箱雑記ブログ

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シルヴィ・ギエム 最後のボレロ

見てきました、シルヴィ・ギエムを。
4階席からでしたが、見てきましたよ、ギエムのボレロを!

ボレロって生で見るのは2回目で、しかも1回目が小学生のときのジョルジュ・ドンだったので、記憶もおぼろげ(もったいない)
プログラムによると、ボレロという演目は、メロディを踊るダンサーごとにその色を変える、ということらしく、たとえばそれは教祖と熱狂的な信者になったり、魅惑の女と彼女におぼれる男たちになったりと様々らしいのですね。
で、じゃあギエムのボレロはどうだったろう、と考えたところ、何かにたとえたり演出があるというよりは、ギエムはギエムでしたよ、と。ギエムという人間の生のカリスマでもって場を支配するボレロだった、という印象。
精密機械のような正確なステップや、情緒性や感情表現よりも無機質で圧倒的な存在感あたりが、ギエムらしいというか。
プログラムもモダンなものが多かったから、余計に感情表現的な部分よりも肉体と生命の美、みたいな印象が全体的にあったけど、それってでもまさしくボレロだよなーと思うわけで。

私はバレエを見ていて、ステージで踊るバレリーナを見ている自分の筋肉が無意識に震えたり跳ねたりするなんて初めてで、4階席にいてそれだけの圧倒的な力を感じさせるギエムの凄まじさに涙が出てきた。人間衝撃だけで泣けるものなんだなあ。
ボレロを踊る中で、あの長い髪を両手でかき上げたりする瞬間ですら美しくてなんらかのイメージを湧かせてしまう存在感。
全部ひっくるめて人間じゃないみたいだった。
見ることが出来てよかった。後悔しないですみました。一生ものです。
できればもう一回くらい見たいなあ(笑)

ギエムもすごかったけど、やっぱりベジャールってすごいんだなあと実感。
ボレロは曲そのものが卑怯な曲だけど、それにベジャールの演出が加わるとさらに卑怯になる(笑)ずるすぎる!
赤い円卓、舞台を縁取る赤い椅子。中央にメロディ、それを取り囲むリズム。
うーん、ずるい(笑)ベジャールずるい。凄い人だ。
そんな当たり前のことを改めて思ったりしました。年を経て初めて分かるベジャールの凄み。

そうそう、上野水香も見れました。出てたんですよ、ドン・ジョバンニに。ラッキー。
4階席だから顔なんてひとつも見分けつきませんが、一発で分かる。他と全然違う、足が。足が。
で、今度は来年に上野水香ボレロをやるらしいので、それも見に行きたいなーと姉と話してました。
いろんな人のボレロを見て見比べるのがきっと楽しい。

今回もいつものように姉と見に行ったわけですが。
このあと新宿でM-1の予選を見に行くの、と姉にもらしたところ、「何その落差」「私には無理だわ」と呆れられました(苦笑)
しょうがないじゃないか、日は被ったのに時間は被らないんだもの!