箱雑記ブログ

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犬の心単独ライブ『嘘をつく』

2度目のルミネでの単独ライブに行ってきました。これもだいぶ今更な感想ですが、面白かったから感想も書きたくなってしまうのでした。いいものを見ました。すごく楽しかったです。以下若干ネタバレを交えた感想。


※以下は正式タイトルではなくネタ概要を勝手に書き出したもの
・嘘を付く
[VTR]オープニング映像
・僕は案山子
[VTR]マネキンのPV
・寝坊
[VTR]落としソーメン
・催眠術
[VTR]大好きな池谷
・僕は自由な案山子
[BGM]
・公園で聞いた不思議な会話
・お前誰だよ
・自転車
[VTR]自転車の顛末
・辞表
・タライ
・僕は結局案山子
[VTR]エンディング映像
・エンドトークの後にガリットチュウ単独ライブ告知VTR

本当に面白かったです。2時間しっかり楽しめました。見終わって、いいライブだったなあと晴れやかな気持ちになりました。どんな気分で見に行ってたんだという話ですが(笑)本当にいいものを見たと思えるライブだったので嬉しかったです。
単独前に、今までとタイトル変えてみたり、どういう風にやるとかやらないとか、そういう話がちらちら耳に入ってきていたので、変に無駄な緊張感を持って見に行ってしまったような気がしますが、蓋をあけてみたら、ああやっぱり犬の心は面白いなあ、と素直に思いました。これも面白い、次も面白い、ブリッジ馬鹿だなあ、とものすごく前向きな気持ちで楽しめたのがとにかく嬉しいです。
ひょっとしたら作り手側には何かしらの変化や挑戦があったのかもしれませんが、客席で見ていた鈍感な私は、何かが劇的に変わったという印象もなく、かといってマンネリを感じるわけでもなく、犬の心のコントはやっぱりとても好きだなあ、とだいぶ間抜けな感想に終始したのでした(笑)


催眠術のネタが大好きです。「催眠術にかかって変な行動をしてしまう」とだけ書いたらなんてことのないネタですけど、それをやるのがあの押見さんだというのと、そこかしこに出てくる言葉のチョイスがツボだったのとで本当に面白かったです。色々やらされて次の瞬間「死ね」で首絞めにいく展開とか、いいなあ大好きだなあ。自分の予想をたくさん裏切ってくれて気持ちよかったです。「土曜日」で笑い転げました。土曜日と言われてあんなに笑うなんて思いもしませんでした(笑)「土曜日を楽しみにしている犬」って何だ。
あと妖怪。あれ、なんて罪の無い妖怪だろうとそれだけで楽しくてしょうがない(笑)足踏んづけて気付かれてみたり、言われるままに起こしてあげたり、ほのぼのしすぎ。前フリが長いのがまた無駄ーな感じで好きでした(笑)罪がないのに無性に可笑しくてお気に入りです。


案山子のコントは何となく犬の心っぽいなあと思う展開で、自由を手に入れて自我に目覚めた案山子が次の展開ではバーに入り浸ってママに恋をしてて警察が出てきて・・・という急展開(笑)押見さんの作るものは、ストーリーがあるとものすごくベタな昼メロドラマ的展開か任侠映画的な流れになることが多いような気がするのは気のせいでしょうか。それがまたギャップなのかなと思います。話はベタなのに、そこに至るまでの展開とそもそもの舞台装置がぶっ飛んでいるという。案山子は後にも先にも案山子でしかないという、そこだけは絶対に徹底しているから、どんなストーリーを持ってきても絶対に何かしらが歪んでいる状態にならざるを得ない。それが楽しいなあ。
あと、案山子については全体通して池谷さんのプレイヤーとしてのポテンシャルを思い切り堪能しました。表情がいちいち良くてほれぼれしました。
1本目がかなり好きでした。1本目だけでもちょっと変えたら成立しそうな気もする。ご主人の豹変振りが面白すぎです。そもそも案山子なのに返事するんだ、という事実についてはほったらかしなのに、そこからの展開で会話できたり動けたりする事実には驚いていくというのもまた(笑)根本が歪んでいるのがおかしい(笑)
あとはママの似非炸裂すぎる関西弁に笑いがとまらない。ここにきて今更腕がつっかえるという様も間抜けすぎて楽しい。
最終的に3本めの案山子のコントが、それまでの他の色々なコントにつながっていく感じは、よくある手法と言われればそれまでだけれど、分かっていてもわくわくしてしまうんだからしょうがないです。


自転車に爆弾のコントも好きでした。オチを担う映像のプチブラックさ加減がなんとも言えない(笑)ぱーんてなった!って、びっくりして笑うという。
公園で聞いた会話のコントは、映像と組み合わせてのネタで、犬の心ではあまり見ることがない手法かな?と思ったんですが、考えてみたら以前エコーでお葬式のネタとかありました。失礼しました。一環して同じ友人を違う呼び方で貫く様からしておかしい。
上司と部下のコントは、要するにハメを外した下ネタコントで(笑)ついついカリカの大林 素子のネタを思い出さずにはいられなかったわけですが、どうしてこうカリカ閥の皆様は揃ってこんな狭いところに迷い込むんだろう(笑)嫌いじゃなかったです、と書くにも勇気がいるような気もしますが、大林 素子で過去散々笑ってしまっている時点で言い訳なんてしようもないのでした。
タライを落としてお布施をするという謎のコント?ブリッジ?もありました。タライを落とされてありがたがる人々の異様さが嫌いじゃないです。ずっとやってきた風船の代わりなんだとしたら、だいぶ分かりやすい気がしますが。


ブリッジの映像がどれも面白くて、落としそうめんに関しては涙流して笑いました。おばかなことやってるなあと思いつつ、そんなおばかなことを成功させた際の押見さんの、稀に見る晴れやかな笑顔は必見だと思います(笑)はしゃぎすぎ。
池谷さんが見知らぬ人になるブリッジは、その事象そのものよりも、押見さんが胡散臭い笑顔で「俺の大好きな池谷ちゃん」を連呼する様がホラーと言えなくもない。押見さんはこういうところでご自分のイメージを良く分かっていらっしゃる・・・あんなもの笑うに決まってます(笑)
最後はガリットチュウ単独の宣伝VTRで締め。素敵にチープな作りでガリットチュウさんらしいVTR!犬の心はガリットチュウが大好きなんだなあとしみじみ思いました(笑)


そんなところでしょうか。まだ何か忘れているものがある気がしますが、思い出したら追記するということで。
前回の単独の感想を「薄かったなあ」という印象だったと書いた記憶があるのですが、今回はそんなことはひとつも思うことなく最後まで思い切り楽しんで見ました。「犬の心の面白いところいっぱい見た!」という、幸せな満足感でいっぱいです。
エンドトークでのいつにもまして眩しいばかりの池谷さんの「終わったー!」という笑顔が非常に印象的です。客席から見る側の不安ややきもきなんかより、はるかに重いものを芸人さんは抱えてるに決まってるはずなので、そういう意味では、全てのネタが終わったあとの池谷さんのリラックスした様子はやっぱり見ていて気持ちよかったです。


そういえばオープニングとエンディングの映像がシンプルだけどかっこよくて、曲もかっこよくて、すごく好きでした。あの無駄のない感じが素敵です。