箱雑記ブログ

色々まとめています

神保町花月「仮面家族」

なんだか久々な気がする神保町花月でした。お友達の感想を見て、行っておこうかな、と思って当日券で突撃。
以下、ネタバレ感想です。



楽しかったです。思ってた以上にシリアスというか渋いお話でした。なんかアームストロングっていうだけでもっと軽いノリなのかと思い込んでましたが、全然そんなことなかったです。そこのギャップが良かったのかも。
とりあえず、笑いのポイントは重岡さんが一手に担っていた印象(笑)「スターの光!」に続いて芝居なのにこの人の芸人スキルを思い知らされたものです。そして今回はお話の重要な部分も重岡さんが担っていたので、もう重岡ファンだったら行かなきゃ損!みたいな内容。裏主人公は組長さんだと信じて疑わない私。


上手くいかなくなっていく家族に疑問を持ち、心を悩ませる19歳の男の子の話。大きなトリックが後半に用意されていて、それが山場かと思ったら、一番重要なシーンはその後に残っている、という展開。
終わり方がとても好きでした。「嘘から生まれる真実もある」という、わりと普遍的な台詞もあるのですが、普遍的なものっていうのはそれだけに強いな、という印象です。あそこで小鳥遊さんまでもが「自分のために仮面を付けていた」というオチのまま終わっちゃったら本当に救われないので、最後の最後でそれを覆してくれたのを見てほっとしました。
内容的に、割とハードルを高くして見に行ってしまったためか、つっこみどころもちょこちょこあって、ちょっと物足りなさを感じてしまった点はあるのですが、この終わり方で、ああ、よかったな、と思えたのはとても嬉しかったです。伏線ばりばり張ってあったり、それをちゃんと回収してみたりして、なかなか小技もきいてて楽しめました。


物足りなさについて、何が足りないと思ったのかな、と考えたのですが、おそらく、組長の行動や心情にはいろんなフォローがあちこちから入るのに、主人公の幸治の心情に対してのフォローが足りない気がしたからかもしれない、と。組長が20年前にああいう手段を取ったことに関しては、若林も熱く語っていたし、小鳥遊さんも「分かってあげるべき」と幸治に語るシーンがあって、組長自身も「父と名乗ることを許してくれ」と言う、という形で、たくさんフォローがあったのですが、20年間偽りの家庭に育てられて、偽りの家族が本当に自分を愛していたわけではないことにも気付いて、自分の20年間をあっさり否定されてしまった少年の気持ちはどうなるの、って私なんかは思ってしまったのでした。「息子を愛していたからこそ」「簡単に許してもらおうとは思わない」みたいな話を聞いたところで、簡単に納得できるものじゃないような気がしてしまう。誰も幸治の気持ちに関してはフォローしてくれてないんですよね。事情はどうあれ、自分の意思ではなく親から引き離されて偽りの生活を与えられていたことに変わりはないわけで、これこれこういう事情だったからしかたなかったんだ、でも愛しているんだよ、と言われても、って思ってしまうのです。
もちろん、それに対して組長は「お前はお前がやりたいことをやれ」と言ったり、父親としてのものすごく大きな愛を見せてくれるのですが、父親に関してばかりが「しょうがなかった」と語られてしまったのが、何故か最後までもやもやしてしまって。小さなことかもしれませんが、それがずっと引っかかっていたのであえて書いてみました。
そもそも幸治が幸せで且つ組を継がなくてもいいと思っているならそのままそっとしておいて上げるのこそが幸治のためじゃないのか、とか、20年間も偽りとはいえ家族を演じてきた3人に幸治に対しての愛情が無いのは寂しいなあ、とか、いろいろ感じたところはあるのですが、本当に些細なポイントだし個人的な感想なので、ここまで気にするような点でもなかったのかもしれない(笑)ただ、お話として全体的に素敵な感じでまとまっていたし、栗山さんも重岡さんもすごく好演されていただけに、気になってしまったのでした。すみません。
欲を言えば、たとえ伏線がバレてしまってもいいから、組長が父親として見守ってます感が前半でもばりばり見えてたりしたら、すっごい好みだったかも。と思うのは、私が父子モノの話が好きだからに違いない。完全に好みですねここらへんは。


栗山さんが主人公を演じていたのですが、19歳って言われてもそれほど違和感がなくて、雰囲気とか仕草が若いってことなのかな、と思って見てました。自然で率直なお芝居で、それが悩める少年ぶりによくはまっているように見えて、いいなあ、と。
重岡さんのための舞台に見えてしまうくらいに、重岡さん扮する組長がすごく美味しいところを持っていきまくり(笑)ずるいなあ。相当ふり幅の広い役柄だったのですが、重岡さんはメリハリあって抜群でした。
あと、森木さんがすごくいいなあ、というのが個人的な好みなのかどうなのか。ちゃんと中間管理職らしいほどほどの貫禄とほどほどの小物さ加減が見えたのがすごくいいなあ、と思って楽しかったです。
安村さんは、組長について幸治に言い聞かせるシーンが、それまでのへらへらした感じとのギャップが良くて、これまたいいなあ、と。わりとキーパーソンの一人だったな、と最後のシーンを見たりすると分かるところもお洒落。
あと、来八の小林さんの役は、もう最初に絶対なんかあるんだろうな!という役だったので、これまた素敵でした。

栗山さんが主人公を演じていたのですが、19歳って言われてもそれほど違和感がなくて、雰囲気とか仕草が若いってことなのかな、と思って見てました。自然で率直なお芝居で、それが悩める少年ぶりによくはまっているように見えて、いいなあ、と。
重岡さんのための舞台に見えてしまうくらいに、重岡さん扮する組長がすごく美味しいところを持っていきまくり(笑)ずるいなあ。相当ふり幅の広い役柄だったのですが、重岡さんはメリハリあって抜群でした。
あと、森木さんがすごくいいなあ、というのが個人的な好みなのかどうなのか。ちゃんと中間管理職らしいほどほどの貫禄とほどほどの小物さ加減が見えたのがすごくいいなあ、と思って楽しかったです。
安村さんは、組長について幸治に言い聞かせるシーンが、それまでのへらへらした感じとのギャップが良くて、これまたいいなあ、と。わりとキーパーソンの一人だったな、と最後のシーンを見たりすると分かるところもお洒落。
あと、来八の小林さんの役は、もう最初に絶対なんかあるんだろうな!という役だったので、これまた素敵でした。


そんなところでしょうか。意外な展開にもまんまと騙されて、楽しめました。
それにしても、まんまと結構な頻度で神保町へ行ってしまってます。行き始めるときりが無いなあ(笑)