箱雑記ブログ

色々まとめています

レ・ミゼラブル

早くも人生2回目のレミゼを見てきました。誘ってくれたお友達ありがとう。以下相変わらず素人丸出しの感想。
ちなみに、ジャベール役の阿部さんと、テナルディエ役の安崎さんとマダム・テナルディエ役の田中さんが、この日で東京千秋楽だったそうで、最後にごあいさつを見ることができました。なんだかお得、と思うと同時に、こんな新参者がそんな貴重な舞台に立ち合わせていただいてすみません、という気持ちに。特別な時間に居合わせることが出来るのは本当に光栄でした。



前回見たときと、まずキャストが全員違うのと、最初に見てから結構時間が立っているのとがポイントだったような。
どうやら6月に見たときと比べて、全体的に音響が大きめに設定されていた模様。1幕の最後とか、みんなで大合唱するところの迫力がすごくて、うわーとなりました。


それにしても、キャストが違うだけでこうも違うものかと驚きました。特にマリウス。私が前回、山崎さんの王子様マリウスが楽しい楽しいと言っていたため、友人が山崎さんのマリウスと一番対極にありそうな藤岡さんのマリウスの日をあえて勧めてくれたそうですが、本当に本当に全然違ってびっくりです。藤岡さんのマリウスは戦士!って感じ。コゼットにも夢中だけれど、それ以上に闘争に身を投じて戦う姿や、死んでしまった仲間を思って歌う姿が様になる、男らしいマリウス。声が重厚感ある印象なのも大きいみたいです。体もがっしりして見えたけど実際はどうなのか。山崎さんのマリウスはすごく繊細で優しいイメージが先行する王子様マリウスだったので、違いに驚くしかなかったです。レミゼ本当に奥が深い。


バルジャンは別所さん。すごーくよかったです。1幕の頭、バルジャンが心を入れ替えるシーンで、まだ1幕の頭なのにジーンとしている自分に気付いて、こんなところで早々と泣きそうになってていいのか!?と我ながら慌てたものですが、友人によるとそれでいいらしいので、ほっとしました(笑)ひとつのシーンごとの演技が細かいし、表情も(2階席なのでよくは見えないのですが)痛々しいほどに苦悩や切実さを表しているように見えたし、息遣いや仕草のひとつひとつに感情が垣間見えるのがすごくいいなあと思いました。
あと、聞くところによると別所さんは今回のバルジャンの中では演技よりのかたで、歌はちょっと弱いらしい、という話を耳にしていたのですが、私が見た限りでは全然そんな風に思えないくらい、めちゃくちゃお上手だったと思うのです。「彼を帰して」での繊細な感じとかも大好きだったし、それこそ上にも書いた1部頭の心を入れ替えるシーンの歌とか、すごく良かったんだよなあ。
これで歌が弱いと言われるって、レミゼの世界ってすごすぎる、と素直に思いました。だとしたら、「一度は聞いてみた方がいい」と言われる山口さんとか、いったいどんだけなんだろう、と気になってしょうがないです。もはや想像もつかない。


私の好きなエポニーヌ、今回は笹本さん。これがまたすごく素敵でした!「On My Own」素晴らしかったー。みすぼらしい中にも凛としたたたずまいがあって、一途過ぎる気持ちもあふれまくり、報われなさが全編通して炸裂しているのが見ていて本当に辛いのです。もう、マリウスばか!なんてことを思ってしまう(笑)やっぱりエポニーヌは切ないです。死に際の「恵みの雨」でまたもや泣きました。
そういえば、役者さんが違うことでの役の違いって、マリウスがダントツで感じまして、バルジャンもエポニーヌも違ったけれど、マリウスの違いっぷりは凄かった(もちろん友人が両極をあえて見せてくれたというのも大いにあるはず)そう考えると、マリウスという役が一番いろんなタイプでの解釈や演じ分けの余地がある役なのかな、と勝手な想像をしてみました。


あと、ジャベール役の阿部さんが素晴らしく良くて、バルジャンvsジャベールのシーンはどれもものすごい緊迫感で、どきどきしながら見てました。迫力あるし、重厚だし、死に際の苦悩と爆発ぶりは本当に胸に迫る勢い。
テナルディエ役の安崎さん、テナルディエなのに声が透き通るようだしうまいし、なんだったらちょっとかっこいい、なんて思って見てたら、以前はマリウス役をされていた、と聞いて納得。マリウス役からテナルディエ役への転身は初の偉業だそうで(笑)だから、初めてみたテナルディエよりも、どこか凄味を感じるテナルディエでした。地下水路?のシーンとか、軽いタッチの中にどこか暗さが潜んでいる感じで。
コゼットは菊地さん、すごくかわいらしかったー。それにしてもコゼットの歌う高音が美しいので惚れ惚れします。あれが出ないとコゼット役はできないんだな、と思うと大変だなあ。
どうでもいいですが、いやよくないかもしれませんが、マリウスとコゼットが恋に落ちる瞬間、あのシーンが妙に好きです。
妙に好きといえば、「On My Own」の直後エポニーヌがコートを綺麗に翻して駆けていく瞬間も好きです。


あと、2回目だと若干見る気持ちに余裕が出てきて、細かいところを追えるようになった、気がする。そんな2回目に別所さんのバルジャンを見たというのは、私はラッキーだったのかも。
それから、改めて見ててしみじみ思ったのが、やっぱり音楽が良い!ということ。ファンテーヌのソロからずっと使われてるあのメロディが好き過ぎます。曲が良いというのは大事なんだなーというのは、バレエを見ても思うことなのですが、ここでもしみじみ感じました。


しかし別キャストを見たりすると、じゃああの人はどうなの、という興味も出てくるし、逆にもう一回あの人見てみたいな、なんてのも出てくるし、なんだかアリ地獄の様相・・・どうしろと!
とりあえず、もう一回くらい、橋本さんのバルジャンと、山崎さんのマリウスを見てみたい。見てみたいけれど、この先8月にそんな余裕があるのかどうか。