箱雑記ブログ

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犬の心単独ライブ2DAYS『バババババ』

行ってきました。年に2度のお楽しみ。もうバも5つになってしまったのですね。感無量。前夜祭で押見さんがバの数を指で数えながら告知をしていたこのタイトル。オープニングでスクリーンに映し出されるタイトルを見ている時点ですでにゲシュタルト崩壊を起こしてました。人が5人歩いているように見えてくる。


犬の心ヘビーユーザの私、結局2日間どちらも足を運んでしまったのですが、1日目と2日目で差し替えているネタの数の多さに度肝を抜かれました。何事なのだあれは!短いものもひっくるめたら、2日間のネタ総数19本くらい?そりゃ度肝もたくさん抜かれますって。
押見さんの作り手としての凄みと、池谷さんの演者としての輝きぶりを、ひたすら実感するばかりの2日間でした。やっぱり犬の心は面白いのです。結構見てて分かっているつもりなのに、それでもこうして思い知らされるというのは、ファン冥利に尽きるなあ。
感想をネタバレしつつぎっちり以下に。ちなみに、2日目にファンダンゴTVのカメラが入ってました。放送があるようですので、放送までネタバレしたくない方、もしくは今後ライブでネタを見るのを楽しみにしている方はご注意ください。


※以下はタイトルではなくネタ概要を勝手に書き出したもの
一日目:
・だるまさん
・押見君かっこいい
[ブリッジVTR]会議
・板前
・父と息子
・ゾウ
[ブリッジVTR]楽しいサイトを見つけたよ(the face transformer)池谷編
・オシミマン
NHK集金
[ブリッジVTR]楽しいサイトを見つけたよ(the face transformer)押見編
・ヤスくんとケイコちゃん
・ショートコントを試しましょう(数字は犬の心自己採点)
 *お医者様:0
 *スイカ割り:3
 *ツーリング:5
 *ビリーズ ブート キャンプ:1
 *恐竜博物館:3
 *缶けり:2
 *余命3ヶ月:4
 *(隠しネタ)夏休みの宿題:10
[ブリッジSE]なぞなぞ
・取り調べ
・全日本オシャレ空手選手権
[ブリッジSE]徳川将軍15代
・兄弟
mixi
・風船
・いないいないバー
・銀行の受付
[ブリッジVTR]飛ぶ飛ぶ
・高3の冬


二日目:
・だるまさん
・押見君かっこいい
[ブリッジVTR]会議
・板前
・父と息子
・暇つぶし
[ブリッジVTR]楽しいサイトを見つけたよ(the face transformer)池谷編
・オシミマン
・ひとりぼっち
[ブリッジVTR]楽しいサイトを見つけたよ(the face transformer)押見編
・ヤスくんとケイコちゃん
・ショートコントを試しましょう(数字は犬の心自己採点)
 *ねずみ小僧:6
 *高い:1
 *カラス:4
 *15の夜:6*1
 *目:5*2
 *カーレース:7*3
 *感動のフィナーレ:7
 *(スペシャル)夏の忘れ物:?
[ブリッジSE]アルファベットソング
・ショートコント『飲み物』×4
・全日本オシャレ空手選手権
[ブリッジSE]徳川将軍15代
・兄弟
mixi
・風船
・いないいないバー
・銀行の受付
[ブリッジVTR]飛ぶ飛ぶ
・高3の冬

2日目のエンディングで、押見さんが「2日間来た方は分かると思いますが、ネタが少しずつ違いますね」「もし今後2日間やるとしたら、2日ともチケット取らなきゃだね!」とやらしいことを言っていたので(笑)、あえて違いを書き出してアピールしてみました。


前提というか個人的な話。ここ2、3回の単独を見ていて毎度思うことなのですが、私は犬の心の単独に臨むにあたって、自分の中に設定されたハードルが相当高いのです。無意識なのですが、かなり高いです。少しは下げていくべきかと思うのですが、どうしても高くなってしまいます。それは要するにこの人たちが今までに、私がどうしようもなく期待してしまうだけのものを見せてくれてきたからに他ならないのですが、それだけに、満足するための基準が他のライブと比べて明らかに高いな、といつも思います。ババとバババで受けた衝撃が大きすぎたのがいけない。ちょっとやそっとじゃ「まだまだ上あるんじゃないのかな?」と思ってしまう。嫌な客だなーとしみじみ実感するわけです。
で、1日目を見終わったとき、すごく面白かったけど、でも犬の心ってまだまだいけるよね?という気持ちがあったのも事実でして、たしかアンケートにもそんなようなことを書いた気がします。1日目はお二人がお二人とも終始噛みすぎだったというのも大いにあると思うのですが(笑)、ネタに関しても、もっと高いものを期待してもいいですよね、と。それは次の単独ライブに向けての気持ちだったのですが、まさか次の日に2日目を見に来て実際にもっと高いものを見せてもらえるとは思わなかったので、それでうわーと思ったのでした。
1回見てるしちょっと余裕持って見られるかしらと油断してたら、1日目にはなかったコントがぽんぽん出てくるので、目が回るかと思いました。作られていたネタの数にも、新しいネタのクオリティにも、それを惜しみなく目いっぱい見せてくれる心意気にも、感動と言っては大袈裟だけれど、凄みを感じたのは確かです。


