箱雑記ブログ

色々まとめています

世界シュール演芸

18時半開演は厳しいです厳しすぎます。というわけで久々にライブ遅刻をしてしまってオープニングをほぼ見ることが出来なかったため、レポ的なものは自粛。全編通して他では感じられない空気が満載でした。以下感想。



一体何をするのか、それこそキワモノ演芸みたいにネタ対決みたいなことをしていくのかしら、と漠然と予想していたことが見事に当たらず、別に慌てることもないのに慌ててしまいました。
最初の1時間ちょっとをトークで費やし、後半1時間をネタで費やすという流れ。


トークはMCが家城さんで、トークテーマは「風邪の治し方」「道に迷ったときの話」。要するにシュールなトーク(会話が突如としてぶっとんでみたり、常識的な感覚が通用しないような展開)を参加者がしていく、という内容だったのですが、トークでシュールを飼いならすのは相当皆さん苦心されていたようです。考えてみると、カリカにしろライスにしろしずるにしろ、シュールと呼ばれているのはネタがそれっぽいとされているからだと思うのですが、どなたもネタについては「シュールなネタ」を意識して作っているわけじゃないけれど、やってることがシュールと言われる、と言ってますもんね。対してこのトークって、意識してシュールを演じなくてはならなかったわけで、それはコントがシュールと呼ばれることとは実は似て非なるものなのかも、なんてことを思って見てました。みんなシュールって何ぞやってよく言ってるくらいですもんね。気付けばシュールになってしまうネタと、シュールを構築しなくちゃならないトーク。実は二律背反だったしりて。加えて、トークには瞬発力も必要になってくるしなあ。考えてみたら難しくて当然かな、と。あと、シュールの一番手であるべき家城さんがMCに回ってしまったのも、惜しいといえば惜しい気がしました。
訳の分からないことや捻ったこと、予想のつかないことを言うというだけなら、皆さん抜群だったのですが、それが笑いに結びつくというのが難しいのかな、と。おかげでトークの時間は終始なかなか感じることのないおかしな空気で、それはそれで無性に楽しかったのですが(笑)
そんな中でも、ノブシコブシ徳井さんのトークにおける立ち振る舞いは何やら凄かったです。あまりにも自然なんです、訳の分からないことを言っている様子が。自然すぎて、徳井さん本当にそんなこと考えてるんじゃ・・・なんてことを一瞬でも思わせてくれるというのが凄い。「風邪の治し方」での「小熊を連れてきて将棋を一局指す」「将棋の勝ち負けで今年のニシンの取れ方が分かるんです」というのは・・・聴いててぞわぞわするほど楽しかったです。ぶっ飛んでる上に、拾ってくる単語やら状況やらが異様に面白い。
それはライスの田所さんもそうで、田所さんもやたらと面白かった・・・。「しっぽが3つあります」「そのうちのひとつはうちにありますけどね」の後でにっこり笑ったりするあたりが最高(笑)妙にしっくりくる振り切れ方で。逆に相方の関町さんは、やることが枠にとどまらない感じでものすごいインパクトでした。トークの途中で前触れもなく立ち上がって、家城さんに何やら耳打ちすると、無言のまま袖にはけていって、家城さんによると「作りかけのポトフの様子を見に行った」ときた。思い切りが良すぎる!(笑)しばらくしてまたも前触れなく戻ってきて、「ポトフどうだった?」と聞かれて「元気でした」と答えるあたりもさすがというか何というか。
徳井さんの自然さとはまたベクトルの違う自然さで終始ぶっ飛んでいたのが池田さんで、「道に迷ったときの話」にて、「富士の樹海で迷ったときに腸を引っ張り出して目印にしたが結局迷って腸で首つって死んじゃいました」「車で迷ったときはガソリンタンクの蓋をあけて走って、後で火をつけると帰り道が分かるけれど、車が爆発して死んじゃいました」なんて話をぺらぺらと・・・。あの人はどうかしてるんでしょうかやっぱり(笑)このあたりのテイストが、スープホワイトの女子高生コントやら、スープスペシャルのヤクシボやらに通じるものがある気がしましたがどうかな。あと、やたらと目についたのが、他の人のシュールトークを聞いてるときに、頷きながら見たことないような笑顔になっている様。家城さんにも指摘されてましたが。何を思っていたらあんなに楽しくてたまらない!みたいな無邪気な笑顔があんな話を聞きながらできるんだろう・・・。
キートンさんは発言回数こそ多い印象はなかったけれど、要所要所はおさえてくる感じがさすが。Q太郎さんは手数が多かったなあ。熊谷さんも多かったけれど、熊谷さんのはやっぱり何かジャンルが違う気がしました(笑)すごく面白いんですけど、なんか違う(笑)村上さんは、「道に迷ったときの話」での「最後は護国寺駅にたどり着けばみんな帰れる」という護国寺トークでやられました。あれであの後護国寺の流れが出来ちゃって、ほんとに楽しかった。お野菜太郎氏は、普段と変わらないテンションでふわふわとおかしなことを言ってた印象です。


