箱雑記ブログ

色々まとめています

ガッツ第3回公演

少し前のことですが、ガッツの第3回公演を見てきました。

ローソンの冊子で、今回は前回のオムニバス的な流れではなく1本のお話になる、と押見さんが言っていたので、どんな風になるのかなーと思って見に行ってみましたが、なるほどこうくるかーと。

上の世界(=現世)と下の世界(=あの世)との2つの世界でのお話。
下の世界で、人間となって生まれ変わって上の世界でも一緒にいようと約束した二人のすれ違いの切ないお話、と簡単に言ってしまうのはもったいないかな。そこにいろんな人の人生とか、思いとかが入り込んでお話がどっしりと重みが出て。
細かい伏線が色々とあって、それは伏線としての役割だけ見るなら少し甘くて先が読めるというのもあるのだけれど、先が読めることそのものよりも、そうして読めてしまう先の切なさとかやるせなさとかがぐっと胸に迫るような、そんなお話でした。
世界観も独特で面白かったけど、展開もよかったなあ。
強いて物足りないところをあげるとしたら、ガッツとしての個性の在り処かなあ。笑いのフレーズは犬の心というか押見さんらしくて独特なんだけど、お話やそれを彩る台詞における個性を、もっと感じられたら素晴らしいなあ、と思ったりしました。一番難しい点だとは思うのですが(そう考えるとやっぱりオトメメンというか家城さんて偉大だなあと思う)
あ、気になった点というか、ヤクザさんのお話だったなあと。以前NEXT GENERATIONのユニットコント時の『PINK』も、あれヤクザさんが出てくるお話でしたよね。ラスボスもヤクザさんで、その中で寡黙にしてかっこよすぎる役を五明さんがやっていたなあ。思えば押見さん作のお芝居(というかあれはユニットコントでしたが)で一番好きだったの、あれだったかも。

とにかく、池谷さんと五明さんが圧巻。池谷さんが素晴らしいのは過去の実績からして予想の範疇だったんですけど、五明さんはやっぱりすごいなあ。体が大きいから舞台栄えするし、細かいところまで血が通ってる感じですごいわーとしみじみ思ったものです。
池谷さんて本当に、パフォーマーとしてこんなに見てて信頼できる人もなかなかいないよなあと思います。
あとは箕輪はるかが素敵すぎました(笑)あの人、ナース姿似合い過ぎ。いわゆるきゅんとなる感じではなく、血管に空気を入れそうな魔のナースの迫力。大好きだよーあんなの。
ハリセンボンは二人とも本当に個性あふれて芸達者で素敵です。惚れ惚れしてしまう。お芝居の間、近藤さんが愛しくてね!
ミルククラウンの二人も安心して見られたし、遠山さんは場を引き締める唯一と言ってもいい役割を無駄なくこなしてたし、大さんは・・・大さんは、いつもどおりだった(笑)なんでガッツの大さんは、「ウザイけど許せる」というラインを1歩分くらい絶妙に踏み外した腹立たしいキャラを保てるのだろう(笑)
グランジ3人の独壇場=カメレオンは最高でした。一番笑った(笑)本当にあの人たちはどうかと思うな!まともな人が一人くらいいたっていいじゃない!(笑)
合間に出てきた、スペシャルゲストというかなんというか、5GAP秋山さんにびっくり。あの役、本来なら押見さんがやってたらしいですね。千秋楽だけ特別に、楽屋に遊びにきていた秋山さんを驚かせようと、本番30分前に台詞を覚えこませた、とはエンディングでの押見さん談。鬼です(笑)押見さんがやってたバージョンも見たかったなあ。

次回はまだ決まっていないそうですが、個人的には2回目よりも押見さんの「伝えたいもの」の欠片みたいなものを感じられたような気がして、いい意味での伸びしろを感じることが出来たので、ぜひ次回もあってほしいです。