まずもってネタ本数に度肝を抜かれました。1日目、見てて「ちょっとちょっとコントの数とんでもないんじゃ?」と思ってて、後でお友達と確認してみたら短いのひっくるめて16本。16本て!と文字通り叫ぶ勢いです。なんだこの数は!びっくりするしかないです。それでいて、詰め込み感があったわけでもなく、捨てネタ?みたいな印象のものがあるわけでもなく。いや、1日目に関しては若干の物足りなさがあった気がするのも事実なのですが、前半ちょっと停滞してる?と思って油断してたら後半で好きなテイストのネタがぐいぐい出てきて、最終的に高3の冬の長いコントでわーとなって、やっぱりいいよ犬の心!という感じ。
2日目を見てみたら、ネタの差し替えがいくつかあって、私個人としてはそれが見事にうまくはまってたように思えて、それだけでもう、やってくれるなあ、という感じでした。たった1日の間に調整してきてくれてしまうという、その「ネタを見せる」ということへの執着みたいなものが嬉しいし、1日でさらに良いものを見せることが出来るというポテンシャルに驚かされるしで、見てて忙しいったらなかったです(笑)


お話性のあるコントに目がないので、父と息子のコントは無条件で大好き。中盤の展開とかも好みでしょうがないのでした。父が必死っぽいのにどこかのどかなのが妙に好きだった(笑)あと、ああいうどこか孤独でひねてるけど実はまっすぐな子、というキャラが押見さんには似合うんだなあ。似合うというか、上手いのかな。2回見たのですが、オチというか結末を知った上で改めて見ていると、「外に出たら死ぬって言ってんだろ」なんていうさりげない台詞の本当の意味が分かってぞくぞくしました。
最後のコントがずるいのは、きっと犬の心の二人じゃなかったらあそこまでちゃんと面白くならないんだろうな、という点。だって上手いんだもん二人とも。池谷さんとか、男子キャラのときの無駄なかっこよさと女子キャラのときの妙な可愛らしさのギャップが可笑しくてしょうがない。押見さんは苦悩キャラが似合うのは当然として、女子のキャラはあれでいいのか?(笑)何回も告白されてる=可愛いモテキャラのはずだと思うのですが、しゃくれてるわキャラ変てこだわで、どういうことなの、と(笑)今考えると、このコントの中で池谷さんはかっこいいのと気持ち悪いのと怖いのと可愛いのを使い分けてたわけですね。
オシミマンがずるいのは、押見さんがヒーローなんてポジティブ且つアクティブなキャラをやっているという前提と、ヒーローなのに眼鏡かけてる点(笑)ずるいなー。ずるすぎるなー。地域の平和くらいは守る、という身の丈にあったヒーローぶりがまた。1日目と2日目では後半の展開が微妙に違いました。2日目のほうがシンプルだった。あと、「おうちにかーえろ」というと怪人(でしたか?)が復活して、そのときの池谷少年のアチャーっていう顔が妙に好きでした(笑)ピュアなんです。


もしかして一番好きだったかもしれないのが、いないいないバーのあのコントなのですが(笑)何でとかどうしてとかそういうことを考えるのがどうでも良くなるあの馬鹿馬鹿しい空気が大好きです。あれを、本当に赤ちゃんみたいに喜ぶんじゃなくて、ものすごくおかしな気持ち悪い喜び方を押見さんがするのがたまらなく楽しい。
同じくらい好きだったのが兄弟のコント。何あの兄弟。脱力感と浮遊感と奇天烈な感じが相まってすごく面白い。ああいうネタのときの、池谷さんのナチュラルな強引さってものすごくいいなあ。絶対笑ってしまう。
ヤスくんとケイコちゃんのあのネタも好き。空気作るの上手すぎる。最初に裏切られるあの感じが気持ちいいのです。池谷さんの不思議ちゃんキャラはいいなあ。妙にふてぶてしくて(笑)
いやでも、オシャレ空手のインパクトも捨て難いか。結構形としてはよくある形だけど、私はああいう形のコントって何であれ無条件に好きなのでそりゃ笑っちゃうよね、と。逆にやっている二人がどこまで分かっててあの単語を使っていたのかが気になってしまった(笑)全然違うタイプのネタなんだけど、オシャレが題材という一点のみで、ジョビジョバのMonkeyMindでのマギーさんがお人形に語りかけるあのオシャレトークコントを後から思い出しました。あれも面白かったもんなあ。オシャレモノって突き詰めると面白いってことなのかな。或いは題材として意外性のあるポイントなのかも。不思議。
冒頭のコントも好きだったなあ。犬の心の絶対的に説明不足なコントって、毎度のことながらお気に入りなのですが、これってその最たるものかも。
mixiのネタは、いつもの単独で言うとタイトルをつけられない類のものなのかと思ったのですが、しかし内輪ウケだなあ(笑)


