箱雑記ブログ

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神保町花月「パパはヒットマン」

見てきました。ハイキングウォーキング班の神保町花月


これ、私嫌いじゃなかったなあ。むしろ結構好きかも。
一生懸命お芝居として作り上げようとして背伸びしてちぐはぐしたりこじんまりとしてしまうよりは、身の丈にあったシンプルなものをただ楽しく、馬鹿馬鹿しく、力技で、みたいな、開き直ったこういう作りの方が、個人的には楽しめるのかもしれない。ただ、これは大いに個人差のある感想だと思いますが(笑)
以下ネタバレ感想。



これ嫌いじゃないな、むしろ結構好きだな、と思った理由は二つ。
そもそも私が、家族もののお話、もっと言うと父と子に関するお話が大好きであるという点と、シンプルな内容で後味がすごく良かった、という点。もう完全に好みの問題です。
見始めて5分くらいで、ああこれは内容がどうとか演技がどうとか細かいことなんて何も考えずにただただ楽しんじゃえばいいのか、と気付けたので、あとはもう下らない展開を楽しむだけで、それですんじゃったのが良かったです。誰が上手いとか下手とかそういう余計な雑念がほとんど沸いてこなかったのは、ある意味凄いと思う(笑)
変に教訓めいた話とかでなかったところも好き。とことん分かりやすくまとめてくれて、それで最終的に有無を言わさずハッピーエンド、というのは私の好きな展開なので、それが良かったのかなーと。
あと、全編通してのナンセンス具合が妙に好きだったのもあります。中盤で色々伏線張ってたから(次男のいじめとか)、どうやって回収するのかなーと思ってたら、全部まとめて強引に最後で回収しきっちゃって、その力技がいっそ爽快だった(笑)
一番盛り上がるシーンの、あのスローのごり押し、あれがなんだか楽しくて(笑)すんごい馬鹿馬鹿しいんですけど、みんなちゃぶ台の上でどういうわけか抜群に良い顔するのが可笑しくてしょうがなかった(笑)体張っちゃうあたりも嫌いじゃないし。
最後の最後のダンスのとこなんて、ちょっとしたカタルシス、というとさすがに大袈裟か(笑)
割と下ネタなんかも多くて、お子さんや家族で見に行くと気まずいかもしれませんが(笑)ハイキングウォーキングのポテンシャルを遺憾なく発揮、と思えばそれはそれ、かもしれません。
もちろん、場面転換の単調さとか、演出が若干もっさり気味に感じたとか、細かい点では気になるところも多かったのですが、そもそもストーリーの作りがシンプルで前向きだから、全部見た後だと、どうでもいいや、とすんなり思える(笑)
悪い人というか、嫌なキャラが誰一人出てこなかったという点も、かなり好みでした。みんながそれぞれ可愛いなあ、という。キャラクターにブレがないって大事なんだな、と再認識です。


あんなにゲスい松田さんが見られるのは貴重ではないかと思いました。新鮮だったー(笑)また男前なので嫌味さ全開なのが良いです。ミクロアドベンチャーだの何だの、下らなすぎる!
Qちゃんは、最終的にああなる熱い男ぶりがぴったり。「俺の女だー!」なんて台詞(口には出してないけれど)があんなに違和感ないなんて、それだけで何か無駄にかっこいいと思えてくるじゃないですか(笑)あのシーンすごい好きだったなー。本当に良い顔するんだ、Qちゃんとエドさん。
そんなエド・はるみさんのお母さん役がすごく好きでした。さすがに上手いというか、それこそもっとネタで見るときみたいな一種のどぎつさ(笑)が見え隠れするのかと思いきや、全然そんなことなくて、可愛くて素敵なお母さんで、いいなーとずっと思ってました。
あとはやっぱり江崎さん。ハマリ役だった!普通に中学生に見えなくもない感じがすごい(笑)中村さんが普段見ないような格好してて、おおーと思いました。ちゃんとかっこよかったなあ。
欲を言えば、もっとエリートヤンキーを見たかったなーと。橘さんなんて、あの役素晴らしくはまっていたと思いますが(笑)、それだけにもうちょっと見てみたい。


余談ですが、終演後のロビーが大撮影会になってて、お祭りみたいな賑やかさで、劇場を出ながら笑ってしまいました。こんなところまで、それぞれの班の個性が出るのが面白い。お見送りのハイキングウォーキング班と、次回公演の宣伝をしにきたカナリア班がごっちゃごちゃになってて、なにやら混沌としてました(笑)座長カナリア自ら宣伝活動ってのも豪華。
ピース班以降、出演者のお見送りが恒例になったのかな?これはこれで楽しいのですが、私は場合によってはカーテンコール終わってから余韻を楽しみたい気持ちもあったりするので、あれが恒例になると公演によってはもったいないなーとか思ってしまうのですがどうでしょう。


というわけで、次はカナリア班。結局結構なスパンで神保町に行ってしまっているなあ・・・。