後半のネタは、ほとんどが見たことのないネタ(新ネタも多かったのかな)で、それぞれがやっぱり何らかのメーターが振り切れたネタをやっていて、楽しかったです。私がこの手のネタが好きなのって、要するに予想がつきにくいからで、意外性好きの琴線がやたらとふれるからかもしれません。
カリカのコントを見るのは本当に久しぶりだったのですが、見たことないネタだったから、まさか新ネタ?と思っていたら、家城さんのブログを見るとどうやら本当に新ネタだったようで・・・びっくりです。相当面白かったです。私あんなの大好きです。もう一回見たいなあ。あれって家城さんは何のクローンだったんだろう。あるいはクローンではなかったのか。どなたかついていけてた方の助言をお待ちしております(笑)
しずるのネタが大好きでした。あんなの好きに決まってます。話の展開の意味は分かるけど、必然性が何一つ分からないタイプのネタ(笑)で、ああいうのが実はこの人たちは上手いというか、得意というか、なのかもしれないなーと。これくらい振り切れちゃってるときのしずるのネタって、毎度毎度大笑いして見てる気がします。色々こねくりまわしている感じのも嫌いじゃないけど、こういうのをたまに見るとかなり打ち抜かれます。
ライスも好きでした。なんたって妖精ですから(笑)ファンタジーでシュールってまた豪華だなあ。色々とやり方が上手いなーといつも思います。ライスはいろんなネタを見るたびに、あれも上手いこれも上手いと思えて悔しくなるくらいです。あと、関町さんが珍しく飛んだり跳ねたりしていて、その様がやけに新鮮で笑えたというのもある(笑)
ハイキングウォーキングが非常にくだらなくて馬鹿馬鹿しいけれどやたらと詩的というかなんというか・・・いや、馬鹿馬鹿しさ極まるノリで相当笑いましたが、しかしこの人たちってふり幅広すぎ!
お野菜太郎氏は木村カエラ的・・・なんというべきか。入場時に青じその葉をフライヤーやアンケート用紙と一緒に手渡されたのですが、これの使い道はお野菜さんのネタだったのでした。木村カエラ青じそ・・・意外性ありすぎます(笑)
あと、久々に見た平成ドデカバンドが相変わらず不条理を通り越して完全に前衛的世界の出来事で、よく分からないけれどすごい気がしないでもない、みたいな感想しか出てこなかった(笑)一人ひとりのやってることをひとつひとつ切り取ってみたらちょっとは分かる気がするんですけど、3人揃った途端にああも混沌とするものかと(笑)どうしたらいいか分からなかったので、とりあえず中尾さんのキマった表情を見てました。これはこれで贅沢なような気がしないでもない。
トリを飾ったのが徳井さんで、吉村さんが仕事で来られなくなってしまったため、R-1でキンキンに滑ったというネタを披露してくれました。もしかしたらこの先どこかで披露することがあるかもしれないので、ネタの内容については書かずにおきますが、見ていた家城さんに「結果一番気が狂ってるじゃないですか」と言わしめるという凄さ。凄さというか、なんというか・・・(笑)吉村さんが本気のシュールを見せる的な話をしていたらしいので、ノブシコブシの本気のシュールが見られなかったのは非常に残念でしたが、その代わりにあの徳井さんのネタを見られたのはとてもラッキーだったのかもしれません。分かりません。もう何が何だか。


そんなところで、とにかくなかなか出会うことのない空気ばかりを吸っていたような気がする2時間半弱?でした。またやってくれたら、多分行ってしまう気がします。トークは難しそうですけれども。