あと、ネタとネタがリンクしているというのは、犬の心のライブでは初めて見た気がします。何でもやるなーと思ったのと、こういうオシャレなこともするんだなーと思ったのと。またつなげ方が犬の心らしいのですね。あまりごてごてさせないでシンプルに繋げるだけなのが、また嫌いじゃなかったりする。


最初にも書いたのですが、1日目はどういうわけか二人して噛み倒してて、私は犬の心があれほど噛み倒しながら単独やってるの初めて見ました(笑)負の連鎖反応なのかなんなのか、ショートコントのコーナーでも停滞(笑)2日目は打って変わって好調でして、日によるのかなーとか、1日目しか見られなかった人は無念だろうなーとか、色々思ったりするのですが、逆にあの負の連鎖な1日目があったからこその、あの2日目の出来なのかな、とも思う。難しい。
ところであのショートコントの作者のチョイスは何なんだろう。自薦なのか他薦なのか。オコチャさんはともかく大さんの名前出てきてびっくりした。遠山さん五明さんだけでなく、とうとう最後の砦(と私が勝手に思っていた)大さんまで犬の心ファミリーなのでしょうか。


風船については、今回もありました。先日のひかり荘で、あのネタは押見さんだけが意味を分かっていて、他の誰も分からないところを強引にねじ込んで楽しんでいる、というのを聞いて、ずるいなーと思ったのですが、改めて見て、やっぱりずるいと思った。あれを一人で楽しんでる押見さんがずるい(笑)楽しみは広く共有していただきたい。何かしらの意味が一応はあるらしいと知ってから、私はあれが何なのかを非力にも考え続けて、今では「何らかの比喩なのではないか」という自分でも迷路に迷い込んだなと分かる発想が出たところで停滞中です。
ちなみに今回の風船に貼り付けられていたのは、ブリッジで公開されていた「the face transformer」での写真の数々(笑)


ブリッジは相変わらず面白くて、「飛ぶ飛ぶ」は笑っちゃうのと同時にしくみが気になってしまった。飛ぶ勢いがすごいからゴム使ってるのかと思ったけど、見えないからやっぱり違うかなーとか。本当に色々考えるなーと感心してしまう。
「会議」が地味に好きなのです。一体日々どういう生活をしてどういうこと考えて生きていたらああいう発想が出てくるんだろうか(笑)
SEモノは、「徳川クリステル」に撃沈(笑)


色々書いてたらよく分からなくなってきました。見ている側に優しいコントが多くなってきたのかな、と一瞬思ったのですが、犬の心テイストを16本も立て続けに見ていると、何が普通で何が優しくないのかが分からなくなってくるんです。麻痺してくる。そうすると、ただシンプルに自分の琴線に引っかかるかどうかに意識するだけになるわけで、そういう意味では琴線に触れまくり、でした。
期待を上回る満足度、というわけにはなかなかいかないのですが、それでも犬の心好きでよかったねーなんてことを臆面もなく思ったし、作り手としての押見さんのポテンシャルにまだまだ先があると思えたし、池谷さんのパフォーマンスにはいちいち心を鷲づかみにされました。もちろん、贔屓目も大いにあるような気がしますけれど、それはもうしょうがない、ということにする(笑)


何か書き忘れたような気がしますが、きりがないので自粛します。思い出したら追記する方向で。ファンダンゴの放送もあるみたいですし。ファンダンゴかあ、すごいなあ、なんて帰りに呟きながら帰宅したものです。ずっと長いこと見ているファンというわけじゃ全然ないですけど、そんな私でさえこれだけ感慨深いのだから、古くから応援されている方はそれどころじゃないんだろうなあ。
私がすごく嬉しかったのは、公演後にお会いしたお知り合いが、初めて見た犬の心の単独を絶賛してくださっていたこと。こういうことなんだよなあ、と思って別に関係ないのに大はしゃぎの私は少々大人気なかった。
固定客ゲットです!素晴らしい(笑)

*1:オコチャ作

*2:オコチャ作

*3:佐藤大