麒麟単独ライブ『麒々麟々』

1年ぶりの麒麟単独ライブに行ってきました。
中野の大きなホール。1000人以上入る会場だったらしい。
見やすいホールだったんですけど、音響がちょっとよくなかったのかな。声が少し聞き取りづらかったのが残念。

長めのコントが4本と、漫才が1本。合間のブリッジも長め。
そうでした、麒麟の単独は長くなるんですよね。麒麟と笑い飯と品川庄司の単独は、終わりの時間が読めない単独の代表（笑）

とりあえず、1本目のドラクエのコントが、生粋のドラクエ世代である私にスマッシュヒット。関連用語が勇者の口から出てくるたびにツボつつかれて肩振るわせっぱなし。
勇者が部屋の中に前触れもなく入ってきた瞬間、もう大笑いでした。この部屋タンスあるよ！って思ったら最後、もう笑いが止まらない。
そうだよね、ドラクエの勇者って、とりあえず無断で人の家に入ってきて、無断でタンスを調べるよね！（笑）ツボとクローゼットもあったら完璧だった。
テーブルの上のナベも、おなべのふたへの伏線だと気付いたときにはやられたーって。
タンスにメダルが入ってたのもたまらない。ちいさなメダルに目の色変える勇者が他人に思えない（笑）
麒麟て、何気にこういうツボを外さないよなあ・・・しゅっとしてるようで、実はマニア寄りというか。世代が一緒なのも大いにあるとは思うのですが、可笑しかったなあ。さらっとアストロンとか出てくる川島さんはさすがゲーマーというところか（笑）
使われてた曲がひととおりドラクエ3のものだと分かった私も自分でどうかと思いましたが。ドラクエ3は初めてクリアしたゲームなので思い入れが人一倍なのです。

「走馬灯」は、設定が麒麟ぽいなあと。今回のネタみんな麒麟らしい設定だったとは思うのですが、結構麒麟は死後の世界とか死神とかそういう題材多いですよね。気のせいかな。
これはとにかくブリジットジョーンズな田村さんにやられた。おかしすぎる。

「カップル」については、私どんな芸人さんのコントでも、バカップルネタって弱いんだよなあ。何故だろう。（チャイマのコントで私的一番は「バカップル」です）
川島さんの女装って意外だったんですけど、あの似合わなさは何事（笑）似合わない上に少しも可愛くない。すごい。その上長い髪で顔が一切見えない。気持ち悪さ倍増。
一応女の子のはずなのに、口調が普段とまったく変わらないのもすごかった。立ち振る舞いも異様に男らしい。リアクションもおっさんみたい。でも彼氏のこと大好き。何この変な女！（笑）
あれだけの単純な設定と展開に、こんな強烈なキャラ付けをなぜわざわざする必要があるのだろう（笑）
そんな彼女に気を取られていると、一見普通に見える彼氏がまたちょっと脳が沸騰しているということに気付いて、これまたびっくりするという。

最後の「教祖誕生」は、ダイアンと天津がゲスト参加での合同コント。
シニカルな展開なのに悲壮感がまったくないのは、単純にわちゃわちゃやってる男子中学生ノリが崩れないからだろうか。一番悲惨なはずの津田さんが、その悲惨ぶりすらも面白すぎたのが原因かもしれない（笑）津田さんは小者を演じさせたら天才的です。
向さんの台詞から仕草から何から何までも、マンガのベタな女の子キャラ丸写しだったのに大笑い。出展が全部昭和の少女漫画ではないですか（笑）（それとも今はあのベタな女子キャラこそが萌えキャラだということなのだろうか。オタクの世界は深い）演技とかでなく見事ななりきりぶりがとにかくヒットでした。
川島さんは、いんちき教祖似合いすぎ。田村さんは、正義感溢れる刑事役が似合いすぎ。西澤さんの表情の乏しい幹部役もはまり役だったし、木村さんは・・・まあいいや（笑）

漫才はシンプルでコンパクト。
麒麟漫才でよくある形のものだったから、新鮮さには乏しかったかもしれないけれど、安定感はやっぱり抜群だなあとしみじみ思いました。
麒麟のコントはとても好きなんですけど、漫才やってる麒麟を見ると、不思議とホームだなあと思います。

ブリッジは、帰ってきた嵯峨野川島流に加えて、サイクリングリサイタルのカラオケPV（チープさ加減が絶妙）と、出ました生野田村流の紹介ビデオ。
いいの？それでいいの田村さん！と声をあげたくなるような、ある意味涙を禁じえないような作法の数々・・・（笑）もちろん面白いんですけど、田村さんの今後の人生に支障は？とか、プライド的なものが傷ついたりは？とか思いつつ・・・でもまあ、田村さんが楽しそうだからいいのか。

1年前の単独を見たときも思ったのですが、今回もライブ終わって「いい時間だったなあ」としみじみ思いました。いいものを見たなあとほっこりしてしまう。
お笑いの単独ライブを見た後でこういう気分になるのって、あんまり記憶にないんですが、なんだろうなあ、不思議。そういう意味では、得がたい瞬間を与えてくれる芸人さんなのだと思います。

しかし長いコントが多かったなー（笑）あれ、コンパクトにするのは駄目なんだろうか。やっぱりあれくらいみっちりやらないとあの独特の空気は出ないのか。
あと、ドラクエのBGMとか、薬の名前とか、映像化したら著作権に触れそうなネタがあるなーと思って見てたら、DVD化は無いらしいと聞いてなるほど、と。そういう面倒なことを気にせず作ったネタがあれらだったと、そういうわけですね。
でも、あの気持ちの悪い彼女の表情が貞子ばりの髪で見えなかったから、あれだけでも映像化して欲しいなー（笑）