箱雑記ブログ

色々まとめています

しずる単独ライブ「尻ん〜熱がおびたのさ〜」

1年ぶりのしずる単独に行ってきました。北沢タウンホールにお花が色々。それにしても濃いなーと思って見ていて気付けば21時20分を過ぎるくらいでしたか。びっくりです。そもそもこの単独タイトル何?以下なるべくネタバレに気をつけて感想を。今後のライブで見られるかもしれないのでネタバレが駄目な方はお気をつけください。



・しりとりをする二人
[VTR]オープニングVTR
・絆〜KIZUNA〜
[VTR]しずるのどっちの方が気付かれるでしょう
・読動術
[VTR]1月14日(村上誕生日)未明打ち合わせ中
・二人旅
[VTR]1月17日(池田誕生日)未明打ち合わせ中
・嗚呼、二人
[SE]この時間は次のコントの準備をしている舞台裏でのしずるの様子を音声でお楽しみ下さい
・素人クイズ選手権
[VTR]1月某日しずる広島営業、新横浜駅
・俺とお前
[VTR]ひとつ前のVTRの続き、東京駅
・その後の雰囲気
 + 男と女のSEXの後
 + 男と女のおしくらまんじゅうの後
 + 料理長と新人の餃子包みの後
 + 主と雑種犬の散歩の後
 + マジシャンとトランプのJOKERのマジックの後
[VTR]ひとつ前のVTRの続き、池田さん帰り道
・さおり…
[VTR]エンドロール(カルテット「ベストフレンド」PV)
・エンドトーク
・池田と村上の単独ライブの後

ライスの単独の感想に「強いて言えばもう少し力技が見たかった」と書いたのですが、しずるの場合は逆で、力技多かったなあ!(笑)いわゆる「綺麗なネタ」的なものが、終わった直後はほとんど思い出せない(笑)後からよくよく思い出して「あ、結構考えて作ってるっぽい?」と思わなくもないのですが、見せ方がオシャレではないというかいっそ泥臭いので、シュッとした印象が薄いです。
あと、構造そのものがトリッキーな見せ方や展開より、登場人物の負の感情で展開が左右されるような、人としていやらしい(笑)見せ方が多かった気がします。素材を生かしての洒落た機能美というより、有機的でどろっとした生々しい作りというか。デジタルというよりアナログというか。例えが下手すぎてすみません。
見終わってすぐに、とりあえず終始濃かったなあと思ったのでした。コントの中で感情的なピークが全体通して上の方に設定されていた気がしますが、だからなのか見ててだいぶ疲れました(笑)そういう意味でも、「嗚呼、二人」はそのピークがすっと落ち着いて見られるコントですごく好きでした。
あとは、もうちょっとぶっとんだネタが見たかった気がするな、というのも少しあります。奇妙奇天烈で収まりの悪いネタがあのがっちりした力技の中にふわっと奇怪で意味不明なネタが入っててくれたら、ちょっと楽しそうだなあ、と。そういうのも出来る人たちだと思いたいので。がっちりだけだともったいない気がしてしまうのは、たまに彼らが見せてくれる訳の分からない支離滅裂さが好きだというのもあるかもしれない。これは本当にただの好みです。


それにしても池田さんのポテンシャルたるや!絆のコントからすでに全開で楽しすぎたのですが、本当にイライラしてたり我慢がきかなかったり軽く扱われて釈然としてなかったりする池田さんは抜群です。しかもバリエーション多い(笑)ただ今回、基本的に池田さんが村上さんに振り回されるポジションなのが多かったので、そういう点では全体通して単調に感じた所があるかも。その逆も見てみたかったな。前回単独の「game man」みたいなむちゃくちゃさをついつい欲してしまう(笑)
村上さんもかなり幅広い魅力を堪能させていただきました。悪い顔をする村上さんがとても好きなのですが、悪い顔もそうですし、「二人旅」でのあの超絶にウザい村上さんは最高でした。あれはもはやウザさの才能。相手をいらつかせるためにはキャラにないダンスを全力で披露することも厭わないその泥臭さがたまりません。池田さんが折れた瞬間の変貌振りとかも、やってくれるよなーと思います。


最初のオープニングコントだけタイトルが無いのですが、舞台の上手と下手に分かれてしりとりを、お互いに交互に言うのではなく、同時に言っていって言葉を合わせていく、というもの。思い出しましたけど、これものすごくよく出来てて、見ててだいぶ感心してしまったのでした。「し」が頭文字であわせようとなって、「今居る場所」というキーワードを出しておいて、上手の村上さんは「下北沢」、池田さんが「下手」と言った瞬間に、あーこれはすごいな、と。立ち位置が伏線になっているとは。あと単純に、村上さんが池田さんに寄せて予想する言葉が基本下半身系と虫に集中しているのと、池田さんが村上さんに寄せたという言葉がくどいほどオシャレな台詞だったりするあたりが(笑)


「絆〜KIZUNA〜」はいわゆる最近のしずるの王道とも言うべき展開のコント。池田さんの方が裏切られた気分になってどんどんテンション下がっていく様が可笑しい。やいやい言われて切れた村上さんの反論がまた子供っぽくて笑いました。オチがだいぶ楽しい。それにしてもしずるのコントは、些細なことでどんどん人間関係が崩壊していくなあ(笑)


