箱雑記ブログ

色々まとめています

本読んでます。

後で自分が何を読んでたか見返すために(同じ本を買わないように)メモしておこうと思っていたのに、全然書けてませんでした。

『図書館の海』恩田陸
痴人の愛谷崎潤一郎
『麦の海に沈む果実』恩田陸
『SPEED』金城一紀
黒龍の棺(上)』北方謙三[文庫]
『死神の精度』伊坂幸太郎
博士の愛した数式小川洋子[文庫]
模倣犯(1)〜(3)』宮部みゆき
『扉は閉ざされたまま』石持浅海
誘拐ラプソディー荻原浩

忘れているのもありそうです。もう感想もひとつひとつ書くのが覚束ない。

恩田は個人的には何気にあたりハズレがありそう。
『麦の海に沈む果実』は個人的にはいまいち。
恩田で今までで一番よかったのは、『光の帝国』と『ネバーランド』かなあ。

痴人の愛』は、たまたまワイ!ワイ!ワイ!の又吉さんの文学コーナーで取り上げられていたのと、好きな漫画でオマージュとされていたのが同じ時期で、こりゃ読むタイミングだな、と思って読んだ初谷崎です。
文学のエロってもっと奥ゆかしいと思っていたのに、案外あからさまでびっくりした(笑)この内容がずっと昔に発表されてたんだとしたら、さぞかし衝撃的だったろうなあ。内容もよくよく考えたら相当倒錯してるもの。
ただ、あの時代の口語というのはとても素敵です。ナオミの喋り口調とか、憎たらしいんだけどモダンでいいなあと思う。

金城一紀にハズレなし。
もう泣いた泣いた。しかも今回は、いつもの男子高校生と同年代の女子高生が主人公。
思い当たることがありすぎて、展開は素敵すぎて、でも切なくて、気持ちよくて、たまりません。
10代後半の時期、男子の伸びやかさとか自由さや奔放さに悔しいくらい憧れてやまない気持ちを覚えている女の子は、絶対に読むべき(笑)

黒龍の棺』と『博士の愛した数式』は再読。
博士の愛した数式』は会社帰りの電車の中で結局泣いた。
映画楽しみだなあ。

『死神の精度』やっぱり伊坂本はとても好き。
オムニバスの短編、最初の話のトリックがよめてしまった私は、多分学生時代だったら絶対に気付かなかっただろうなあと思って苦笑い。簡単に騙される頭を失ってしまったのが悔しい。
でも最後まで読んでるとそんなのどうでもよくなる。これも凄くいい。

模倣犯』の文庫がやっと出た!と思って3冊まとめて買って一気に読んだのに、なんと全5巻と分かって呆然。
全3巻だと思ってたから一気に読んだんですよー!しかもあそこで終わってるなんて生殺しだ。どうりで展開が足りないと思った。3巻の最後に「4へつづく」の一文を見て、素で電車の中でひっくり返りそうになった。
4・5巻が出るのは今月末だそうです。・・・いつだそれは。
理由なき殺人の理不尽さとか、純粋な悪の姿とか、書き込まれすぎててリアルすぎて本当にしんどいのに、どんどん読み進めてしまえるのは、先が気になる以上に事件のバックグラウンドの詳細さが見事だからだろうなあ。
しかも最近現実世界でいろんな事件がありすぎて、リアルタイムでの感覚のリンクぶりが凄まじくて、そこへきてのあのディテールに、ちょっと作り物だという意識が遠のいてしまう。恐ろしい磁力だなあ、この本。

このミステリーがすごい!2006年度版』が出ましたですね。
相変わらず上位のタイトルはことごとくハードカバー大作ばかりで、電車内が読書スペースである私にとっては持ち運びができないという理由ですぐには買えないのですが、唯一上位で未読のタイトルで、ソフトカバーだったのが『扉は閉ざされたまま』。
久々に狭義のミステリと言われるものを読みました。いわゆる本格と呼ばれる推理ものを読み漁らなくなってから久しくなりましたが、おかげさまで、いわゆる本格推理におけるストーリーと会話の展開を読むことにブランクを感じました。
本格推理であるがための展開というのはあるんですね。やっぱりいわゆる一般的なストーリー物と本格推理とでは、明らかに違いがある。本格推理専用の展開というか。それが不自然に感じてしまうくらい、私にはブランクがあったんだなあ。
高校生の頃は本格推理しか読んでなかった時期もあったのに。
そんな違和感を感じてても一気に読み進めてしまったのは、やっぱりこの本が面白かったからだろうな。でも、この本に限らずやっぱり本格推理って人物描写が極端になりがちで、その分トリックを際立たせてる。本当にパズルを本にしたみたい。
もっとも、それを味気ないと取るかクールで隙がないと取るかは読む側の好みとしか。

誘拐ラプソディー』は今更だなーと思ったけど、これは良かった!
もともと大人と子供の話には目が無い私なので、設定がまず好みだったし、大人と子供の交流も淡々と自然で、なのに気付いたらすっかり結びつきが強くなってる。
とことん駄目な大人が、生まれ変わろうと思えるまでの展開や心境も、無理がないし違和感もないし、何より説教臭くない!(←重要)
小さな笑いもあるし、気持ちのいい逆転もあるし、ドタバタもあれば意外な展開もあって、もう大満足。会社に行くまでの電車の中で泣く。
ひょっとしたら今まで読んだ荻原浩で一番好きかも。

しかし、このミスを見て初めて知ったよ、藤原伊織の新刊が出ていたことを。
そういえば原りょう(漢字が変換できない)も新刊出してたんですね。
『さらば長き眠り』と『ひまわりの祝祭』を読んでいないことを思い出した。次はここらへんかな。
ハードボイルド嫌いじゃないです(笑)