日常生活で使うことがどれだけあるか。分かりやすさや伝わりやすさをまるっと無視した選択肢だからこそ、裏切られ感が半端ないんだと思うのですが、同時にそこを選ぶのって結構勇気がいるんじゃないのかな、というのは素人考えですか。ただ、裏切るという点については本当に最強で、だからこそ何だそれは、という面白さがあるのも確かだな、と。そこらへんのワード選択のバランスが絶妙すぎてたまらなかったです。だって無線LANの子機って、親機があった上で子機が必要なくらいに無線ネットワークを広げる必要があるような場所でしか使わないものじゃないですか。一般家庭でいったら1階にも2階にも無線環境が欲しいとかそういうときくらいですか?
文田さんの青年実業家キャラ(というかなんというか)の一端なのかなーとかどうでもいいことを考えるわけですが、あまり漫才の題材の中に見ることのないものだとは思います。漫才の、というか芸人さんの、かな。多分それは、無線LANの子機で笑うお客さんがたくさんいるということをそもそも普通は想定しないから、だと思うんですけど、そこをチョイスするというのと、そのチョイスのセンスがたまりません。囲碁将棋の漫才にはそういう、他では漫才の中に見ることがなかなかないもので溢れている印象です。


天使と悪魔が戦うのにゴリゴリの本格ボクシング対決になってたり、はじめてのおつかいにバイクを買いに行かせたり、誕生日プレゼントにピーラー用意したり、そういう数々の大きな裏切りがことごとく面白い、というのが私が思う囲碁将棋の魅力かもなあ、と今回の単独を見ながら思ってました。またそうして裏切る場所の狭さもさることながら、その狭いところを無駄にディテール凝りまくって表現してくるのが逆にとことん馬鹿馬鹿しさを際立たせてくれるのが最高です。天使と悪魔がただボクシングやってるだけじゃ駄目なんです、悪魔がインファイターで天使がリーチ長く使う系とかそういうのをぶち込んでくるから余計に面白い(笑)バイクも400ccでカワサキだのホンダだの情報が詳細すぎる。その詳細さが馬鹿馬鹿しくて大好きです。予想外のものが乗っかった上でさらなるディテールを脳内で想像できればこんなに面白いこと無いですから。
もちろん囲碁将棋の漫才はこれだけにとどまらないたくさんのパターンにおいて「想像もつかない変なところから選択肢を持ってくる」ということをしてくれるんですけど、そういう意味では割と今回の単独のネタはシンプルなものが多かったのかも。


1本目のプレゼントのネタは、そもそもそうした部分以前に「根建さんにどんなプレゼントをあげたらいいか根建さんに相談する」というパラドクス発生気味の漫才で、これが本当に大好きでした。冒頭の漫才なのになんてとっつきにくそうなものを持ってきちゃうんだろうって思ったら可笑しくてしょうがなかったです。普通に聞いてたら頭おかしくなりそうなやり取りなんですけど、それが無性に面白くていいなあと。「お前が俺だったらお前に何あげる?」「俺がお前だったら俺に何あげるか?」という会話が普通に続いてくんですけど何がなんだか。その中でピーラーという裏切りがひょいと出てくるのがたまらないです。で、プレゼントが床がぱかっとあいてそこから投げ込まれるという裏切り中の裏切りを目の当たりにしたうえで、それまでのやり取りを「俺7年目で不思議ちゃんになったりしないよ」というひと言で片付ける文田さん(笑)面白すぎます。ピーラーを持った根建さんに「これねえと遊べねえだろ」とジャガイモを渡すに至ってはもう降参です。


漢数字のくだりとかはまた全然違う形でこれも本当に面白かったんですが。他でも見られる機会があるかもしれないので中身を書けないのはもどかしいんですが、よく出来たというよりはなんてめんどくさいネタ思いついたんだ!という感想です(笑)前提さえ納得してもらえればその先はひたすら笑うのみ。旭川のくだりが大好きです。
俺と俺のボケとどっちが好きだと問い詰めるネタは、形でいったら結構いろんなところで見る感じで、それこそネタの導入はLLRの漫才(あれも面白くて大好きです)とほぼ一緒だったので、ええ?どうするの?と思いながら見てたんですが、当たり前とはいえ後半になるにつれ本当に導入一緒だった?と思うくらいの別物加減。前提が同じなだけに大きく違った展開にはなりにくいと思ったんですが、そこはやっぱり、変な方向にディテールを懲りすぎる囲碁将棋のクセがすごいので、何の問題もなく笑えちゃうのが本当に嬉しい。ボケタンヌーボーという単語の中毒性ったらない。文田「今日もこういうことするつもりなかったし」根建「今日?ここで?今日?*3」という会話の時の根建さんのリアクションが素晴らしかったなあ。


考えてみると、私が根建さんのお顔がよく見える角度で見ていたというのもあると思うのですが、1時間半終始笑ってたのって結局根建さんの百面相がずっと隙なく面白かったというのが大きい気がします。
ネタの中で、ネタと関係ない流れだったと思うのですが、くしゃみをしたら外国人の方は「Bless you」って返してくる、という話をしてたときに、文田さんに「知ってた?」と聞かれたときの根建さんの「…うん」と頷くタイミングといい顔といい、もう絶対に知らないとそれだけで分かる素晴らしい出来で、涙出るほど笑いました。
文田さんはと言えば、今のロックバンドには俺が足りない、と夢みたいなことを言い出して、実際にお友達のバンドさんのPVに参加してきた映像を作ってきたというのがすごかった。すごく面白かった(笑)ひとり青年実業家スーツで胸の高い位置でベースをインチキに弾いたりベースをキーボードみたいに扱ったりというやりたい放題ぶり。バンドさんの心が広すぎることに感動しました。洒落の分かるお友達っていいなあ。


ネタとか云々以前に二人のちょっとしたやり取りがそもそも面白いというのもたくさんありました。
文田「ネタ作れば?」根建「なんで?」文田「なんでってことないでしょ!」とか、ピーラーを振りかぶって文田さんにつっこむ根建さんとか、一休さんのストーリーについて「続き出てんの?」「先週合併号だったから?」と言い出す根建さんとか、漢数字の数と画数が合わない話での「七から十まで開き直ったように2画」とか、ロックバンドに足りてないものは俺なんだよねーといわれての根建さんの「おとといきやがれよ」と返した脳髄反射的スピードとか。フレーズの面白さという単純な部分でもどんだけ面白いんだと思わされます。この点は二人ともが同じだけ担っているというのが凄い。
あと全然関係ないんですけど、「粋」という字がホワイトボードに書かれていて、根建さんは最初はそれをちゃんと「いき」と読めていたのに、しばらくして突っ込みとともに読んだ際に「わく!」と言い出した時には多分だけどあの人は奇跡の人だと思いました。


以上です。書き足らない気もしますけど書けばいいってもんじゃないのでこのくらいで。本当に面白くて濃厚で大好きだと思ったライブでした。

*1:鷺沼の住人

*2:あれはアクセスポイントという認識でいいんだろうか。

*3:単独ライブin品川プリンスシアターの日。