箱雑記ブログ

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ライス単独ライブ「キリ・バト」

検索してみたら、キリ・バトはスリランカ料理の名前だそうです。マフェもバザバザもナイジェリア料理の名前だったようなので、サボコもどこかの国の料理の名前なのか。もしかして各国の米料理の名前が単独のタイトルなのだろうか。書いててすごく今更な話題のような気がしてきました。
今回も面白かったです。面白かった上で、感じたことを以下に。




大前提として、ライスに関しては24時間365日ハードルが高く設定されています。ひょっとしたら単独祭りをやるような東京吉本の若手中ダントツに高いハードルかもしれない。普段から本当に「すごい、面白い」と思わされるものを見ることが出来ているから余計です。それが単独ライブともなったら、期待もしまくります。過去いろんな場面において、そんな高いハードルを越えてきてくれてたから、こちらも心置きなく高いハードルのままライブに臨めるというのは本当に贅沢。


で、そんな前提での感想なのですが、面白かったです。ライスの単独ではライスの単独でないとなかなか見られないようなネタがたくさんあって、そういうネタに出会えることが凄く嬉しい。
冒頭のネタからして、設定の逆転ぶりとか、オチの馬鹿馬鹿しさとか、好きだったなあ。会話だけでとんとんと笑わせていく様はちょっとバナナマンを彷彿とさせる気が。
お気に入りなのは怪盗ジャガーのコントと、オープニング明けて2本目のコント。特に2本目のコントは、最初の田所さんの動きによる振りで何があるんだろうと想像を極限までかき立てられた上で、出てきた田所さんの第一声に本気でやられたーと思いました。そんなくだらない設定だなんて誰が想像するかと!(笑)あのしてやられた感は相当清々しかったです。あれだけ引っ張った上であそこまで裏切られたらもう嬉しくてしょうがない。思い切り引っ張った期待感にしっかり答えてくれるのだから凄い。中身の展開も意味不明すぎて大好きです。何がしたいのか分からないのに笑ってしまう(笑)
葬式のコントも、地味ですが好きでした。単純にあの母と子の会話がよすぎて好きというのもあるんですが(笑)ネタの仕組みそのものはかなりシンプルだと思うのに、状況設定が作りこまれていて、しかもそれがだいぶ極端に設定されていたりするから、シンプルでも映えるなあと。見せ方が上手いということなのかな。もっと練られたらもっとじわじわ面白そう。
裏バイトのコントも、終始不気味なテイストの中で、張り付いたような笑顔の田所さんの振る舞いがどれもこれも不気味面白い様子で、それに怯える関町さんがまた楽しい。関町さんは本当に、怯えているときとパニックのときと卑屈なときがより輝くように思えます。もちろんオチも抜群に好き。


ひとつひとつのコントを振り返っていくと、どれもライスらしくて好きなのですが、単独という大きな単位で振り返ると、何となくですがインパクトに欠ける気がして、なんでだろうと不思議。大笑いしたとかしないとかは関係なしに、自分の中でどかんと刺さるコントというのは今までライスを見てきて多々あったのですが、それが無かったような気がしないでもない。
帰りの電車の中でずっと考えていたのですが(笑)割とテクニカルというか、ライスらしいからくりのあるコントが多い分、力技で押し切るコントが控えめだったからかも、と。バランスの問題ということなのかな。からくりのあるコントばかりだと、見ている側も慣れてくるのか、やっぱりどこかコントそのものの仕掛けや作る側の手品のタネみたいなものが垣間見えるような気がしてしまうのだけれど、それをリセットしてしまうような力技のコントが、ライスに限らず単独という大きな器のライブにおいてはバランスを支えてくれるのかもしれないな、と。完全に私の思い込みですが。要するに私は美しく作られたライスのコントと同じくらい、ライスの力技で押し切る馬鹿馬鹿しいコントが好きなのだな、と思ったものです。例えば連れ出し喫茶とかああいう(笑)
そういう意味では、後天性(中略)過敏症のコントはライスらしい力技で大好きでした。「アン!」押しのコント(笑)前振りや設定をじっくり作りこんだうえで見せる丁寧さは他のコントにも見られるものなんですけど、感じるあえぎ声とその状況の妙で押していく様はやはりすごく力技というか、くだらなさが突き抜けてて楽しすぎる。関町さんが過敏症の挙句に取り落としていたトランプも美しく散らばっていたなあ(笑)
あと、やはり力技という意味では、恒例の関町作演出作品、すごくいいと思うんですが!私今回のあのコントすごく好きです。ツメの甘いところも確かにあるんだけど(笑)それをまさに力技*1で押し切ってなんだこれーという気分にさせてくれたのが本当に楽しかった。オチもちょっと意味深な感じで。あれ、暗転がもうちょっと遅かったら分かりやすかったかな。でも分かりやすくする必要はないのかも(笑)
あと、バランスというのとはちょっと違うかもですが、怪盗ジャガーのコントは、意外なからくりというのともちょっと違うし、力技というのともちょっと違う、お話と芝居で見せる単独ライブならではのコントで、すごく好きでした。これまたあの警部のキャラとか心情とかがただただ可愛くて素敵だというのもあるのだけれど(笑)こういう、ストーリーがコントの主軸になっているようなコントって、ライスの単独ではあまり見てなかったような気がしたのでした。*2だからとても新鮮でいいなあと。オチもオシャレで大好きです。とっても素敵な気分になりました。


単独を見てこういうことを考えたりするのって初めてのような気がする。基本的に視野が狭いから、大枠で色々考えるのはとても苦手なので。ミクロなところをつつくのは好きなんですが(笑)だから、単独の中でのバランスがどうのなんて、普段は絶対に考えないのに、そういうところを色々と考えさせられるのも、ライスならではということなのかな。ハードルの高さゆえでしょうか。


それにしたって、この単独における下ネタ含有率の高さはどうしたことだ(笑)下ネタに関してもメリハリを作っていただいてバランスを取ってくれればいいと思いますが駄目ですか!面白かったですけど!からくりや仕掛けに慣れるのはともかく、下ネタに慣れていく自分はちょっと御免こうむりたいです!


そんなところです。やっぱりライスの単独は素敵でした。何か思いついたらまた追記します。

*1:という名のダンス。もしくは真剣芝居。

*2:関町作演出作品は別にして。