「読動術」は、これも今思い出してみると、かなりよく作られたコントのような気が。それを思い出してみないと気付かないのは、基本やってみせてる動きが非常に馬鹿だからかもしれません(笑)村上さんの動きに後から結果がついてくる、その結果の意外性がとても好き。目潰しとか(笑)あと、ブラジャーをわざわざつける意味があるのかどうか(笑)くだらなさに笑ってたらあのオチだったので、わーとなりました。師匠役の村上さんの台詞における言葉のチョイスが、非常に師匠らしくて重々しく詩的なのが、多分コントそのものにはあまり関係のないところだと思うのですが、その作りこみ方が好きだったりします。


「二人旅」これ大好きでした。力技!と思うものの、最初に提示されてる設定を利用して終盤にひとつ展開が作られていて、そこからまたぐんとコントが伸びていく感じだったのが凄く面白い。とにもかくにも村上さんの素晴らしき苛立たしい言動の数々!ウザさって追及するとあそこまで洗練されて表現されるものなのですね。もちろん褒めてます。池田さんが本当にいーってなってる様子に説得力がありまくり。ただの嫌がらせのためにあれをやる、ということをコントにしようと思いつくあたりが育ちの悪さでしょうか(笑)目を輝かせて悪い顔で嫌がらせを楽しむ村上さんが抜群に輝いてました。池田さんが折れてからの豹変振りも、じゃんけん後のリアクションも、何しろ隙がない(笑)池田さんの様子も、本当に苦痛な雑音を聞かされてるようで凄まじすぎる(笑)


「嗚呼、二人」これも大好きでした。他のコントに比べると地味なところがあるんですが、見てて色々と想像させられてすごく面白い。力いっぱいの「二人旅」の後に、ちょっと肩の力が抜ける感じのこのネタがすごく映えた気がします。作りはシンプルだと思うのですが、あのシンプルさで最後まで失速しないというのがいいなあ。言葉選びと口調との組み合わせの妙。これ多分すごく練習必要なんだろうな、などと思ってしまう嫌な客です。結局あの口調でのやり取りする「高校時代からの友達」同士は、慣れ過ぎててああなのか、打ち解けてないがためにああなのか。興味津々。


「素人クイズ選手権」は言葉というか音の妙(笑)くだらなかったなー!でもそのくだらなさに有無を言わさず笑ってしまうのでした。E.T.のくだりは秀逸すぎる。あそこだけ無駄にうまいことになってるというのも楽しい。タランティーノシュワちゃんがあんなに面白いというのが新しい発見でした(笑)


「俺とお前」これ好きだったなあ!設定の時点で2つか3つくらい捻りがあって、そのごちゃごちゃぶりがすごく面白く見えました。「俺より俺を知ってる」「俺にお前が俺を教えろ」とか、聞いてるだけでんんん?となる感じがたまらない。あんまり書いてしまうとネタバレになっちゃうのでもどかしいですが。あのこんがらがり方が楽しいんです。ただ、これ最後に別の大きな展開がありそうに思えてちょっと期待してしまった(笑)俺がお前がと言ってる台詞が伏線ぽく聞こえてしまったのは、ネタ見ながら深読みしすぎってことなんだろうなあ。それが無くても十分楽しいのですが。お金のことだけ執念かと思うほど覚えている池田さんのキャラクターに違和感がなさすぎる。


「その後の雰囲気」は、シチュエーション固定もので、配役だけ入れ替わっていくパターンのもの。これも好きでした。餃子包みのあたりは相当楽しい。それぞれの設定がかなりかっとんでて、タイトルがスクリーンに写された時点で笑えてしまう場合も。このシリーズの最後のネタがエンドトーク後の最後のネタだったのですが、思えばそれが一番秀逸だった、ような気がしないでもない。


「さおり…」は、これも最近のしずるの王道風のコント。悪気があるんだかないんだかの村上さんもさることながら、池田さんがやっぱり秀逸で!前半のちょっとおかしいな?くらいの時の池田さんの「ん?」ていう顔が抜群。これを見ながら、しずる的王道過ぎる気がしてしまうのは贅沢な感想なのかなと思います。


VTRはどれも秀逸。特に池田さんが村上さんの誕生日を祝うVTRは、池田さんのおかしな人っぷりが短い中に凝縮されまくっていて素晴らしかった(笑)池田さんが村上さんへの誕生日として、着ている服をアウターから下着まで順番に脱いでいってプレゼントするという非常におばかさんな中身なのですが、最終的に全裸になった池田さんが、立ち上がって全裸にリュックを背負ってふらふら歩いても、机の上に置かれた服や缶やその他いろんな道具が見事なほどに池田さんの大事なところを隠していて、その物の配置が隙無く計算されている様子にびっくりしました。なんてくだらない手間だろう!(笑)


エンディングVTRはしずるが出演したカルテットさんのPV。大画面で見る池田さんの歌う様が爆笑を誘う様子がたまらない(笑)エンドトークではPV撮影での話もちらっと出てましたか。
で、エンドトークが終わって、暗転してからの、「池田と村上の単独ライブの後」は、相当楽しかったです。オープニングのコントの最後に残る「し」がつくものに関する疑問が、SEネタを経て、ここで完結して、他の「その後の雰囲気」のネタと同じく、最後に文字を書いて終わる、それが「尻ん」だという、なかなか美しい終わり方。それにしても村上さんの、「他の芸人にも同じこと言ってんだろ」「ライスとか!」「田所と仲良すぎなんだよ!」のあたりでだいぶ笑いました。相変わらずしずるにおける最頻出単語ですね、ライス。


以上です。やっぱり面白かったです。だいぶ笑い疲れました。ただ、やっぱりちょっとだけ、がっちりなだけじゃなくてぶっ飛んだネタが欲しかったな、と。欲張りですみません。思い出したら後ほど追記します。