箱雑記ブログ

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犬の心単独ライブ『バババ』

夏の単独ライブの中で、ひょっとしたら1、2を争うほど楽しみだったかもしれない、犬の心の単独ライブに今回も行ってきました。

以下、コントタイトルは便宜上つけたものです。

1. セミと虫取り
[オープニング]犬の心 バババ の文字のみ
2. 先輩の彼女
[ブリッジ](VTR)プロポーズ
3. 山姥
[ブリッジ](VTR)転がり歌
4. 押見空手
[ブリッジ](SE)しりとり
5. ショートコントをためしてしてみましょう(だっけ?)
 ・返して
 ・観音開き
 ・必殺サーブ
 ・結婚式のスピーチ
 ・ホームルーム
 ・ジダン
 ・催眠術
 ・天才バカ
 ・いないいないバー
 ・まつり
 (順不同)
[ブリッジ](VTR)ロケット
6. 劇団最悪
[??]風船×2に二人の顔
7. (説明不能
[ブリッジ](VTR)ボロボロ
8. 太郎と花子
[エンディング]犬の心 バババ 文字のみ
エンドトークガリットチュウ単独の告知(笑)

やっぱり犬の心は見ておかないと駄目だって!
これだけのコント師がいるんだから、と声を大にして訴えたい(笑)

前回私は犬の心の単独を手放しで絶賛したのですが、今回もやっぱり絶賛します。本当に面白い!
彼ららしい色は損なわれることのないまま、ひょっとすると前回よりも少しばかり優しい設定のコントが増えたかな?優しいというか、分かりやすいというか。前回より池谷さんと押見さんのコント上での役割がかなり明確になっていたような気もする。
前回はわりと全てのコントがそれぞれ色が違う印象でしたが、今回は振り切れるベクトルが左右に極端に振れていたような感じかなあ。2とか4は、設定は違うんだけど流れが似てるかな?と思いながら見てて、かと思えば冒頭のコントはちょっと、突き抜けすぎていた(笑)あんなの大好きです。
前回との比較なんて軽くしてみましたが、どっちが好みかはあまり問題ではなくて、結局は今回も本当によく笑って満足だったというだけのことです。この充実度はなかなかないと思うんだけど、どうだろう。
何より、7つ目の説明不能のコントが・・・もう本当に不条理というか脈略がなさすぎてたまりませんでした。犬の心を見てる!と肌で感じた時間。
一発ギャグを試したり、ショートコントっぽかったり、歌ったり小刻みに動いたり、平井堅だったり(笑)とにかく脈略がない。理由もないし説明もない。でもそれが心底面白かったです。本当に、どうかしてると思うよあんなのを見ると(笑)(そしてそんなコントで絶えず爆笑の客席も素敵)

7以外のコントは、割とちゃんとしているものが多くて、おさまりのいいコントが結構あったような気がします、が、とはいえ、そこは犬の心ですから(笑)
たとえば6本目の劇団最悪は、相当に好きでした。池谷さんの突き抜けた揺ぎ無い適正のなさ(日本語がおかしいなあ、でもこんな感じなんです)も凄いし、その彼の前ではちょっとマトモに見えるはずの押見さんの役も、大前提はそれってどうなのというキャラクターだったり。
絡まり方が二重三重なコントが立て続けに披露されると、見てるこっちの感覚が麻痺してくるのかも。普通に見えてくるんですよ。恐ろしいことに(笑)
冷静になって、これを書きながら思い出してみると、別にどれもこれもおさまり良くないし全然ちゃんとしてなかったような気がする。何だろう、この目くらましぶり。
そうでした、1本目のコントなんて、思い出したらおかしいことこの上なかったのでした。成人男性が力いっぱいセミの鳴き声を模写しているライブ冒頭ってどうなのか。

何をやっても、どんな格好をしてどんな展開を演じていても、ベタだろうが不条理だろうが、何故か世界観が一貫しているところが好きなのです。
カリカもそうだなあ。空気を作れるコント師は、どんな種類のコントをやってても、彼らの独特の空気が必ずその場にあると感じられて、深みが増す。たとえわけの分からない支離滅裂なことを羅列していても(笑)そこには、彼らの世界の一部分に触れている、と思わせてくれる、説得力みたいなものを感じられる気がするわけです。
衣装もセットも小道具もほぼなしのシンプルな舞台だけに、あれだけの濃度の高いコント群は余計に映えますよね、そりゃあね。
この感じは、実はそう簡単に得られるものではなくて、でも私はこれが大好きなので、この感じを与えてくれるコント師には滅法弱いです。犬の心は、その最たるコンビのひとつ。

余計な言葉をこねくり回して色々感想を述べて見ましたが、結局何が言いたいのかというと、やっぱり犬の心は絶対に見ておいた方がいいと思うなあ、と(笑)
絶対に、です。断言です。
これをほったらかしにしておくのはどうかしてるよ!と前回の単独時に散々喚いていたのですが、これはやっぱり、今後もちゃんと言い続けていく方向で。

ショートコントを作るコーナーは、以前「バ」でもやっていたので、妙に懐かしかった。
ここで一番高い点で選ばれたショートコントが、単独以外の舞台で高い点をたたき出す確率は、実は2分の1くらいだったような気がする・・・「影武者」とか(笑)
今回一番高得点だったのは「催眠術」。きっと今後どこかで披露されるはず。個人的には「まつり」も好きだったけど。
内容もそうですが、私は、ショートコントのタイトルを選んで、じゃあこれをやりましょう、となってから、実際に「ショートコント・○○」とタイトルを言ってネタに入るまでに、結構な間をとっている押見さんに、なんとなく釘付けでした。
あれって、コントにちゃんと入るための自分の心の準備、みたいなものかな、というのは深読みしすぎ?さらっとコントに入っていけない、みたいな感じが、とっても押見さんらしいなあ、と思ったのだけれど。
逆に池谷さんは、淡々と、ひょいっとコントに入っていけちゃう印象。作り手と表現者の違いかなあ、なんてことも、多分深読みだとは思いつつも、考えていたのでした。

次の単独はいつになるかな。
アンケートに、今後の犬の心に望むことは?という項目があったのですが、とりあえずコントをやっててください、としか書けませんでした(笑)
トークもゲームも見たいかと言われたらそりゃあ見たいんですけど、コントが見られるんだったら、トークやゲームは別に見られなくてもたいしたことじゃないです。
いいコントをたくさん見たいです。今度予定されてるオールナイトライブも、なんだったら半分くらいコントやってて欲しいくらい。

というわけで、次の単独も楽しみに。
そうそう、押見さんは今回も、エンドトークでは「またお足元をお運びになってください」になってました。
もういっそ犬の心のお約束にしちゃえばいいと思う(笑)